大屋地爵士のJAZZYな生活

我が青春のシネマ・グラフィティ(11) ~ジーン・セバーグ/悲しみよこんにちは~

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たった2作で私に強烈な印象を残した女優。そしてその2作とも、リアルタイムではなく、高校の「名画鑑賞会」でみた女優。それ以降に彼女の出演作は観ることはなかったため、私にとっては幻のような女優。フランス映画への出演が多いという印象と、その風貌がヨーロッパ的だったので、ずっとフランス人と思っていた女優。1979年、謎の死をとげた女優。「ジーン・セバーグ」。2作の映画は、「悲しみよこんにちは」、「勝手にしやがれ」 。

「ジーン・セバーグ(Jean Seberg,1938年11月13日 - 1979年9月8日)」はアメリカ合衆国アイオワ州出身の女優である。映画監督のオットー・プレミンジャーに見出され、17歳のときに「聖女ジャンヌ・ダーク(Saint Joan)」でデビュー。1957年のフランソワーズ・サガン原作の同じく、オットー・プレミンジャー監督の「悲しみよこんにちは」に出演した。彼女の「超」ショート・カットの髪型は映画の主人公にちなんで「セシル・カット」として流行した。1959年には、3本目の主演作ジャン=リュック・ゴダールの初監督作品「勝手にしやがれ」に主演。一躍、ヌーヴェル・ヴァーグの寵児となる。「ジーン・セバーグ」は、この時21歳。しかし彼女のキャリアはこれが頂点だった。その後、アメリカやフランスで30本以上の映画に出演したが、これといった注目の作品はない。

プライベートでは公民権運動や反戦運動に傾倒し、ブラック・パンサーを支持したことからFBIのブラックリストに載った。妊娠に対するマスコミの中傷で精神のバランスを崩し、睡眠薬の常用と幾度かの自殺未遂を経、1979年の8月に失踪し、11日後にパリの路上で車の中の変死体として発見される。死因はアルコールとバルビツールによる自殺と判定された。手にしていた遺書には「許してください。もう私の神経は耐えられません。」と書かれていた。セバーグはパリのモンパルナス墓地に埋葬されている。

そんな経歴などから、彼女のイメージは、初期の2作、「悲しみよこんにちは」(1958年)のセシルと、「勝手にしやがれ(1959年)」のパトリシアとに固定されてしまった。短髪のセシル・カットに、ボーイッシュで無邪気で奔放な性格、それに加えて「勝手にしやがれ」で「ジャン=ポール・ベルモンド」に評されたように「ファニー」というイメージである。高校生だった私は「エキセントリック」というこの新手のキャラをもつ、さほど私と歳の違わないのセバーグ=セシルにすっかり参ってしまったことを覚えている。

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南フランス海岸の別荘で暮らす17歳のセシル(ジーン・セバーグ)の父レイモン(デヴィッド・ニヴン)が、デザイナーのアンヌ(デボラ・カー)と再婚することになった。しかしセシルはアンヌのことが気に入らず、レイモンの愛人エルザ(ミレーヌ・ドモンジョ)と共謀して、彼女を破滅へと追いやっていく……。太陽がきらめく、美しい南仏の海岸を舞台に、青春期特有の残酷さをもつ少女の感傷にみちた好奇心、愛情の独占欲、完璧なものへの反撥などの微妙な心理を描く。『帰らざる河』などの名匠オットー・プレミンジャー監督のメガホン。しかしこの作品の最大の魅力は、初々しくもどこかもろい危なさを秘めた思春期のエキセントリックな少女を演ずる「ジーン・セバーグ」。それは、演技ではなく地ではないかと感じてしまうのだが・・・。

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「悲しみよこんにちは(原題:Bonjour Tristesse)」は、1954年に発表されたフランスの作家「フランソワーズ・サガン」の小説。サガンが18歳のときに出版され、世界的大ベストセラーとなった処女作である。当時、文学少女と呼ばれる、呼ばれたい、すこし早熟な女の子たちは、「何を読んでいるの?」と聞かれると、「サガンよ。悲しみよこんにちは・・。」と答えたものである。その当時、ファッション化、社会現象化したベストセラーであった。そして今もロングセラーを続けている。
かっては、「サガン」といえば、朝吹登水子氏の訳というのが定番であったが、最近、河野万里子氏の新訳が出たのでこちらが読みやすくおすすめか・・。
わずか18歳で才能も富も名声もすべて手に入れてしまったサガン、その後の人生の物語りは、最近「サガン -悲しみよ こんにちは-」で映画化された。

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「勝手にしやがれ(原題;À bout de souffle)」は、1959年製作のフランスの映画監督「ジャン=リュック・ゴダール」の長編デビュー作で、ヌーヴェル・ヴァーグの記念碑作品といわれる。「ジャン=ポール・ベルモンド」の出世作ともなった作品。警官殺しの小悪党ミシェル(ジャン=ポール・ベルモンド)が、パリにやってきた米国娘パトリシア(ジーン・セバーグ)に惚れるが裏切られ、路上で警察に射殺される。これだけの話を、撮影所やセットではなく、部屋や街角でドキュメンタリーのごとく、手持ちカメラで2人を撮る。その即興的演出、カットの連続、一見無関係なせりふの連続は映画関係者の高い評価を得たが、フランス暗黒街映画、フィルム・ノワールを期待していた私にとって、正直言って、当時も今も、この映画の良さが分からない。ただ、ラスト・シーンでミシェルが射殺されても、叫ぶわけでもなく、涙一つ流さず平然と見つめるセバーグの無機質な表情と、インパクトのある日本語のタイトルが強く印象に残った作品である。

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この映画の影響か、天邪鬼のせいか、私は特にゴダールには強く惹かれることはなかった。しかし私の部屋の隅には、本人はそれとは知らなかったが、次男が残していったゴダールの映画のカットを寄せ集めたポスターが置いてある・・・。

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by knakano0311 | 2009-07-31 09:14 | シネマな生活 | Trackback(1) | Comments(1)
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Commented by 若松若水 at 2017-08-26 05:01 x
ジーンセバーグ、私も大好きです。
拙ブログでも、8月26日にこの作品にまつわる個人的な思い出を書きましたので、よろしければ覗いてみてください。
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