大屋地爵士のJAZZYな生活

雑踏の中の静けさ

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妻の用事のため、梅田までお付き合い。完全リタイアしてからは、ほとんど梅田へも出かけなくなってしまったが、それでも年に数回?都会の空気や活力に触れるために出かけてはいる。高速を走れば、我が家から梅田まで30分とはかからずに着いてしまう。電車で行けば、片道1時間弱、往復一人千円だから高速料金などを入れても、まあトントンというところか。今回はエコに逆らって車で出かけた。梅田はちょうど昼時、昼食をとるために行き交うビジネスマン達。久しぶりに味わう雑踏。なんとはなしに懐かしい感覚がよみがえる。5年前までは私もあの一人なんだった。しかし現役を離れ、暮らしは万事スローペースになったためか、あのせわしなさにはもうついていけなくなっている。そんな中にホッとするような静かな一角が目に付いた。行き交うビジネスマンたちは、まったく目もくれない空間。しばらくの間そこにたたずんでいたら、少し落ち着いて馴染んできた。

日中は夏に戻ったかのような暑さであったが、やはり夜になると秋を感じさせるひんやりとした夜気。今日、十六夜の月は空気の透明度があまり高くなく、少しかすみがかかったような月であった。

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さっ、今宵のピアノは、このうえもなく甘美であるが、硬派の魂が込められた「ジョバンニ・ミラバッシ/Giovanni Mirabassi」のソロ・アルバム、「AVANTI!」から。「AVANTI」とはイタリア語で「前進」という意味であったように思うが、このアルバムに収められた曲は、すべて革命歌、反戦歌である。

「響け!魂の歌よ。こころの叫びを調べにのせて、静かに、そして強くピアノが歌う。」 そんなコピーに魅かれて手に入れたアルバムだったと思う。しかし何の知識もなくこのアルバムを聴けば、その甘美さが故に、反戦歌のコレクションだとはだれも思わないであろう。それくらい甘美さにあふれているのである。

このCDに添付されている分厚いブックレットを見ると、20世紀の重要な政治的メッセージに満ちた写真と共にミラバッシ自身の曲ごとへのコメントが記されている。しかし、これはライナーノーツや解説などでは決してない。あのチェ・ゲバラも写っているように、これは革命を希求し、そして倒れていった多くの戦士たちへの鎮魂歌&写真集であることに気が付く。

冒頭の曲は、「El Pueblo Unido Jamas Sera Vencido」。この曲はチリの圧政に対して抵抗したレジスタンスのリーダー「セルジオ・オルテガ/Sergio Ortega」によって書かれた曲。奇しくも1973年9月11日、ピノチェト軍事政権が誕生したチリのクーデターの時に虐殺された犠牲者たちをトリビュートして書かれ、その後、抵抗の歌として南米だけでなく世界に広がった歌だという。「The United People Will Never Be Defeated/団結した民衆は決して負けない」(邦題;不屈の民)という英語タイトルが記されている。この哀切に満ちた情感と魂とをこめて、ミラバッシにより演奏される抵抗の歌が見事なピアノ・ソロに昇華している。ミラバッシ入魂のソロ・ピアノ・アルバム、「Avanti!」。

中東、リビア、エジプトの反独裁のニュースが流れるたび、この曲が浮かぶ ・・・ 。

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AVANTI!
ジョバンニ・ミラバッシ ピアノ・ソロ/澤野工房


 





「Giovanni Mirabassi - El Pueblo Unido Jamas Sera Vencido」。 入魂のライブから。
 
          
 
 
 
 
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by knakano0311 | 2011-09-14 09:43 | おやじの遠足・街歩き | Trackback | Comments(0)
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