大屋地爵士のJAZZYな生活

時間(とき)の糸 ~小曽根真&ゲイリー・バートン・コンサート~   

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ヴィブラフォンが好きである。一見、クールで都会的だが、その実、やさしくて暖かい、そしてちょっと甘いあの音が ・・・。古くはMJQの「ミルト・ジャクソン/Milt Jackson」、和ジャズの「平岡精二」、名盤、「ソフト・サンバ/Soft Samba」の「ゲイリー・マクファーランド/Gary Mcfarland」など ・・・。しかし、もう誰もいなくなってしまった。現在の世界最高峰は、やはり、「ゲイリー・バートン」であろう。

「小曽根真&ゲイリー・バートン」のデュオ・コンサート、「TIME THREAD」に行ってきた。例によってホールは、西宮にある「兵庫県立芸術文化センター」。小編成のジャズ・コンサートの場合、いつもは響きのよい400席余りの小ホールで開かれることが多いのだが、今回は2,000席を超える大ホール。やはり、小曽根人気を反映してのことであろうか。

「小曽根真」。言わずと知れた日本が誇るジャズ・ピアニストである。そして、「ゲイリー・バートン/Gary Burton」。4本のマレットを魔法のように扱うジャズ・ヴィブラフォン界の巨匠である。二人の出会いは、今からさかのぼること30年前。小曽根が留学していた「バークリー音楽大学」である。いち早く小曽根の才能を見出したゲイリーが自身のバンドに招き入れたという。そんな彼らがデュオを組み、クラシックに革新的なジャズ・アレンジを施したデュオ・アルバムが、「ヴァーチュオシー/VIRTUOSI」。それが、2003年のグラミー賞のクラシック部門でノミネートされたのだ。それから10年、今回のアルバム発売とツアーが実現した。

アルバムは、二人のデュオとしては第3弾で、出会いから今日までのふたりの歩みを、それぞれのオリジナル曲で綴る集大成的な作品だという。30年前から今に繋がる糸という意味で、タイトルを「TIME THREAD(時間の糸)」にしたと、小曽根は会場で語っていた。

タイム・スレッド

小曽根真&ゲイリー・バートン / ユニバーサル ミュージック クラシック



そして、今回のツアー、アルバムについて、二人はこんな風に語っている。
「小曽根真×ゲイリー・バートン2013年JAPANツアー「TIME THREAD」を語る」

          

さてコンサート。ホールに入って最初に目についたのは、前回のコンサートと同じく、ステージに置かれていたのは、「スタインウェイ/Steinway & Sons」ではなく、「YAMAHA」のピアノであった。YOUTUBEで小曽根が「YAMAHA-CFX」 について語っているように、前回のコンサートも今回も、やはりピアノは、彼の指定であったのである。大ホールもすべて板張りで音響はいいはず。やはり、今回もMC用のマイクは除いて、PA、マイク、アンプの類は一切なかった。

まさに鉄琴と鉄弦の共鳴。乱暴に言えば、鉄板を棒でたたいて、あんな妙なる音が出るのである。そして、30年の二人の交友の結晶がもたらす寸分の狂いもない息合せ、絶妙の間、スリリングなかけあい。まさにジャズの醍醐味。ブルースあり、タンゴあり、マリアッチあり、クラシックあり、30年の彼らの足跡をたどるにふさわしいプログラムであった。小曽根自身のMCによれば、ゲイリーのバンドに入らないかと誘いがあったボストンのメキシカン・レストランの名前が「ソル・アズテカ」であり、ブエノス・アイレスの印象的な遊園地の名前が「イタルパーク」。そして、フランスの街でのコンサートに行く途中の道で車が故障し、立ち往生した時の顛末を3パートからなる組曲にした、圧巻の「組曲:ワン・ロング・デイ・イン・フランス」。そして、私が最も印象的だったのは、「ビル・エヴァンス/Bill Evans」への想いを美しい曲にした「タイム・スレッド(for ビル・エヴァンス)」であった。

1階席はほぼ満員、2階席以上も8割方埋まり、しかも女性客が多いという小曽根人気の強さがうかがえた。最後には客席に来ていた両親、「小曽根実」氏夫妻も紹介するというハプニングもあり、土砂降りの雨の中を満足して帰路についた。

最新デュオ・アルバムの演奏がまだYOUTUBEにはアップされていないようなので、コンサート冒頭でも演奏された、「アフロ・ブルー/Afro Blue」を、「モントルー/Montreaux」でのライブ演奏で紹介しておきましょう。

「Gary Burton & Makoto Ozone ― Afro Blue」

          

【コンサートの演目】 表示無き曲は小曽根による作曲
【第1部】
 1.Aflo Blue (M.Santamaria)
 2.I Hear a Rhapsody (G.Burton)
 3、Remembering Tano (G.Burton)
 4.Le Tombeau De Couperin (クープランの墓)(M.Ravel)
 5.Sol Azteca
【第2部】
 1.Fat Cat
 2.Italpark
 3.Stompin at B.P.C.
 4.Time Thread (for Bill Evans)
5.Suite "One Long Day in France"
【アンコール】
   Popcorn Explosion
 
 





 
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by knakano0311 | 2013-06-20 09:37 | 音楽的生活 | Trackback | Comments(0)
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