大屋地爵士のJAZZYな生活

浪漫のなごり・金星台へ ・・・  神戸・諏訪山公園界隈(1)

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天文学のファンならご存知のことかもしれませんが、今から136年も前の1874(明治7)年12月9日、金星の太陽面通過が起こりました。太陽面通過とは地球の内側をまわっている惑星が太陽の前を横切る現象です。月なら日蝕となるのと同じ現象ですが、小さな黒球が太陽を横切るだけのようです。金星の場合、一度起こると8年後にまた見ることが出来るのですが、その次は100年以上待たないといけない珍しい現象だそうです。この1874年の金星太陽面通過の時、日本は全ての過程を日中に見ることが出来る観測の最適地となりました。そして、明治維新後の間もない時期なのに、アメリカ、フランス、メキシコから観測隊が来訪して、長崎、神戸、横浜でそれぞれ観測を行いました。神戸にはフランスから「J.ジャンセン」が来訪。彼らは諏訪山に拠点を設けて観測を実施し、見事に成果を収めました。写真はそのときの様子を写したもの。これを記念して名付けられたのが、諏訪山公園の「金星台」です。そしてここに記念碑が建てられ、表面にフランス語、裏面に日本語で「金星過日測檢之處」と刻まれています。(詳しく知りたい方は参照してください。ブログ「神戸の街のこんな星・中央区」 )

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こんな、浪漫に満ちた話を知り、ぜひ行ってみたくなった。というわけで、今回の「おやじの遠足」は、神戸・諏訪山公園界隈。ハーバーランドに車を置き、六甲山山裾をめざしで北へと歩き出す。JR東海道本線高架をくぐり、花隈公園、相楽園脇の緩やかな坂を上ってゆく。街に根ざし、地域に溶け込んだお洒落な花屋、デリカッセン、カフェ、リストランテなどを通り過ぎ、山本通りから急な坂をあがるとそこが「金星台」である。神戸港を見渡すことができる展望広場の中央にはお目当ての「金星観測記念碑」と、NHK大河ドラマ「龍馬伝」ゆかりの「勝海舟」が創った「神戸海軍塾」の碑が建てられている。「金星過日測檢之處」の碑には、 表面の最上部には太陽面を通過する金星とその経路を示した図が描かれている。

明治維新から間もない激動の時期にも関わらず、はるか東洋の島国まで天体観測のためにやってきたその浪漫、冒険心、探究心に敬意を表さずにはいられない。神戸・横浜・長崎はいずれも下関、函館を加えた幕末の五開港地の三つであり、日本を代表する異国情緒漂う港町が観測地となったのは、大変興味深い。まさに外国への開かれた窓であったのだ。

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一休みして、金星台から諏訪山展望台へと再び歩き出す。遊歩道の途中、再度山ドライブウェイをまたぎ、金星台と展望台を繋ぐ螺旋形の優雅な歩道橋。この螺旋橋の愛称は「ヴィーナス・ブリッジ」と呼ばれ、もちろん金星(ヴィーナス)台にちなんだ命名。ここからの夜景が見事で、神戸市街を見下ろす展望スポットとして知られているが、季節がよくなり、夕闇が迫る頃は、カップルで鈴なりとなり、一般の人は近寄りがたいとも聞いています。そういえば、はるかな昔、友人の恋の成就のため、デート場所としてここを演出したことがありました。私はただドライバーとして駐車場で待っていただけですが・・・。そのことはさておき、昼間ですが、神戸を見下ろす見事な景観を楽しみながら、展望台脇の仏レストラン「トウール・ドール/tour dor」でお茶とおいしいケーキを味わった。遅い朝食だったので、食事は取らなかったが、素晴らしい景観と雰囲気、今度は夜景を見ながらのディナーを妻から約束させられてしまった。

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来た道を下り、さっき脇を通ってきた相楽園へと向かう。相楽園は、元神戸市長小寺謙吉氏の先代小寺泰次郎氏の本邸に造られた庭園で、明治末期に完成したものです。昭和16年以降神戸市の所有となり、中国の古書『易経』の一節にある「和悦相楽(わしてよろこびあいたのしむ)」からとって「相楽園」と名付けられ、一般に公開されるようになりました。2万㎡の敷地の中にある庭園は、池泉回遊式日本庭園、そのほか蘇鉄園(そてつえん)や樹齢500年と伝えられる大クスノキが見事。
また、重厚な正門と写真の欧風建築の旧小寺家厩舎(重文)、なんと厩舎ですぞ、保存のために移築された船屋形(重文)、旧ハッサム住宅(重文)のほか、茶室浣心亭(かんしんてい)が庭園の景観と調和している。冬空に大枝を広げ、羽ばたくようにすっくと立つ大くすのきがすがすがしかった。

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(続く ・・・)
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by knakano0311 | 2010-02-03 16:46 | おやじの遠足・街歩き | Trackback | Comments(2)
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Commented by jumgon at 2010-03-22 20:53
散歩と歴史が趣味です。残念ながらジャズには興味がないのですが、「おやじの遠足・街歩き」は散歩の参考にさせていただきます。私はもっぱら、奈良・飛鳥方面を中心にあるいています。(主人が西名阪ドライブが好きなのと、近い、お金をかけないで楽しめるのが、理由かな?)
じゅんじゅん
Commented by knakano0311 at 2010-03-22 22:03
じゅんじゅんさん、私も奈良飛鳥は大好きで、明日もびゃくごう寺あたりへ椿を見に行こうと思っていますが、どうも天気が心配で・・・。JAZZに関心なくても気が向いたらお寄りください。
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