「トニー・ベネット」、1926年8月生まれ。イタリア系アメリカ人で、その朗々たるダイナミックな歌いぶりで、現在のアメリカにおいて最高の男性ヴォーカリスト、エンターテイナーと称される存在である。1950年にデビュー、1950年代から1960年代にかけて「ビコーズ・オブ・ユー」、「コールド・コールド・ハート」、「霧のサンフランシスコ/I Left My Heart in San Francisco」などの世界的な大ヒットで不動の人気を築いた。また彼は、グラミー賞の常連的存在であり、2012年2月の第54回グラミー賞の授賞式で、「ノラ・ジョーンズ/」、「レディ・ガガ/」、「マライア・キャリー/」、そして「エイミー・ワインハウス/」らと共演したアルバム、「Duets II」は、なんと通算18回となるグラミー3部門受賞し、これは史上最高齢(85歳)での受賞。
そんな彼の歌手生活60年を集大成したベスト・アルバムが、「Tony Bennett-All Time Greatest Hits(トニー・ベネットのすべて)」(2011年)。「霧のサンフランシスコ」、「Strager In Paradaise」、「The Good Life」、「Fly Me To The Moon」、「Who Can I Turn To」、「ある愛の詩」 ・・・、全25曲すべてが懐かしい。「霧のサンフランシスコ」。初めて「トニー・ベネット」の名を知った曲。そして、サンフランシスコにあるSFジャイアンツのホームグランド「AT&Tパーク」で、初めてメジャー・リーグの試合を観た時、試合終了後の人影もまばらになった球場に、朗々と流れていたのは、この曲であった。