大屋地爵士のJAZZYな生活

Fields Of Gold

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能勢・長谷(ながたに)の棚田。 陽気に誘われ、稲刈りが始まった長谷の棚田を訪れてみた。

前回訪れた田植えのころとはまた違って、田毎の黄金色の稲穂が風になびく景色はやはり美しい。刈った稲を天日に干す「稲木干し」も久しぶりに見た。子供のころ、農家ではなかったが、我が家の近くでは、稲木干しは秋になるといつも見る光景であった。小学生の頃、稲刈りした後の田んぼに全校の児童が総出して、「蝗(いなご)」を捕ったものである。捕ったイナゴは佃煮業者に売って、オルガンや運動用具を買ったのであった。そんな貧しい時代の記憶も懐かしい。

猪除けの電柵に気をつけながら、前回と同じように、畦道に腰を掛け、おにぎりをほうばる。棚田、稲の香り、稲木、コンバイン、藁葺き屋根、栗林、ゆっくりと空を舞う鷲 ・・・ 。この開放感、五感に響いてくるすべてが心地よい。

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聞こえるのは風の音。その音に混じって遠くからはコンバインや秋の虫の音も。

ゆっくりと歩く山道の傍らには、よくお金を稼いでくれるところから、昔から、銀寄(ぎんよせ)ともいわれるこの地の名産、大粒の「能勢栗」が、もう野球のボールくらいの大きさに実っている。今年は栗も豊作の様である。  

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栽培をしているわけはないと思うが、可憐な花をつけている「葛(くず)」の生い茂る斜面を抜け、杉木立の中に涼を感じながらゆっくりと20分ほど登ると、もうそこは「才の神(サイノカミ)峠」である。峠を越すと猪名川町であるが、この峠には「右ふたすじは山道長谷村 たには銀山ありま ・・・・ 」という寛文11年(1671年)八月の銘の刻まれた道標が置かれている。

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長谷の里の背後のある「三草山」の古名は、「美奴売山(みぬめやま)」といい、神功(じんぐう)皇后の三韓遠征に使った船の船材をこのあたりから調達したという伝説も残っているらしい。「才の神峠」は「三草山」の西麓にある峠で古来から交通の要衝であり、「源平一の谷合戦」などの所縁の峠でもあった。道標の傍らには、旅人の無事を祈願したであろう、安政二年(1855年)の銘が刻まれた法華石塔が、ひっそりと置かれている。 
 
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この「才の神峠」の道標まで歩き、杉木立、クヌギ林の里山をくだり、長谷の里まで引き返した。日の影が長くなり、陰影のコントラストがくっきりとして、里山には秋の気配が色濃く漂う。途中の棚田では、老夫婦がコンバインを操作して、稲刈りをしていた。我々はハイキング気分で棚田歩きを楽しんでいるが、この棚田で農業を続けていくには相当な苦労もあることも容易に察せられる。数日前に見た韓国映画「牛の鈴音」に思いがかぶってしまった。

里への下り道には、気がつくとあの赤い色が際立つ、彼岸花がもう咲き始めていた。
はじまった里の秋 ・・・・ 。


「牛の鈴音」。年老いた農夫と牛の暮らしを温かな眼差しで見詰めた感動のドキュメンタリー。40年も生きる老いぼれ牛と共に働いていた農夫・チェ爺さん。誰もが耕作機械を使うのに、頑固なお爺さんは牛と働き、牛が食べる草の為に農薬もまくこともしない。ところがチェ爺さんは獣医から「牛は今年の冬を越すことができない」と告げられる … 。オリジナルのタイトルの意味は「OLD PARTNER」だという、2009年公開の韓国映画。

牛の鈴音(うしのすずおと) [DVD]

バップ


 

そして、曲はもうこれでしょう。「Fields Of Gold」。オリジナルは「スティング/Sting」の曲であるが、私は、「エヴァ・キャシディ/Eva Cassidy」の歌を聴いて、この曲を知り、好きになった。「Sting」の原曲とは、歌い方も違うし、微妙に異なる歌詞になっているが、彼女のヴァージョンの方が雰囲気や思いはよく出ていると思う。

【 Fields Of Gold 】  作詞作曲;Sting

「♪ You'll remember me when the west wind moves 
   among the fields of barley
   You can tell the sun in his jealous sky 
   when we walked in fields of gold
     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

   大麦畑を西風が吹いたら
   私のことを思い出してください
   嫉妬深い空に輝く太陽に語りかけてください
   黄金色に輝く草原を私と歩いた時のことを
     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・      ♪」

いまや伝説的ともなった「Blues Alley」でのライブアルバムから ・・・ 。

Live at Blues Alley

Eva CassidyEva Music



アルバムのなかでも彼女の「Fields Of Gold」はひときわ輝いている。

          

 
 
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by knakano0311 | 2010-09-20 09:29 | おやじの遠足・街歩き | Trackback | Comments(0)
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