前回は、世界的に有名になった「スエーデン美女ジャズ・シンガー」の元祖といってもいい、「モニカ・ゼタールンド/Monica Zetterlund」を取り上げました。しかし、私がはまった最初の「スエーデン美女シンガー」は、「ストックホルムの妖精」とか「魅惑のシルキー・ボイス」とよばれている「リサ・エクダール/Lisa Ekdahl」である。もう、10年くらい前であろうか、たしか「Amazon」からのオススメでジャケ買いしたアルバム、「Back to Earth」であったように記憶している。この歌手に対して、ジャズ。ファンは多分賛否両論であろう。というのも、かなり独特の、いわゆる「ロリータ・ボイス」、「チャイルド・ボイス」なのである。この声を、私はそうですが、心地よいと思う人も多い反面、「う~~ん、ちょっと」と思う人もかなり多いはず。まず周りを確認してから音を出すという人やら、奥さんの前では、誤解されそうなので絶対に聴かないとか、そんな話を聞いたこともあります。
「リサ・エクダール」。レコード会社の資料によれば、1971年、スウェーデン、ヘゲシュテン生まれ。音楽学校卒業後、ストックホルムでコーラスの仕事を始め、ジャズ・プレイヤー、「トニー・ホルゲン」のバックを務めたことがきっかけとなり、EMIスウェーデンに認められ、1994年デビュー。すぐに一躍スターとなり、そのスウェーデン版グラミー賞で新人としては異例の3部門受賞に輝いたという。レコード会社もそのキャラクターは十分に心得たもので、初期のジャケットは、「伏せ目がちで、横ずわり」といった写真を使って、私のような気弱なじいさんの弱点をちゃんと狙って攻めてくるから憎い。そして、その声、よくありがちな作り物の「おねだり声」でなく、一聴すればわかるように「天然ロリータ・ボイス」と言っていいだろう。それが私の脳髄を妙に心地よく刺激する。「Back to Earth」、「When Did You Leave Heaven」どちらの歌もジャケットもオススメ。あの声で、あの往年のナットキングコールの「Lonely One」やスタンダードの「Cry Me A River」、「My Heart Belongs to Daddy 」なんかを歌うからたまらない。今宵は脳髄を刺激されてみようか。
ジャズなのか、ジャズでないのか ・・・。どちらでもいいことだが、まあ、いずれにしても、少なくとも「JAZZY NOT JAZZ」路線の先駆けの一人であったことには間違いない。さて、ぼけ間近老人の赤裸々な告白になりましたかどうか ・・・・。まあ、ひとつ聴いてくださいな。