大屋地爵士のJAZZYな生活

1700年前のタイム・カプセル

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兵庫県宝塚市山手台の丘陵地にある前方後円墳「長尾山古墳」で、木棺を粘土で覆って保護する国内最大級で最古級の「粘土槨(かく)」が見つかったと報ぜられたのが12日。そして、16日には現地説明会があるとも報ぜられていた。

「山手台」といえば、私の住んでいるところから、山ひとつ越えたすぐご近所。しょっちゅう車で通っているところである。根っからの野次馬でもあり、昔ちょっとだけ考古学をかじった私としては、これは見逃すわけには行かない。さっそく10時からの説明会に出かけてみた。

「長尾山古墳」は、長尾山丘陵の日当たりのよい南斜面、最近開発された新しい住宅地の中の公園に隣接してあった。猪名川にほど近いこの高台からは、大阪平野が一望の下に見渡せる要衝の地である。

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開始30分ほど前に現地についたが、もうすでに結構な人数が集まっている。ざっと150人は超えているだろうか。しかもさらに続々と集まってくる様子。自分のことは棚に上げての話だが、その関心の高さのゆえか、物見高さのゆえか、殆どがシニアの皆さんである。元々、「宝塚」という地名は、この地にあった「縁起のいい塚」があったがゆえに、「宝塚」と称したという元禄時代の書物の記述が由来らしく、それからも推定されるように、宝塚市内には、いまでも数多くの古墳が残っているという。
  
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(前方後円墳のくびれ部に残る円筒埴輪列の址)

見学に先立っての説明によると、この長尾山丘陵一帯には、200基を超える横穴式石室や箱式石棺をもつ古墳があるが、今回発掘された「長尾山古墳」は、墳長約40mの前方後円墳であり、出土埴輪から見て、4世紀初頭(古墳時代前期前半)までさかのぼる猪名川流域では最古の古墳であることがわかったという。多分葬られたのは、猪名川流域を支配していた大豪族の長ではないかと思われるという。4世紀初頭といえば、かの卑弥呼が亡くなったのが3世紀半ばであるから、それから50年ほど経った頃である。

そして最大の発見は、巨大な「粘土槨」が見つかったことである。長さ6.7m、幅2.7m、高さ1mの全国でも10指に入るという巨大「粘土槨」である。残存状況が極めて良好で、当初の形をほぼ完全に保っており、しかも盗掘されていないというのだ。約30人づつのグループで順番に見学したが、これほどの大きいとは、その大きさに、まずびっくりしたというのが正直な感想である。棺の内部はまだまったくわからないが、数日前のレーザー探査では、なにか金属物らしき反応もあったという。まさに掘り起こされた1700年前のタイム・カプセルだ。大和政権との密接なつながりを持っていたこの地の大王の墓ならば、銅鏡、刀剣、甲冑、勾玉などの副葬品の出土も十分考えられるいう。  

「タイム・カプセルを開けて見てみたい」という、好奇心、野次馬根性が、誰しも頭をもたげる。しかし、事はそれほど単純ではなさそうである。内部の調査には億単位の多額な費用が必要で、多分財政難に苦しんでいる宝塚市一市ではそうとう厳しく、県、国の文化財に指定してもらっての、補助が必要であろうし、開封すれば内部の腐食が一気に進む恐れがあるから、その対策もあらかじめ考えておく必要があろう。発見されたばかりで、まだそれらに対する方針は決まってないらしく、とりあえずは埋め戻すという。こんなところにも地方の疲弊の影響が見え隠れしているのだ。
  
昔、まだ私が高校生の頃、まだ寒い3月の田んぼの中の縄文遺跡で、大型の縄文土器を発掘した時の興奮を思い出した。私の記憶のタイム・カプセルもちょっとだけ開いたようである。翌日の新聞報道によれば、この日の現地説明会に全国から集まった人は、シニア世代を中心に、古代への関心の高さをうかがわせる約2100人だったという。

「ハンク・ジョーンズ」亡き後の21世紀における「ビ・バップ」のタイム・カプセルは、「バリー・ハリス/Barry Harris」と言ってもいいだろう。1929年12月、デトロイト生まれというから、もうすぐ81歳。ご立派なご長寿ジャズ・ピアニストである。「マイルス・デイビス」、「リー・コニッツ」らと共演し、ニューヨークへ進出後は、「キャノンボール・アダレイ」、「コールマン・ホーキンス」、「デクスター・ゴードン」らと活動を共にしたという。「リー・モーガン」の歴史的名盤といわれるブルーノートの「サイドワインダー」にも参加したというから、ジャズの歴史の証人の資格十分。地味ながら実力派で、「Budpowellien」などとも呼ばれる「バド・パウエル」直系のそのスタイルは、くつろいで聴ける「バップ・ピアニスト」といえる。「バリー・ハリス」の最高傑作ライブ盤と称されるアルバムは、「バリー・ハリス・アット・ザ・ジャズ・ワークショップ/Live At The Jazz Workshop 」(1960年録音)。

バリー・ハリス・アット・ザ・ジャズ・ワークショップ+3(紙ジャケット仕様)

バリー・ハリス / ユニバーサル ミュージック クラシック



ちょっとだけタイム・カプセルをあけてみましょうか。「Barry Harris - Moose The Mooche」。 Barry Harris piano - Sam Jones bass - Louis Hayes drums

          
 
 
 
 
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by knakano0311 | 2010-10-18 09:23 | 地域の中で・・・ | Trackback | Comments(0)
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