年末から正月にかけて読んだ本の一つが、「ジェフリー・ディーヴァー/Jeffery Deaver」の「ロードサイド・クロス/Roadside Crosses」 (文春文庫)。彼の著書は、捜査中の事故が原因で脊髄を痛め、四肢麻痺になってしまった元ニューヨーク市警科学捜査本部長が主人公の「リンカーン・ライム/Lincoln Rhyme」シリーズがよく知られているが、そこからスピンアウトしたシリーズで、「人間嘘発見器」と異名をとる尋問の天才、「キャサリン・ダンス/Kathryn Dance」が主人公のミステリー。ミステリー大好きの私、実はこの「ジェフリー・ディーヴァー」の作品が大好きで、ほとんど読んでいるのである。
ロードサイド・クロス 上 (文春文庫)
ジェフリー ディーヴァー / 文藝春秋
その「ロードサイド・クロス」にこんなくだりがあった。『電話を切ったあと、ダンスはiPod touchの音量を上げた。このときはブラジルの美しいギタリスト兼シンガー、バディ・アサドを聴いていた。運転中にヘッドフォンで音楽を聴くのは違法だが、公用車のスピーカーでは、原音とはほど遠い音しか鳴らせない。 ・・・』(訳;池田真紀子) バディ・アサド?名前も聞いた事がない。即座に私の好奇心の虫が動きだし、とりあえずYOUTUBEで探し出して聴いてみた。いや、驚きました。瞬殺で惹きこまれましたね。まっ、とりあえず聴いてみてください。
「Badi Assad - Solais」
「Joana Francesa - Badi Assad」
「バディ(バジ)・アサド/Badi Assad」。 1966年生まれのブラジルのシンガー・ソングライターで、ギタリスト。 サンパウロで生まれ、リオデジャネイロで12歳まで育ったという。父はレバノン出身の マンドリン奏者、そして彼女の2人の兄も、共にギタリストで「デュオ・アサド/Duo Sergio & Odair Assad」の名で知られている「セルジオ・アサド/Sergio Assad」と「オダイル・アサド/Odair Assad」だという。バディは、「リオデジャネイロ大学」でクラシックギターを学んだあと、キャリアを積み、1987年、彼女は「国際ヴィラ・ロボス(Villa Lobos)フェスティバルで、「ベスト・ブラジル人ギタリスト」に輝いている。
その演奏スタイル。見ればわかるように、独特な個性を発揮している。手でギターの胴を叩いてまるでパーカッションのような効果をだし、もう一方の手はフレットを抑えながら弦を奏でる。そのギターの腕も、ソロを聴けば分かるように卓越している。そして、頬を叩いてパーカッショニングしながら、同時にメロディを声に出す。楽器に近い声質で歌を歌い、色っぽいとも言えるが、電子音効果をされた口笛ともため息ともつかないパフォーマンスを繰り広げる。体全体で音楽表現するこのスタイル、これはまさしくジャズである。そして何よりも美人で、ジャケもいいときている。
アルバム・デビューは 1990年中ごろらしいが、現在までに10枚を超えるアルバムがリリースされているようである。すっかり参ってしまったが、その中でとりあえず、デビュー当時のアルバムと、最新作をAmazonへ注文した。中古のCDも多く出ているため、数枚買っても千円程度という年金生活者にはうれしいネット・ショッピング。
Solo
Badi Assad / Chesky Records
Rhythms
Badi Assad / Chesky Records
波 (CCCD)
アサド(バジ) / エイベックス・クラシックス
Between Love & Luck
Badi Assad / Quatro Ventos
時にはギター・ソロ、時にはボーカル、激しく、そしてゆったりと ・・・。全てのアルバム毎にまったく違った顔と世界を見せるバディ。不思議なアーティストとも思える。その中から彼女オリジナルの「波/Waves」を聴いてみましょうか。
「Badi Assad - Waves」