いやあ、まったく知りませんでした。多分、関西本社版だけでしょうが、朝日新聞に驚くべき記事が載っていた。あの「吉本新喜劇」のオープニング・テーマが、デキシーランド・ジャズだというのです。わたしは浪花のモーツアルト、「キダ・タロウ」氏あたりの作曲かと思っていたのです。関西に住みついてから40数年、「ぼけ」と「つっこみ」の関西の日常的会話にもすっかり慣れ親しんでしまった私には衝撃的な事実でした。「ええ~~~!!」(「内場勝則」風に)。
記事によると、原曲は1918年に「レオ・ウッド/Leo Wood」によって作曲された「Somebody Stole My Gal 」(誰かが私の彼女を奪っていった)。吉本新喜劇で使われているのは、トロンボーン奏者「ピー・ウィー・ハント/Pee Wee Hunt」が演奏しているディキシーランド・ジャズ版で、「なんば花月」がオープンした1963年ごろからつかわれ始めたという。
私が関西へ来た当時、新喜劇といえば、「藤山寛美」が率いた「松竹新喜劇」が中心。人情ものが多い本格的舞台演劇であった。一方の「吉本新喜劇」は、ドタバタ中心のナンセンス軽演劇であり、ストーリーよりもギャグ、演技よりもキャラクター性を重視するといった違いがあった。私はどちらも好きで、劇場にも何回か行ったし、TVでもいつも見ていた。花紀京、ルーキー新一、森信、財津一郎、岡八朗、原哲男、室谷信雄、木村進、船場太郎なんてなつかしい名前はそのギャグと一緒に覚えているくらいである。
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首都圏に就職した息子が、「何がつらいかって、「探偵ナイトスクープ」と「吉本新喜劇」がTVでみられへんこと」といっていたが、分かりますね、その気持ち。「吉本的気質」といえるようなものが、多分ギャグと一緒に、関西人のDNAの中に知らず知らずの間に刷り込まれてしまっているのであろう。
この「吉本新喜劇」のテーマ曲。「大阪市歌にしましょう」なんて書き込みがあるくらい、「六甲おろし」とならんで、関西人には親しみのある曲。関西地方の吹奏楽団もレパートリーとして好んで取り上げている。市歌・・、いいじゃないですか。むしろ関西広域連合のイメージソングとしてはどうでしょうか。
「♪ ほんわか、ほんわか~~ ・・♪」。出だしのミュートの効いたトランペットの軽快なメロディ。余りにも馴染み深い曲のため、その出自やタイトルなどまったく気にも留めなかった曲。あらためて聴いてみると、こりゃ「名曲じゃ、あ~りませんか ・・・」。
「吉本新喜劇のテーマ」
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