夏から秋へとゆっくりながらも季節が移ろっていく。塀に咲く朝顔ももうしばらくは楽しめそうだ。部屋のCDラックのアルバムも秋モードに入れ替えをしようか? さあ、週末。お盆も過ぎ、いつものあわただしさが戻った都会の夏の終わり。街路樹で鳴く蝉の喧騒も消え、夜の帳が降りてくる。その闇の中にそうろっと身を沈め、ビール・グラス片手にJAZZYで最高の気分に浸りたければ、もうこのアルバムでしょう。人気ピアニストの「ビル・チャーラップ/Bill Charlap」が、ベースの大御所「ジェイ・レオンハート/Jay Leonhart」と同世代のドラマー「ビル・スチュワート/Bill Stewart」と組んだ「ニューヨーク・トリオ/New York Trio」の第2弾、「過ぎし夏の想い出/The Things We Did Last Summer」。チャーラップのピアノはスタンダード・ソング、いわゆる「歌」ものの解釈が抜群である。奏でる一音一音が、歌の情景を脳裏に描き出してくれる。洗練されたフレーズの流れの中に、都会性、哀愁、詩情が横溢する、まさにニューヨークJAZZ。