大屋地爵士のJAZZYな生活

非現実的な夢想家として ~村上春樹氏のスピーチ~

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(写真;NHKニュースより)

9日のスペインのカタルーニャ国際賞授賞式での作家、「村上春樹」氏の受賞スピーチが話題を呼んでいる。「非現実的な夢想家として」と題したスピーチで、「震災後の日本がやがて復興に向けて立ち上がっていく」と強調するも。「原発事故は、広島、長崎に原爆を投下された日本にとって2度目の大きな核の被害」とし、「今回は、自らの手で過ちを犯した。原爆の惨禍を経験した日本人は、核に対する『ノー』を叫び続けるべきだった」と述べた。

賛否両論で、「後からならなんとでもいえる」、とか「外国で言うな」とか、「所詮人気作家のたわごと」などと、批判や否定する声もあるが、この問題について「だんまり」を決めている作家、俳優など著名人が多い中で、国際的な場で、自分の考えを明確に述べたという彼のその姿勢と思いに私は賛意と評価を送りたい。村上氏は、1949年生まれ、62歳。「非現実的な夢想家として」というそのタイトルそのものに、我々戦後世代、団塊世代が政治や原発などに、今抱いている苦い思いを代弁して込められているような気がする。「経済効率を信奉する現実主義者」でありすぎた我々の思いを ・・・。

「原発さえなければ ・・・」と小屋の壁に白いチョークで書き置いて、自ら命を絶った相馬市の酪農家の男性のニュースが胸を打つ。

「非現実的な夢想家として」の原稿全文を参考までに以下にあげておきます。

カタルーニャ国際賞:授賞式 村上春樹さんスピーチ全文/上
カタルーニャ国際賞:授賞式 村上春樹さんスピーチ全文/下


さて、「村上春樹」氏がお気に入りの曲を自らの訳詩とエッセイで紹介した本は、「村上ソングス」。

村上ソングズ (村上春樹翻訳ライブラリー)

村上 春樹 / 中央公論新社



彼が紹介している歌のひとつに「Born To Be Blue/ブルーに生まれついて」という曲がある。1946年(47年?)にジャズ歌手「メル・トーメ/Mel Torme」と「ロバート・ウェルズ/Robert Wells」のコンビがなんと19歳でつくったというバラード。曲も歌詞もブルーな雰囲気に満ちた曲である。しかし悲しみの中にも静けさや優しさを湛え、ラストは救いで終える曲である。

「♪ Some folks were meant to live in clover
   But they are such a chosen few
   And clover being green is something I've never seen
    'Cause I was born to be blue
    ・・・・・・・・・・・・・            ♪」

「クローバーに囲まれて暮らす」というのは、「裕福に、安逸のうちに生きる」という意味の成句だが、・・・・ この歌の主人公の目には、その美しい緑色は映らない。何故なら彼女はブルーに生まれついてしまったからだ。(「村上春樹著/村上ソングス」より)

英語の全歌詞はコチラ。

彼のイチオシは「ヘレン・メリル/Helen Merril」。「クリフォードがソロを切り上げると、かすかな間合いを置いて、メリルがブリッジからすっと歌い始めるあたりの呼吸は、ため息が出るくらい見事だ」と絶賛している。

ヘレン・メリル・ウィズ・クリフォード・ブラウン

ヘレン・メリル / ユニバーサル ミュージック クラシック



「Born to Be Blue - Helen Merrill 」

          

わたしのイチオシは「ビヴァリー・ケニー/Beverly kenny」。可憐な心温まる美声で歌い上げられ、美人好きのオジサンにはメリルと甲乙つけがたい。6枚のアルバムを残し、28歳の若さで悲しい最期を迎えたその美貌も涙を誘う。

ボーン・トゥ・ビー・ブルー(紙ジャケット仕様)

ベヴァリー・ケニー / ユニバーサル ミュージック クラシック



「Beverly kenny - Born To Be Blue」

          
 
 
 
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by knakano0311 | 2011-06-17 00:15 | おやじのジャズ | Trackback | Comments(0)
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