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大屋地爵士のJAZZYな生活

Work or Job ???

「収入」と「やりがい」どっちが大事? こんな問に対する朝日新聞アスパラクラブの会員5686人によるアンケート結果が特集記事にのっていた。

・「やりがい」;14%  どちらかといえば「やりがい」;37%  計51%
・「収入」;9%     どちらかといえば「収入」;40%     計49% 

「収入/やりがい」、両者ほぼ拮抗し、わずかに「やりがい派」が勝っていた。

こんな結果は、アンケートなぞ取らなくても予想できると思うのだが・・・。両方が成り立って欲しいと思うのが普通の考えであろう。この厳しい時代、収入か、やりがいか、の二者択一なぞありえない。強いて選ぶのなら、収入派がもっと多くてもいいと思うのだが。

「Job」と「Work」、欧米では、はっきり区別されているのに、日本語だと両者とも「仕事」という一つの概念。簡単に言うと、収入を求めるのが「Job」、やりがいを求めるのが「Work」で、求められる成果も責任も報酬も違う。小泉政権下で、会社法、会計基準や金融投資環境、派遣基準など米国と同じような自由競争を前提とした規制緩和や改革を行った結果、現実は、「Job」と「Work」に分化してしまっている。その現実をなかなか受け入れできないのは、かっての人気TV番組「プロジェクトX」のように、「仕事」に生きがいやストイックな理念を考えがちな、日本人特有の仕事観のなごりが残っているように思えてなりません。勿論、それをひきずっている方に、私も入っているのですが・・。中国に「ものづくり大国No1」の地位が奪われようとしている今、覚悟を決めて規制緩和や改革を推進し、アメリカ的社会を目指していくのか、あるいはすべての仕事に「Work」的価値観をおく、かっての日本式経営の良さを生かし、新技術をてこに、今一度「技術立国」、「新産業立国」の道を模索していくのか、後輩達は厳しい選択をせねばならない時期に来ているようです。

そして、この時期にもう一つ意味がないのではと思えるアンケート結果が載っていた。「新卒学生就職人気企業ランキング」。これは、記事ではなく、調査会社の全面広告ではあったのだが・・・。

・総合;1位全日空、2位伊藤忠商事、3位三井物産、4位資生堂、5位オリエンタルランド ・・・・・
・文系;1位伊藤忠商事、2位全日空、3位オリエンタルランド、4位三菱東京UFJ銀行、5位三井物産 ・・・・
・理系;1位パナソニック。2位ソニー、3位味の素、4位JR東海、5位資生堂 ・・・

企業各社とも非正規社員比率や外注比率、海外シフトがさらに一段と増える中で、去年は派遣切りだったが、今年は正社員切りへと進んでいるとも聞く。勿論、新卒予定学生の志向や人気を知ることは、それなりの意味はあるにせよ、この時期に大企業への就職人気ランキングを掲載することに、さほど大きな意味があるとは思えない。ランキングに登場する企業の自己満足か、調査会社の媚にすぎないのではないか。そして、文系学生のメーカーに対する意識や人気のなさ、あるいは意識的に避けていると思われる傾向を観ると、今一度の「技術立国」など夢物語にも思えてくるのである。
そうそう、あの日航も総合52位(女子学生29位)にのっていましたが ・・・。

この二つのアンケート、時代が変わっているのに、相も変わらず、能天気に続けているアンケートとしか思えない。いや、「JAZZYな生活」なんて能天気ブログを書いている私もあまり人のことは言えませんが・・・。

さて、4月になると新卒者の定期入社式という全国的年中行事が行われる。雇用の流動化とか、働き方や キャリアの多様化という割には、ちっとも変らないこの国の4月の景色、風物詩ともなっている。とはいえ、この4月には厳しい雇用環境なかで、入社を迎える予定の新人諸君にとりあえず贈る「おめでとう」の名盤JAZZアルバム。

フォー・フレッシュメン&ファイヴ・トロンボーンズ

フォー・フレッシュメン / EMIミュージック・ジャパン



「Four Freshmen & Five Trombones - Angel Eyes」

          
by knakano0311 | 2010-01-29 09:48 | マーケッターとしてのシニアから | Comments(0)
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