近くの大型スーパーへの買い物の帰りにちょっと寄り道。場所は兵庫県猪名川町にある「天沢寺または天澤寺(てんたくじ)」。この寺は、奈良時代の高僧、「行基」が開いたという「楊津院(やないづのいん)」の後身と伝えられている地方の古刹。応永10年(1403)の銘が入っている境内にある石灯籠は、兵庫県指定文化財になっている。
私のお目当ては、この石灯篭ではなく、隣接する「八坂神社」との裏山一帯に茂る、「コジイ(小椎)」の原生林。それと、最近ではめっきり減少して、この地域では、そこだけにしか生息していないという「ヒメハルゼミ(姫春蝉)」の声。7月にしか出現しないこの蝉、兵庫県のレッドリスト、要注意に挙げられている。先日、「猪名川上流域の貴重な自然」というセミナーを受講して、そのことを知ってから、是非とも聞いてみたいと思ったのである。
「コジイ(小椎)」。ブナ科シイ属に属する常緑高木。「ツブラジイ(円椎)」ともいい、秋になると砲弾型の「どんぐり(団栗)」ができる照葉樹林の代表的な樹木である。この「コジイ」の原生林が、この猪名川上流域にはたくさん残されていて、そのほとんどが神社、寺院に隣接する森である。「シイ(椎)」は、海抜300m以下のより温暖で湿潤な場所で活発に育つため、長い間、人の手が入らなかった神社の森などに、「シイ」が優占する照葉樹林が、昔のまま原生林として残ったのである。従って、いまこの地にある里山も、全く手をつけず放っておけば、やがては、「シイ」がメインの照葉樹林化してしまうと言われている。
「ヒメハルゼミ(姫春蝉)」(写真はNETより拝借)。成虫の体長はオス24-28mm、メス21-25mmほどでやや小型。生息域は西日本各地の「シイ」、「カシ」などからなる丘陵地や山地の人の手が入っていない照葉樹林に集団で生息するという。成虫が発生するのは、ほぼ7月に限られていて、他の蝉より一足早く、短期集中で発生し、集団で「合唱」することが知られている。
椎林に入ってみました。いや鳴いていましたね。「ニイニイゼミ」より少し甲高く、大きな声で、「ギー、ギー ・・・」と鳴いている。しかも一匹が鳴き出すと、それに和唱するように次々に鳴きだし、一匹が鳴き止むと、同調してピタッと鳴き止む。残念ながら、個体は確認できなかったが、「ヒメハルゼミ」の合唱の初聞き、いや興味深かった。参考までにYOUTUBEにアップされていた「鳴き声」を紹介しておきます。
「ヒメハルゼミの鳴き声」
さて、合唱。60年代アメリカのPOPSの世界では、「プラターズ/The Platters」、「ドリフターズ/The Drifters」、「テンプテーションズ/The Temptations」、「シュープリームス/The Supremes」など多くの黒人中心のコーラス・グループが人気を競い合った。JAZZの世界で覚えているのは、「フォー・フレッシュメン/The Four Freshmen」、「スウィングル・シンガーズ/The Swingle Singers」くらいであろうか。その後、70年代では、アカペラの「シンガーズ・アンリミテッド/The Singers Unlimited」、現在でも活躍しているグループといえば、「マンハッタン・トランスファー/The Manhattan Transfer」、アカペラ・コーラス・グループ、「Take 6」であろうか。いずれもスイング感いっぱいの素晴らしいハーモニーを聞かせてくれる。
それに加えて上げておかなければならないのが、少し前に紹介した「ザ・リアル・グループ/The Real Group」。「ザ・リアル・グループ」は、2014年で結成30周年を迎えるスウェーデンのジャズ・アカペラ・グループである。世界におけるアカペラ・グープのなかでも、そのハーモニーの美しさは傑出している。(参照拙ブログ
「みすぼらしくなってしまうが欠かせない ・・・・」)
YOUTUBEにアップされていたライブの動画を二つほど ・・・・。2005年、ストックホルムのコンサート・ホールのライブから、「スウィングしなけりゃ意味がない」。
「The Real Group - It Don't Mean A Thing」
ストックホルム近郊の島、「Södermalm島」での、プライベートなライブから、「Pass Me The Jazz」。
「The Real Group - Pass Me The Jazz - Södermalm Sessions (live)」