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大屋地爵士のJAZZYな生活

なんてたってアイドル!

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前回の記事、「昔の名前が売れてます」で売れ行き好調なJAZZ復刻盤の話題を紹介した。 少子高齢化JAZZ界、「高齢化」のほうばかりでなく、「少子」のほうも紹介しておきましょうか。

今月号をもって休刊する「スイングジャーナル7月号」にこんな記事を見つけて、びっくり。「加護亜依(かご あい)」。そう、元「モーニング娘」の「加護亜依」、あの「加護ちゃん」である。その彼女が、JAZZに初挑戦し、初アルバムを出したというのだ。天下のSJ誌の「ボーカル精選2010」という記事に取り上げられているのである。しかも「・・・・ ミュージカル女優が演じ、歌い踊っているかのような光景。そこには豊かで多彩な表情を見せるシンガーがいた。 ・・・ 」と、高評価なのである。ホンマかいな。耳、いやぁ目を疑いましたね。いくら何千倍ものオーディションをくぐりぬけ、合格してきたとはいえアイドルである。JAZZボーカルや英語発音の基本的トレーニングができているのであろうか?そもそもアーティストとしての要求されるレベル、基準がアイドルとはちがうはずである。CD紹介を見てみたが、「キュートなヴォイシングで、ウィスパーかつsexyに熱唱」とコピーにあるし、しかも歌っている曲は、「how high the moon」、「night and day」、「you'd be so nice to come home to」、「fly me to the moon」など、超有名スタンダードがずらり。こうなると「新し物好き」なだけに食指がちょっとだけ動く。しかし、怖いものみたさで、聴きたくもあり、聴きたくもなし、と迷っていた。

AI KAGO meets JAZZ

加護亜依 / P-VINE RECORDS



ここはぐっと我慢のしどころと、探してみたら、動画がYOUTUBEにありました。怖いけどほんのちょっとだけ聴いてみますか? ほんのちょっとだけですよ!「Fly Me To The Moon」。

          

やっぱり怖かったですか? えっ、怖さを通り越して寒かったって ・・・。同感。聞くところによると、このライブのフィーは5000円だという、そしてデビューCDは2500円。加護の責任ではないのだが、レコード会社やプロダクション、SJ誌の大人たちよ、これでお金を取ってはいけないのだ。もし自腹で買っていたとしたら、「てやんでえ! こちとら伊達に40年もJAZZを聴いてはいないのだ!」と啖呵の一つも切りたくなったろう。救いはインタビュー記事などから、彼女が歌うことが好きであり、JAZZが好きらしいということは十分うかがえること。それならば、少子高齢化JAZZ、JAZZ好きのご老人へのボランティアなどからはじめてはいかがでしょうか。なんてたってアイドルなんだから ・・・・。

かって同じような体験をしたことを思い出した。人気アイドル・ユニット「SPEED」のメンバー「HIRO」がJAZZデビューしたことがある。「ココドール/CoCo d’Or」という名前で2枚ほどリリースされた。そのデビュー作は、ジャズ・アルバムとしては記録的なセールスとなり、なんと、2004年の「輝く!日本レコード大賞企画賞」、「日本ゴールドディスク大賞JAZZ部門」を受賞したのである。沖縄時代にJAZZ好きな両親という環境下で育ったらしくJAZZが好きというのはよく分かるが、歌は少し首を傾げたくなる代物だった。日本人の女性JAZZ歌手に総じて共通することであるが、彼女も例外でなく躯体が貧弱なのである。だから、音を体で響かせられないのである。高い声や大きな声量になるとまったくスイングしないのだ。このときも何とか買わずに踏み留まって、TSUTAYAのお世話になったのだが、以後、このアルバムは聴くことがなかった。なんてたってアイドル、HIROファンの方ゴメンナサイ。

CoCo d’Or (CCCD)

Coco d’Or / エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ



Coco d’Or2

Coco d’Or / SONIC GROOVE



18歳の現役女子高校生のアルト・サックス・プレイヤー「寺久保エレナ」をデビューさせ、デビュー・アルバム「ノース・バード」に「SJゴールド・ディスク」を与えてしまう。新しいスターやアイドルをのどから手が出るほど欲しいJAZZ界の情況はよく分かるが、いくら若手スター不在とはいえ、業界関係者は、すこし急ぎすぎてはいないだろうか。アセってはいないだろうか ・・・。ここはじっくり時間をかけてでも育てることをしないと、せっかくの才能を瞬く間に消耗してしまうという結果になりはしないだろうか。

この記事、カテゴリーは「ジャズ的トリビア」のほうがよかったかもしれない ・・・。

 
 
by knakano0311 | 2010-07-23 08:59 | マーケッターとしてのシニアから | Comments(0)
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