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大屋地爵士のJAZZYな生活

欧州JAZZY紀行(15) ~憂鬱なビール~

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いよいよ10月になりましたね。10月と聞いて思い出すのは、「オクトーバーフェスト/Oktoberfest(10月の収穫祭)」。以前勤めていた会社のヨーロッパの拠点がミュンヘン近郊にあったので、欧州にあった子会社への出張などの際、報告にたびたび訪れた街である。いわゆるバイエルン地方の中心地で、テクノロジーの分野では多分世界最大規模のドイツ博物館、ドイツ最大の仕掛け時計がある1909年完成の市庁舎、またBMWの本社もあり、ナチス党の発祥の地、初期の拠点でもあったという歴史も持つ。

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毎年9月半ばから10月上旬にかけて、ミュンヘン郊外の、東京ドーム9個分の広さがあるという広大な緑地「テレージエンヴィーゼ/Theresienwiese(テレーゼの緑地)」で「オクトーバーフェスト」が開催される。祭りのメインはなんと言ってもビールで、新しいビールの醸造シーズンを祝って、なんと1810年以来、200年も続いて開催されているという。世界各国から毎年600万人以上の人が会場を訪れるというから、世界最大級のお祭りといっていい。もちろん、当然のようにわたしも連れていかれましたね。

冒頭の写真は会場に仮設されたビール・テント(Festhalle/フェストハレ)の中である。ちょっとしたアリーナほどはあろうテントの中は、向こうは見えないほどの巨大さで、こんなのがいくつも建っていて、まさに日本でいえば、巨大ビアガーデン。それこそ中では、見知らぬもの同志でも、すぐに打ち解けて、どんちゃん騒ぎ・大宴会状態である。

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わたしも元来ビールもいける口。ミュンヘン名物ホワイト・ソーセージやザウワー(酢漬け)、ポテトなどをほう張りながら、2リットルジョッキーを飲み干すのである。中国の白酒(パイチュウ)もきつかったが、ここはその量が半端でない。そのきつさにさすがの私も参ってしまったことを覚えている。

そして、ドイツの女性は力持ち。ジョッキーの7,8個ぐらいはいとも簡単に持ち運ぶ。一般的には、自動開閉でない列車のドアやホテルやレストランなどの大きくて重いドアを、おばさんや若い女性にあけてもらって、ちょっと恥ずかしい思いをしたことが何度もある。今宵の食卓、ミュンヘンでのあの10月の日の思い出が、ビールとともによみがえる。(写真はいずれもWikipediaより) 

財政破綻をしたギリシャの救済、そしてユーロ、EUの安定を図るため、必死になってギリシャを救おうとしているドイツ政府。しかし、国民の間でも反対論が相当あるという。今年のオクトーバーフェストで飲むビール、いつもの年よりは苦く、憂鬱なビールになるかもしれない。そして日本、夏の祭りもそうだったが、これから迎える「秋祭り」もきっとどこか手放しでは楽しめないだろう。しかし、例年どおり、「丹波篠山味祭り」へ出かけ、今年も心待ちにしている親せき友人へ、最高のビールの友、「黒豆の枝豆」を発送する日が近づいてきた。

10月に縁のある歌、「When October Goes」。アルバム、「2:00AM PARADISE CAFE」に収録された「バリー・マニロウ/Barry Manilow」のヒット曲である。バニロウの歌唱は以前の記事で紹介したので、ここでは「ナンシー・ウィルソン/Nancy Wilson」の歌唱を紹介しておこう。「ナンシー・ウィルソン」、1937年生まれ、74歳。70枚以上のアルバムをリリースし、3度のグラミー賞を受賞した大ベテラン、ジャズボーカルの大御所である。下記の動画は、2010年9月30日にシアトルのジャズクラブ「Jazz Alley」のライブである。74歳とは思えない堂々たる歌いっぷりもさることながら、多分夜も更けた小さなジャズクラブでの観客との軽妙なやり取り、そんなジャズクラブの楽しさ、雰囲気がよく出ている。

「Nancy Wilson ‐When October Goes」。

         
by knakano0311 | 2011-10-01 23:21 | JAZZY紀行 | Comments(0)
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