「リサ・エクダール」とはまったく異次元で異質の声を持つ美女シンガーにはまったのは「マルガリータ・ベンクトソン/Margareta Bengtson」。人気ア・カペラ・ユニット、「ザ・リアル・グループ/The Real Group」の元リード・シンガーで、北欧一美しい声の持ち主とか、北欧一美しいソプラノの持ち主といわれている。正直言って、「ソプラノ」と「JAZZ」、全くイメージが湧かず、結びつかなかった。ソプラノといえばクラシック、JAZZといえば、低めのハスキー・ヴォイスと思っていたからだ。そんな私の固定観念を崩した美女シンガーが「マルガリータ・ベンクトソン」である。
「マルガリータ・ベンクトソン」。レコード会社の資料によれば、1966年、ストックホルム生まれ。声楽の教師を母に、王立オペラの主席フルート奏者を父にもち、幼少から歌とピアノを、12歳からはハープを習う。1984年に王立音楽アカデミーに入学すると同時に、学友と「ザ・リアル・グループ」を結成。2000年発表のアルバム「コモンリー・ユニーク/Commonly Unique」は、スウェーデン国内のグラミー賞を受賞したが、その後グループから独立し、ソロ活動へ。古き佳き時代のアメリカン・ジャズ・スタンダードへのオマージュとして制作された、2007年のデビュー・アルバム、「アイム・オールド・ファッションド/I´m Old Fashioned 」が、その美しいソプラノ・ヴォーカルとオーケストレーションで話題を呼んだ。
そして第2弾アルバムは、「クイシー・ジョーンズ/Quincy Jones」が、60年代スエーデンに滞在した時に書いた曲、「The Midnight Sun Will Never Set」をタイトルにした、「ホエア・ザ・ミッドナイト・サン・ネヴァー・セッツ/Where The Midnight Sun Will Never Set (真夜中の太陽が沈まない国)」。これまた、オリジナルの2曲をのぞいて、「マイ・ファニー・ヴァレンタイン/My Funny Valentine」、「スターダスト/Stardust」など古き佳きアメリカン・スタンダードが、清楚でチャーミングなソプラノで歌い上げられている。その歌唱力に、彼女の円熟した人生を垣間見ると同時に、スウェーデン・ジャズの奥深さと多様な側面を感じる。