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大屋地爵士のJAZZYな生活

観天望気

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見事な入道雲、夏空一色だ。蝉が一斉に鳴き出した。近畿地方にも「梅雨明け宣言」がやっとでたが、1951年から統計を取り始めてから、観測史上最も遅い梅雨明けだそうだ。あの雲を見て、蝉の鳴き声を聞けば宣言されなくても梅雨明けということは分かる。

ところで「観天望気」という言葉がある。「大辞林」で調べてみると、
【観天望気(かんてんぼうき);雲や風や空の色などを目で観察して、経験的に天気を予想すること。「朝焼けは雨」など】
とある。漁師や農夫たちは古来からの言い伝えや自然に身についた智恵として、「観天望気」を行い、仕事や生活に活かしてきた。私のかっての趣味であったヨット競技でも、地元チームが有利だといわれているのは、潮の流れや風の向きや変化を予測できるという「地の利」を持っているからである。

人間が自然の中にすっぽりくるまって、共存しながら生きてきた今までの時代は、自然も気象の変化のサインを我々に送ってきた。ところが、最近の集中豪雨、突風、竜巻などの異常気象やそれによる予想をはるかに超えた被害を見るにつけ、自然はもう「気象の変化」のサインを通り越して、「気象激変の警告」を送ってきているのかもしれない。CO2や温暖化などとの因果関係は判然とはしていないが、日本の気象に異常な変化が起き、熱帯化している可能性が大いにあると専門家たちは警告している。快適な生活や豊かな経済活動を求めていくあまりもう後戻りができないポイントをすでに超えてしまったのかもしれない・・・。

「三国志」、「赤壁の戦い」において、「観天望気」をおこない、長江の濃霧の発生や風向きの変化を事前に予知し、後漢・曹操(のちの魏)を破り、孫権(のちの呉)、劉備(のちの蜀)の同盟軍を大勝利に導いたのは軍師「諸葛孔明」であった。古来から、戦は「天の利、地の利、人の利」というが、孔明の「観天望気」の才が勝敗を左右したのだ。さしづめ今回の選挙などは、我々にとっては政策の違いから国家の計のありようを考え、託す政権を選ぶを「観策望計」の選挙か・・・。それにしても各党、「諸葛孔明」は欲しいでしょうね。いやいや、欲しいのは、4年間で3人も総理が人気があるというだけで代わることにへきへきしている国民のほうかもしれません。

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その名も「天気予報」、「ウェザー・リポート/Wheater Report」というJAZZバンドがあった。マイルス・デイビスが「ビッチェズ・ブリュー」(1969年)を皮切りに急激に電子楽器を多用したエレクトリック・ジャズ、或いはロックとのフュージョン化に進んでいったその2年後の1971年、「これから僕達が始める音楽は、おとぎ話みたいなものさ」といって、ジョー・ザヴィヌル(p)はウェイン・ショーター(sax)と電化JAZZバンド「ウェザー・リポート」を組み、デビューした。始めは電子ピアノ程度だったが、急激に電子楽器化が進み、ステージの上はシンセサイザーやらコンピューターやら電子機材の山と化していったという。1976年にベースのジャコ・パトリアス、ドラムのピーター・アースキンを加え、リズムセクションを強化した少数精鋭、最強の電化JAZZバンド4人組となった。従来、ジャズという音楽は個人のソロ、アドリブを中心としていた。しかし彼らは、バンド全体がトータルとして生みだす「サウンド」を中心にすえる。従来のアドリブ・ソロ中心のジャズの概念を組み替えていったのだ。
70年代ジャズシーンを代表するといえる最強メンバーでのアルバムが、「ヘヴィー・ウェザー(1977年)」。このアルバムは全米で40万枚の大ヒットを記録した。1982年にジャコとピーターが去っても人気は衰えず、1986年に解散したが、1984年まで12年間連続して米JAZZ専門誌「ダウンビート」の人気投票では断然トップであった。まさに「天気予報」は当たったのだ。

ヘヴィー・ウェザー

ウェザー・リポート / ソニーレコード



「Weather Report - Birdland」

         
by knakano0311 | 2009-08-04 10:08 | 想うことなど・・・ | Comments(0)
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