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大屋地爵士のJAZZYな生活

海辺のピアニスト

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「海を見ながらランチを」という妻の提案で、阪神高速湾岸線、中島ICの近くにある海の見えるパーキング・エリアまで車を走らす。ここは結構穴場で、海を見たい時に時々来る場所の一つ。今日は、穏やかで秋の日差しが優しく降り注ぐ一日。大阪湾を見渡す窓際の席に運よく座る。学生だろうか社会人だろうか、遠くでヨットが練習をしている。「タック!」、「ジャイブ!」。掛け声が聞こえるようだ。ヨットも、もうすぐシーズン・オフ、やがてこの海も寂しくなりそうだ。 20~30代の昔、会社のヨット部で練習に夢中になっていた若い日を思い出しながら、しばらくの間、練習をじっと見つめていた。

こんな穏やか日には、ゆったりとした、心を解きほぐしてくれる音楽を聴きたくなる。そこで久しぶりに引き出してきたのが、「海辺のピアニスト」と呼ばれている、こよなく海を愛するピアニスト、「ディディエ・スキバン/Didier Squiban」。フランス、ブルターニュ出身のピアニストである。「ブルターニュ、そして、海」が一貫した彼のテーマである。

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JAZZのカテゴリーに入るかどうかは疑問であるが、ウィンダムヒルと同じように「ヒーリング」のカテゴリーに入るのは間違いない。1959年、フランス、ブルターニュ地方の「プルーダルメゾー」に生まれる。8歳のときに教会のオルガンに魅せられてピアノを始め、1977年、「ビル・エヴァンズ/Bill Evans」を知った頃から、自分のスタイルを磨いていき、ジャズ・オーケストラの結成や、ケルトの文化遺産を守るための音楽活動への参加などさまざまな活動を経験。1997年より、「ブルターニュ、海」をテーマにしたソロ・ピアノ3部作となるアルバムを発表し、大きな評価を得た。そして、その音楽的インスピレーションの源になったのが、故郷「プルーダルメゾー」の海であった。「まるで予定調和のようなヒーリング・ミュージック」という評価もあるが、、聴いていると、訪れたことはないがブルターニュの海の風景が私の心の中に浮かんでくる。一日中流していても邪魔にならずまったく飽きることがない、心安らぐ良質のBGMである。
  
三部作、第一作目のアルバムは、ブルターニュの伝統音楽、「ケルト音楽」へのオマージュとなった「Molene/モレーヌ」。これはブルターニュ・アルバム大賞を受賞し、1999年第二作としてリリースした「Porz Gwenn/ポルス・グウェン」はドイツの最優秀ジャズ・アルバムを受賞したという。「ピアノ・ソロ」三部作の最後は「Rozbras/ロスブラス」。ブルターニュ地方の伝統的な「Gwerz/グウェルス」と呼ばれる、アカペラ・ソロで歌われる「哀歌」をイメージして、12曲のバラードをちりばめたアルバム。

MOLENE/モレーヌ~この世の果て(ピアノ三部作(1)) (CCCD)

ディディエ・スキバン / avex io



Porz Gwenn/ポルス・グウェン~白い港(ピアノ三部作(2))

ディディエ・スキバン / avex io



ロスブラス~12の色彩(ソロ・ピアノ三部作(3))

ディディエ・スキバン / avex io



第一作のアルバム「 Molene」から「組曲;三つの石/Tri Men」の第一曲目「パラダイス/Ar Baradoz」を聴いていただきましょうか。さて、心の中に海が広がりますでしょうか?

「Didier Squiban - Molene - Ar Baradoz」
 
          
 
 
 
 
by knakano0311 | 2011-10-11 09:47 | 音楽的生活 | Comments(0)
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