人気ブログランキング | 話題のタグを見る

大屋地爵士のJAZZYな生活

これはヤバイ! 韓流JAZZ

これはヤバイ! 韓流JAZZ_b0102572_16164052.jpg

「韓流ブーム」が起こってからもう久しい。もういい年のわたしの妹なんぞも「ヨン様ぁ~!」なんて叫んでいるようである。スポーツ界での韓国の台頭ぶりも凄く、先日のバンクーバー・オリンピックでの「キム・ヨナ」などの活躍を目の当たりにしたところである。また、産業界でも韓国の躍進ぶりは世界でもすさまじく、たとえば北京で町を歩けば、現代(ヒュンダイ)の車、三星電子(サムスン)の薄型TV、携帯電話など韓国製品を数多く眼にするところでもある。

音楽においては、日本の歌謡曲で、その実力はかねてからよく知られてきたところであるが、最近ではPOPSやアイドルの世界でも、「BOA」、「東方神起」など韓国アーティストの人気もめだつようだ。
JAZZ界では、去年ユニット「Waterplay」が日本デビューし、話題になったことはこのブログでもとりあげたところ。(参照 「韓の国より吹いてきたJAZZYな風」 ) そして、私はいままでまったく知らなかったが、日韓で活動し、最近その実力が認められ、人気が出てきた韓国出身の女性JAZZシンガーがいる。たまたまTSUTAYAでCDが目に留まり、借りて聴いたのであるが、これがびっくり!大当たりであったのだ。

「ウンサン/Woong San」。「艶やかさとスモーキーさを併せ持つ詩的ボイスと、独特の柔らかいオーラで聴衆を魅了する最高のボーカリスト、Woong San」とキャッチ・コピーにはあった。

彼女の実家が仏教の研究をしている家系だったことから、17歳から寺院で尼僧の修行に入るという特異な経歴を持つ。修行中に授かった法名、それが「Woong San(雄山)」であり、厳しい修行中のある日、無意識の中で自分が「歌」を口ずさんでいることに気づく。音楽への思いが捨てきれず、「音楽に未練を残したまま修行に集中できないし、仏様に対しても失礼だと思い、自分が納得いくまで音楽活動をしたら、また仏教の道へ戻ろう」と、修行していた寺のある山を下り、歌手への道を歩み始める。当時、選んだジャンルはロックであったが、ジャンルにとらわれず好奇心旺盛に音楽を学ぶ彼女に、友人から偶然に手渡された「ビリー・ホリデイ」のCDが、彼女の運命を大きく変える。それがJAZZとの運命の出会いであった。そこからは、JAZZの世界に転向、数々のライブ、舞台、楽曲制作に積極的に臨み、日韓でファンを徐々に獲得していく。

2008年7月には、日本で人気のミュージシャン、「TOKU」、「小沼ようすけ」と共に日本全国ツアーを敢行。2009年12月「Close Your Eyes」をリリース。スイングジャーナル選定【ゴールドディスク】に選ばれる。1998年からの日本でのライブ活動も10年を超え、今まで500回も越える公演や全国ツアーを行い、ワールドワイドに彼女が求めてきたもの。それは「人間のそのままの自由」だという。( ウンサン・オフィシャルサイト より)

ブルース感覚にあふれた中低音の声質。大胆さと繊細さを織り交ぜて表現される喜怒哀楽。音楽のルーツは「般若心経」。座禅を組み、経を唱える毎日。そんなある日、口慣れた般若心経にメロディーを付けてみたという。「心のままに歌っていると、光が差すような気持ちになったんです。歌の世界に進みたいと直感しました」。なにかのドラマでも観るような話であり、もう「レジェンド(伝説)」ができているのだ。

スイングジャーナル誌、ゴールド・ディスクを獲得した4作目になるという「Close Your Eyes」。オリジナル2曲を含んで、スタンダードからロックまで彼女の多面的な魅力を味わうことができる。ハスキーにしてスイート、オーガニックにしてブルージー、ガッツにしてメロウ・・・。バックでサポートする日本人ミュージシャンも最高のできばえ。「マイケル・フランクス」のカバー「ヴィヴァルディーズ・ソング」のボサノバ・テイストも秀逸。

Close Your Eyes

ウンサン / ポニーキャニオン



彼女のステージぶりを見ていただこう。ロックの「ヴァン・モリソン」の作詞・作曲でJAZZカバーもよく行われている「Moon Dance」をYOUTUBEで。




韓国で、ジャズが知られるようになったのは80年代後半だという。まだ20数年年の歴史の中から生まれてきた韓流JAZZミューズ「ウンサン」。新たなアジアン・ジャズ・ミューズ誕生か? 恐るべし韓流JAZZ!! 
by knakano0311 | 2010-03-10 09:29 | ミューズたちの歌声 | Comments(0)
<< ご近所の温泉 ・・・ ボサノバはお好き?(7) 増補... >>