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大屋地爵士のJAZZYな生活

おやじのモノ語り(5) ~粋な皮ジャンパーで・・・~

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皮ジャンパーを一度着てみたいとずっと思っていた。自由と反抗の匂いがするからである。

アメリカン・ニューシネマの中でも異色作、改造型のオートバイが全編スクリーンを駆け巡る映画「イージー・ライダー(Easy Rider)」(1969年)のなかで、主人公たちが着ていたからだ。無論、それまでの色々な映画で多くの男達が皮ジャンパーを着ていたが、この映画の長髪・皮ジャンパー・サングラスのいでたちは際立っていた。監督はデニス・ホッパー。出演はピーター・フォンダ(キャプテン・アメリカ)、デニス・ホッパー(ビリー)、ジャック・ニコルソン(ジョージ・ハンソン)。

メキシコからロサンゼルスへのコカインの密輸で大金を得たワイアット(キャプテン・アメリカ)とビリーは、金をフルカスタムされたハーレー・ダビッドソンのタンク内に隠し、カリフォルニアからマルディグラ(謝肉祭)の行われるニューオリンズ目指して旅に出る。途中、拘束された警察の留置場で弁護士ハンセンと出会い、共にニューオリンズに向けての旅を続ける。しかし、「自由」を体現する彼らは行く先々で沿道の人々の思わぬ拒絶に遭い、ついには殺伐としたアメリカの現実に直面する……。

イージー★ライダー コレクターズ・エディション

ソニー・ピクチャーズエンタテインメント



そして音楽は全編に、ステッペンウルフ、ザ・バンド、ジミ・ヘンドリックスらのロックが採用され、冒頭、疾走するバイク・シーンに流れるのは、「ステッペンウルフ」の「Born To Be Wild(ワイルドで行こう)」。

グレイテスト・ヒッツ~ワイルドで行こう

ステッペンウルフ / MCAビクター



写真の皮ジャンパーは昭和の終わりの年の11月、NewYorkで求めたカーフ(子牛皮)製のものである。厚手で重いが、ときおり、おやじの悲しき変身願望をかなえてくれる愛用の一品。

小林旭、石原裕次郎などスクリーンの青春スターもよく皮ジャンパーを着ていた。アイビーだトラッドだと都会のほうでは若者のファッションが話題になっていたが、田舎の高校生にとっては無縁の話であった。二十歳のベルギー出身の若者「アダモ」の「ブルー・ジーンと皮ジャンパー」のEP盤がリリースされたのは、1963年、高校3年生のそんな頃であった。このEP盤を擦り切れるほど聴いた。鼻に詰まったような声で決して美声ではないのだが、旧来のシャンソンとは違う、時代性というかPOPSやJAZZなど若者に通ずる何かをもっていると感じた。そして、翌年の「雪が降る」の大ヒットで日本で瞬く間にスターとなっていった。

「En Blues Jeans Et Blouson D'Cuir(ブルージーンと皮ジャンパー) - Adamo」

          

タイトルそのままのフランス語の歌いだし、「♪ En Blue Jeans Et Blouson D'Cuir /あん ぶるー じーん え ぶるーぞん どぅきゅいーる ・・・・ ♪」は、当時初めて覚えたフランス語の歌。
EP盤は、中古オークションでしか手に入れることが出来ないが、CDではいくつかのベスト盤に収録されている。

アダモ

サルバトーレ・アダモ / ビクターエンタテインメント


by knakano0311 | 2009-06-03 09:11 | 爵士定規 | Comments(0)
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