大屋地爵士のJAZZYな生活

櫻狂い(1) ~西行櫻~

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(写真;勝持寺の西行櫻 西行手植えから3代目の櫻だという)

櫻狂いの4月。「ご近所櫻」だけでは飽き足らず、されば徹底的にと思い立った。まずは、鳥羽上皇に仕えていた北面の武士、佐藤義清(さとう のりきよ)が保延六年(1140年)23歳で出家し、名を「西行」と改めて庵を結び、櫻狂いの道に入ったという、その庵があった京都は西のはずれ、長岡京に程近い西京区の山寺、「勝持寺(しょうじじ)」を訪れました。櫻を愛し、武士を捨てて出家し、如月の花の下で逝った西行法師が、出家後に住んでいた寺である。ふもとの大原野神社から仁王門をくぐって、緩やかな坂道の参道を上がっていくと、土塀越しに満開の桜に埋もれているようなこじんまりとした寺、「勝持寺」が見えてくる。

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小塩山大原院勝持寺。白鳳八年(680年)天武天皇の勅によって、役の行者が創建したという古刹。西行がその一株を自ら植えたといわれる枝垂桜が鐘楼の脇にすっと立っている。「西行櫻」だ。夢枕に櫻の精がたつ、あの世阿弥の能の「西行櫻」だ。南北朝時代、あの婆沙羅大名として有名な佐々木道誉が愛で、闘茶会を催したという「西行櫻」だ。そして境内には、ソメイヨシノやヤマザクラなど約100本が埋め尽くす。「花の寺」とも称される由縁である。


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「願はくは花の下にて春死なん、そのきさらぎの望月のころ」と詠んで、その詠んだ歌の願い通り、文治6年2月16日(1190年3月23日)に桜の下で死んだ西行。その西行の生き様に加え、散り際が鮮やかで美しいことから、櫻には日本人独特の死生観が纏わりついてくる。そんな想いが湧き上がってきつつ観る西行櫻、そしてこの寺を埋める櫻は一層儚く美しい。


「西行(さいぎょう、1118年(元永元年) -1190年3月23日(文治6年2月16日))」。
生涯に二千首を超える歌を詠んだといわれ、新古今集に九十四首(入撰数第一位)をはじめとして、二十一代集に計265首が入撰し、代表する家集に『山家集』(六家集の一)があり、当代一の歌人とうたわれた院政期から鎌倉時代初期にかけての武士・僧侶・歌人。出家の理由や動機は、友人の急死にあって無常を感じたという説が主流だが、失恋説もありよく分かっていないという。幾多の漂白の後、河内弘川寺(大阪府河南町)に庵居。先の歌の願いどおり、建久元年(1190年)この地で入寂した。後世に与えた影響はきわめて大きく、後鳥羽院をはじめとして、宗祇・芭蕉にいたるまでその流れは尽きない。特に室町時代以降、単に歌人としてのみではなく、旅のなかにある人間として、あるいは歌と仏道という二つの道を歩んだ人間としての西行が尊崇され、幾多の小説、評伝、エッセイに取り上げられている。(Wikipedia参照)
寺の案内に記されていた西行の一首・・・。櫻を見ようと押しかける我々を皮肉っているようにも聞こえる。
  花見んと むれつつひとの くるのみぞ あたらさくらの とがにはありける

私が西行を知ったきっかけは、「辻 邦生」と「白州正子」である。
「辻 邦生/西行花伝」。学生時代「辻 邦生」が好きで、その流れでこの本を読んだが、正直言って、青二才の私には、花鳥風月を愛で、癒される日本人の心など当時は判る術もなかったが、還暦を過ぎ、今そのことが少し分かる歳になったということか。静謐な美しい日本語で語られる美しく生きた男の物語。

西行花伝 (新潮文庫)

辻 邦生 / 新潮社



自ら西行狂いを認めた「白州正子」の「西行」。桜を詠んだ数々の歌と、漂白の足跡を実地にたどりつつ、著者独特の眼力による読み込み、解釈が新鮮。櫻に憑かれ、桜を愛し抜いた「櫻狂い」西行。そしてその西行の生き様に惚れぬいた「白州正子」。櫻ファン、西行ファン、正子ファンにとっては実に魅力的な必読書に違いない。「勝持寺」については「花の寺」の章で触れられている。

西行 (新潮文庫)

白洲 正子 / 新潮社



朝、眼を覚ませば、障子の櫻のすかし模様が淡い影を映していた・・・。
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by knakano0311 | 2009-04-12 10:47 | おやじの遠足・街歩き | Trackback(1) | Comments(0)
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