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大屋地爵士のJAZZYな生活

「ジャズズのおやじ」も漫画好きだった

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いよいよ月刊漫画雑誌「ゼタ」が創刊された。といってもNHK朝の連ドラ「ゲゲゲの女房」での話である。お気づきの方も多いと思うが、この雑誌「ゼタ」は「月刊漫画ガロ」のことである。東京オリンピックの開催された年、1964年から2002年頃まで「青林堂」が刊行していた漫画雑誌で、初代編集長は、青林堂創業者の「長井勝一」氏。その誌名は「白土三平」の漫画「やませ」に登場する忍者「大摩のガロ」から取っているが、空前のスケールの題材と内容の「白土三平/カムイ伝」の連載が開始されたのは、創刊4号、1964年12月号からであった。

「カムイ」とは主人公である忍者、およびサブストーリーとして語られる狼の名前である。主にカムイ(非人)、正助(農民)、竜之進(武士)という三者三様の若者を中心に物語は展開されてゆく。旧来の漫画にはみられない様々な群像が入り乱れる骨太のストーリーが高く評価され、時代小説に比しても遜色ない漫画路線の礎を築いたとされる漫画である。階級社会である武士社会、最下層の非人階級などへの視点など左翼的な色合いを持ったストーリー展開は、大学生などを中心に支持され、最盛期は8万部を超えていたという。1971年に「カムイ伝」が終了すると「ガロ」の売上は徐々に下降線をたどり、出版界のゴタゴタ騒ぎに巻き込まれ、やがて休刊に追い込まれてしまった。(一部Wikipedia参照)

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実は、わたしはこの「月刊漫画ガロ」を「カムイ伝」連載開始の1964年12月号から1971年7月号までの全74回+増刊号の約80冊を持っていたことがある。当時、仕送りしてくれる親には内緒であるが、乏しい仕送りとバンドのバイト代などをやりくりして毎号買ったものである。この雑誌は、私の下宿の部屋からは門外不出としていたため、読みたい連中は私の部屋へと通ってきたものである。長い間手元に持っていたが、現在の住まいに替わるのを機会に処分してしまった。いまから考えると惜しいことをしたものである。


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大学生など比較的高い年齢層の読者に支持されたこの雑誌はまた、漫画界の若手、異才をあまた輩出した雑誌でもあった。思い出してみると、「水木しげる/鬼太郎夜話」、「林静一/赤色エレジー」、「滝田ゆう/寺島町奇譚」、「つげ義春/ねじ式」、「永島慎二/漫画家残酷物語」、 「杉浦日向子」、「赤瀬川原平」、「池上遼一」などの作家や作品が浮かんでくる。中でも、「つげ義春」のシュールな作風や、「林静一」の繊細で叙情的なタッチが好きであったし、影響も受けた。「ガロ」に連載された「林静一」の代表作、「赤色エレジー」は、1972年「あがた森魚(もりお)」の歌でヒットし、時代の風俗を象徴するような作品でもあったのである。

「ゲゲゲの女房」の時代背景は、私の高校から大学の時代とちょうど一致するのだが、「ガロ」は「話の特集」、「スイング・ジャーナル」などと並んで、我が青春の中でも大きな位置を占めていた雑誌であった。自分の将来像などあまり考えることもなかったが、何かいいことがあるかもしれないぐらいに考えて突っ走っていた懐かしき良き時代。「ゲゲゲの女房」ならぬ「ジャズズのおやじ」の古~い昔話ですが ・・・ 。

「ガロ」編集長 (ちくま文庫)

長井 勝一 / 筑摩書房



相当前からであるが、コンサートにも行き、密かに私が贔屓にしているシンガー・ソングライターがいる。「浜田真理子」。彼女のスタジオ録音3作目のアルバム「夜も昼も」のジャケットは、なつかしや「林静一」のイラストであった。(参照「化学反応」松江・宍道湖のほとりから~浜田真理子の世界~ ) 

夜も昼も

浜田真理子インディペンデントレーベル



まっ、一度彼女の歌声聴いてみてください。 私が最初に出会った「浜田真理子」の歌、「月の記憶」。

       


連ドラ「ゲゲゲの女房」から大きく話がそれてしまったが、ミーハー的な芸能の話題に戻すとしよう。「ゲゲゲの女房」で主演の「松下奈緒」は市内のH高校の出身である。最近私の住んでいる街の出身者が色々なところで活躍しているのを聞くと、郷土愛とまでは行かなくても、うれしい気がする。テニスのウィンブルドン大会、今年の「全英ローンテニス選手権大会」に出場していた「奈良くるみ」選手は、となりのD団地の出身、ヤクルトの前監督「古田敦也」はM高校出身。アコースティック・ギターの全国大会(フィンガー・ピッキング・ディ)で最優秀賞をとった「井草聖二」、最近「トイレの神様」で話題になっているシンガー・ソングライターの「植村花菜」も同じ市内の出身である。

聴いてみますか? 「植村花菜」の「トイレの神様」。
観てみますか? 「井草聖二」のフィンガー・ピッキング奏法。  
 


7月からExiteの都合でかってに末尾に広告がついているようです。お見苦しければゴメンナサイ。
by knakano0311 | 2010-07-02 09:58 | 音楽的生活 | Comments(0)
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