大屋地爵士のJAZZYな生活

丹波篠山街歩き

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いまが見ごろというので、紅葉狩りと正月用の黒豆の買い出しを兼ねて、丹波路を篠山へと車で向かう。たしかに、国道173号線、丹波への峠のあたりは色鮮やかな紅葉が真っ盛り。小一時間のドライブで篠山の市街地に。

まずは蕎麦である。丹波も蕎麦の産地で関西では蕎麦処として知られている。篠山付近にも贔屓の蕎麦屋が何軒かあるのだが、今日は、趣のある茅葺き屋根の古民家で、素朴だが骨太の蕎麦を喰わせてくれる、「波之丹州蕎麦処・一会庵(なみのたんしゅうそばどころ・いちえあん)」。ここのメニューは「そば切り」、「そばがき」、「そばぜんざい」の3種のみ。蕎麦本来の味を邪魔したくないという理由から、薬味やわさびはついてこないし、温かい蕎麦は扱っていない。しっかりとした歯ごたえのあるやや太目の十割蕎麦を、甘すぎない鰹風味のつゆで頂くのが流儀。

店主は、農作業のかたわら蕎麦屋を営んでいるらしく、明け方から玄蕎麦を石臼で挽き、挽きあがったそば粉を手打ちし、注文があってから茹でる。一日約50食程度仕込むのが限度らしく、営業は昼の3時間ほど、「売り切れ御免」のこだわり蕎麦屋。囲炉裏にはまだ火が入っておらず、少々寒かったが、「そばきり」を喰う。いつものことながら、やはり美味い。

 
 
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そして、一番の目的の黒豆を買い求めに。正月はこの丹波の黒豆、「丹波黒」の煮豆がかかせない。訪れたのは、享保19年(1734年)創業、江戸時代に建てられた店舗や隣接する屋敷などが、国登録の有形文化財となっている老舗、「小田垣商店」。今年の夏はいつまでも暖かかったためか、今年収穫の黒豆はまだだったが、我が家の分と少し早いがお歳暮がわりにと親戚にも発送する。なにか子供の頃の故郷のお店を思い起こさせる雰囲気である。

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いよいよ街歩き、まずは王地山の「まけきらい稲荷」へとむかう。冒頭の写真がその稲荷神社境内の燃えるような紅葉である。この稲荷、正式には「平左衛門稲荷神社」という。妙な名前であるが、その由来については、次のような話が語り継がれている。

『篠山藩主「青山忠裕」公が老中であった約180年前の文政年間の頃、毎年春と夏に江戸両国の回向院広場で、将軍上覧の大相撲が催されていた。ところが、いつも篠山藩のお抱え力士たちは負けてばかりであった。ある年の春場所のこと、篠山から来たという「王地山平左衛門」ら8名の力士と行司1名、頭取1名の 一行10名が現れ、土俵に上がるとたちまち連戦連勝してしまった。負けきらいのお殿様は大変喜んで、その者達に 褒美をやろうとされたが、どこにもいない。後で調べてみると、なんと全員が領内のお稲荷さんの名前だった。そこで、それぞれの神社に、幟や絵馬などを奉納して感謝したという。』

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幾重にも連なる鳥居を抜け、王地山を下り、河原町妻入(つまいり)商家群へと向かう。篠山城は、慶長14年(1609年)徳川家康が天下普請で築いた城で、河原町は、その築城の際、最初につくられた商店街であるという。間口が狭く奥行きの深い妻入りの商家が、往時の面影をとどめて軒を連ね、まるでタイムスリップしたかのようである。過度に観光地されておらず、ここで今の時代に暮らしている皆さんの日々の生活がそのままこの風景に溶け込んでいて好ましく感じられる。

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そして、二階町の方へとまわり、名産品などをいつものように仕入れ、コーヒーを飲んで一息入れてから、帰路につく。見上げると、大きないのししがユーモラスな顔で見下ろしていた。これからは「ぼたん鍋」の季節。その頃にまた来てみようか ・・・。


ちょうど手ごろな街歩きで適度につかれた秋の一日の夜更けに聴くピアノには、甘いが決して甘さに流されないイタリア系のイケメン・ピアニスト、「ステファノ・ボラーニ/Stefano Bollani」などはいかがでしょうか。

まず、「ステファノ・ボラーニ」が愛のメロディを綴る「アントニオ・カルロス・ジョビン/Antonio Carlos Jobim」作品集。しかしこのアルバムは、ボサノヴァ・アルバムではない。もちろんスムース・ジャズ・アルバムでもない。時には自らボーカルもこなす才人の、リリカルで歌心にあふれた「野心的な・・」ともいっていい、ユーロジャズ・テイストの「アントニオ・カルロス・ジョビン」の作品集である。

愛の語らい

ステファノ・ボラーニ・トリオ / ヴィーナスレコード



アルバム・タイトル曲の「愛の語らい」から。このリリカルな演奏はどうでしょう ・・・。 「Stefano Bollani Trio - Falando de amor」

          

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「ステファノ・ボラーニ」。1972年、ミラノ生まれというからまだ40歳。もともと歌手になることを夢見てピアノを始めたというが、プロデビューはなんと若干15歳。イタリア独特の雰囲気というか、隠せないラテンの気質というか、「恋唄」やバラードのプレイにはそれが随所に表れるような気がする。そして、彼の音楽の幅の広さ。クラッシックからポップ、ロック、ジャズにわたる多様なジャンルのミュージシャンとのアルバムやコンサートにおけるコラボレーションには目を見張るものがある。

2002年10月に発売されるやいなや話題となったのが、日本デビュー盤「ヴォラーレ」。続く第2弾のアルバムが「黒と褐色の幻想」。第1弾「ヴォラーレ」がイタリアン・ソングを集めたのに対し、「黒と褐色の幻想」は、彼に影響を与えたアメリカン・スタンダード中心のアルバムであるが、そこにたぎるラテンの情熱は隠しようがない。

黒と褐色の幻想(紙ジャケット仕様)
ステファノ・ボラーニ・トリオ / / ヴィーナスレコード
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「最後の夜」。エレガントな雰囲気の中にもラテンの情熱と哀愁が漂う。 「Stefano Bollani Trio - La Ultima Noche」

          

ヴィーナス・レコード第5弾のアルバムが、「恋の気分で」。スタンダード曲を中心に構成されているが、1999年に「ジャンゴ・ラインハルト賞」を受賞したというだけあって、十分な実力も備え、ヨーロッパでは相当な人気を集めているという。演奏は、2曲目「Cheek To Cheek」に代表されるように、スインギーなリズムの流れの中で奔放ともいえる自由自在なアドリブを展開する。一転3曲目の表題曲「I'm In The Mood For Love」では、かわいらしく弾むような、甘くて小粋なピアノを聴かせる。

恋の気分で

ステファノ・ボラーニ・トリオ / ヴィーナス・レコード



もともと歌手になることを夢見てピアノを始めたという「ステファノ・ボラーニ」、自身が歌っているアルバムがあります。アルバム、「けれど恋は」。勿論、「ナット・キング・コール/Nat King Cole」みたいな例外はありますが、私はピアノの弾き語りは女性が相場と思っていた。まっ、一度聴いてみてください。カンツォーネやポピュラー・ソングを中心にした選曲で、低音でささやくように、告白するかのように弾き語る。まさに、これは「口説き歌」である。これでは、かの「チェット・ベイカー/Chet Baker」も顔負けではないか ・・・。

けれど恋は

ステファノ・ボラーニ・トリオ / ヴィーナスレコード



「Stefano Bollani Trio - Here's To Life」

          
 
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by knakano0311 | 2012-11-23 16:47 | おやじの遠足・街歩き | Trackback(1) | Comments(0)
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