大屋地爵士のJAZZYな生活

続・春の五月山界隈を歩く

b0102572_17232392.jpg

(前回からの続き)

「小林一三」翁所縁の施設を後にし、緩い坂を阪急池田駅方向へと下ると、交わるのが旧「能勢街道」。現在の大阪市北区中津から池田市を経て妙見山の能勢妙見堂に至る旧街道である。

池田や能勢で産する酒や布、木材が、この街道によって大坂へ運ばれ、また能勢から更に奥へと続く丹波国の米、栗、炭、銀、銅などの搬出路でもあった。また街道終着地で、いまでも信仰を集める「能勢の妙見さん」をはじめ、沿道には「服部天神宮」、「東光院(萩の寺)」、源氏発祥の「多田神社」などの社寺が並び、街道筋から少し離れているが、安産祈願の宝塚「中山寺」、勝運の寺として信仰を集める箕面「勝尾寺」などを含めての参拝路としても賑わいを見せたという。

そんな旧「能勢街道」、「めんも坂」と呼ばれる場所にあるのが、天保十二年(1841年)創業という老舗の和菓子屋の「福助堂」。その外観もいかにも老舗といった懐かしい佇まいの和菓子屋である。名物の「でっち羊羹」や「さくら餅」など色鮮やかな春の和菓子などを買い求めた。

b0102572_17235971.jpg

いったん池田駅まで下り、昼食をとってから「ほんまち通り」へとむかう。池田市が町興しのために活性化を図っている通りで、設計に「辰野金吾」がかかわった1918年建築の赤レンガ造りの旧「加島銀行」や復興された大衆演劇の「池田呉服座(いけだごふくざ)」、「落語みゅーじあむ」など、風情のある街並みが続く。

「呉服座」は、もとは猪名川に架かる「呉服橋(くれはばし)」の堤に明治初年ごろに建てられた芝居小屋だったという。昭和44年(1969年)の興行を最後に幕を閉じ、その建物は愛知県犬山市の明治村に移築され、江戸時代の劇場建築をのこす重要文化財となっている。現在の「池田呉服座」はかっての映画館跡を改装し、2010年(平成22年)に再現、オープンし、大衆演劇の芝居小屋として繁盛している。

b0102572_23135961.jpg

「落語みゅーじあむ」は、「池田の猪買い」、「池田の牛ほめ」などで、上方古典落語の舞台となっている「落語のまち池田」に、市立の上方落語資料館が平成19年(2007年)に開館した。1階のイベントホールでは、ほぼ毎月、落語会が開催されている。そのほか、老舗の「吉田酒造」の屋敷、鐘楼が目を惹く「西光寺」、創業元治元年(1864年)という、うどんの「吾妻」、かっての「池田実業銀行本店」で、1925年に建設された洋館建築の「いけだピアまるセンター」など、この界隈を歩いていると、まるで昭和の初期にでもタイムスリップしたように感じる。 

約3時間、ゆっくりと春の五月山界隈の街歩きを楽しんだ一日。

b0102572_23143076.jpg

櫻の季節なるといつも聴きたくなるアルバムがある。華やかさ、切なさ、儚さ、優しさ、美しさ、潔さ、妖しさ、音の間に潜む翳り、静けさなど日本的情感をこの上なく刺激するからだろうか? ノルウェーのピアニスト、「トルド・グスタフセン/Tord Gustavsen」。アルバムは「Changing Places」。たしか2008年の冬に初めてこのトリオを知ったと思う。あくる年の春、「吉野の櫻」、「勝持寺の西行櫻」、「常照皇寺の九重の櫻」など近畿の櫻を追いかけた日の夜によく聴いていたアルバムである。その時のブログを見ると、『このCDに集約された、はかなさ、ロマンへの傾倒ぶりは、西行の櫻への耽溺ぶりとも共通するものを感じる。或いは、いまだ春来ぬノルウェーの大地の春への希求の呻きにも・・。』と記してあった。(参照拙ブログ「櫻狂い(2) ~一目千本・吉野の櫻~」) 

Changing Places

Tord Gustavsen / Ecm Records



「Tord Gustavsen Trio - Graceful Touch」を再掲 ・・・。

          
[PR]
by knakano0311 | 2013-04-03 10:10 | おやじの遠足・街歩き | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : http://oyajijazz.exblog.jp/tb/20226331
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
<< 花冷え、櫻、十割蕎麦 ・・・ 春の五月山界隈を歩く >>