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大屋地爵士のJAZZYな生活

櫻の季節は・・・ ~映画・花のあと~

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この季節になると、いつも櫻はもちろんのこと、櫻を背景にした映画も観たくなる。一昨年は「山桜」、その前は「夕凪の街 櫻の国」、そして「紙屋悦子の青春」、「阿弥陀堂だより」なども、私にとってはそういう映画であった。不思議なことに、いずれも主人公は女性である。いまさらいうまでもなく日本人の死生観、生き方に櫻は大きく影響を与えている。還暦をとうに過ぎて、あとは朽ちていくばかりの年になると、体の奥底にある日本人のDNAが、「櫻が観たい」と叫ぶのであろうか、「櫻のような潔い生き方をしたい」と欲するのであろうか ・・・。そして、今年も櫻のシーンで始まり、櫻のシーンで終わる映画「花のあと」を観た。この映画も主人公は女性。草食系の男子が多くなったといわれている現在の日本においては、凛とした潔い日本人を描くのには女性を主人公にしたほうが描きやすいのか ・・・。

映画「花のあと」は、「蝉しぐれ」「武士の一分」など数々の時代劇作品の原作者として知られる藤沢周平の同名短編小説を「中西健二」監督が映画化。現代の日本人が見失いつつある「日本人的なるもの」をテーマにした映画である。「中西健二」監督も、主演の「北川景子」も、時代劇が初挑戦らしいが、みずみずしい感覚に溢れ、見どころのある佳作であった。

女でありながら男顔負けの剣術の腕を持つ以登(北川景子)は、一度だけ竹刀を交えた江口孫四郎(宮尾俊太郎)に一瞬にして恋心を抱く。しかし、以登、孫四郎ともに決まったいいなずけがおり、以登はひそかな思いを断ち切って、江戸に留学中のいいなずけの帰りを待ち続ける。数か月後、藩命で江戸に向かった孫四郎が自ら命を絶ったという知らせが入る。江戸時代の東北を舞台に、ひそかに思いを寄せていた武士が自害したことを知り、その原因となった相手に敵討ちを果たそうとする女性の姿を描く。

時代劇初挑戦となる「北川景子」。最初はその童顔のぽっちゃり顔が気になったが、どうしてなかなかの熱演と見事な殺陣。そして、ヒロインのいいなづけに扮した「甲本雅裕」のキャラクターが秀逸。彼女が恋心を抱く剣士にバレエ・ダンサーの「宮尾俊太郎」が粉するほか、「市川亀治郎」、「國村隼」、「柄本明」ら達者な実力派が脇を固める。主題歌は去年の「山桜」とおなじく「一青窈(ひととよう)」が歌っている。


花のあと (文春文庫)

藤沢 周平 / 文藝春秋



冬めく / 花のあと (初回生産限定盤)

一青窈 / フォーライフミュージックエンタテインメント



散歩をしていたら、名づけて「とぼけ桜」が、今年もご近所で一番早く花をつけたのに気がついた。(参照「ご近所の櫻(1)~とぼけ桜~」) さて、今年は何処の櫻を追っかけるやら ・・・・。


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by knakano0311 | 2010-03-20 09:40 | シネマな生活 | Comments(0)
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