人気ブログランキング | 話題のタグを見る

大屋地爵士のJAZZYな生活

60歳過ぎたら聴きたい歌 (92) ~ コートにすみれを ~

60歳過ぎたら聴きたい歌 (92) ~ コートにすみれを ~_b0102572_2344866.jpg

60歳過ぎたら聴きたい歌 (92) ~ コートにすみれを ~_b0102572_1338754.jpg

 「スミレ(菫)」は、4月に咲く花の代表の一つといっていい。いろんな種類の「スミレ」が遊びの山にも、ウォーキングの道筋にも ・・・。「パンジー」や「ビオラ」も「スミレ」の仲間で外来の園芸種とか。この時期になるとあちこちで見かけるためか、やや印象の薄いきらいはあるが ・・・。しかし、日本人にとって人気のある花の一つであることは間違いない。こういう何の変哲もない地味な花が気になりだしたのは、歳をとった証拠であろうか ・・・。

 隣町にあり、去年100周年を迎えた「宝塚歌劇団」を象徴する歌である「すみれの花咲く頃」の元歌は、古いシャンソンであるという。今回、「60歳過ぎたら聴きたい歌」で取り上げるのは、もうひとつの「すみれ」の歌、 「コートにすみれを」という邦題で知られている「Violets For Your Furs」(1941)である。「トミー・ドーシー楽団/the Tommy Dorsey Orchestra」の専属アレンジャーだった「マット・デニス/Matt Dennis」が1941年に作曲した、ちょっと気障なラヴ・ソング。冬の歌ではあるが、すみれの花に春のような恋の気分を託した歌は4月でもふさわしい。

【 Violets For Your Furs/コートにすみれを 】
     作詞;トム・アデア/Tom Adair 作曲;マット・デニス/Matt Dennis

「♪ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  I bought you violets for your furs  僕があげたすみれの花をコートに飾ったら
   and it was spring for a while, remember? ちょっとだけ春を感じられたね
  I bought you violets for your furs  僕があげたすみれの花をコートに飾ったら
   and there was April in that December. 12月なのに4月のような気分になったね

   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  I bought you violets for your furs  僕があげたすみれの花をコートに飾ったら
   and there was blue in the wintry sky, 冬空に明るい光が差し込んできたね
  You pinned my violets to your furs   僕があげたすみれの花をコートに飾ったら
   and gave a lift to the crowds passing by, 道ゆく人々が笑顔で微笑んだね

  You smiled at me so sweetly,   君は僕を見て、とっても優しく微笑んだ
   since then one thought occurs, その時なにかが芽生えたんだね
 That we fell in love completely,   そして二人は恋に落ちたんだ
   the day I bought you violets for your furs. すみれの花をコートに飾った時からね♪」

 この歌を有名にしたのは、やっぱり、大御所「フランク・シナトラ/Frank Sinatra」の「Song for Young Lovers」(1953年)の歌唱でしょうか。「Swings Easy」(1954)と2枚組になってリリースされています。そして、「チェット・ベイカー/Chet Baker」のペットも負けじといい味を出していますね。


60歳過ぎたら聴きたい歌 (92) ~ コートにすみれを ~_b0102572_23115149.jpg

 Songs for Young Lovers & Swings Easy
 Frank Sinatora
 EMI Europe Generic






「Violets for Your Furs - Frank Sinatra」


60歳過ぎたら聴きたい歌 (92) ~ コートにすみれを ~_b0102572_23180620.jpg

 With 50 Italian Strings
 Chet Baker
 Ojc







「Chet Baker - Violets For Your Furs (Official Audio)」


 しかし、やっぱり、女性ヴォーカルがこの歌には似合いそう。「ビリー・ホリデイ/Billie Holiday」が衰えた体と精神を振り絞って録音した晩年の傑作、「Lady in Satin」(1958)に収録されたこの歌は哀感を誘う。そして、我が長年のミューズ、「ステイシー・ケント/Stacey Kent」も歌っています。この歌は、明るく可憐な歌声がいいですね。


60歳過ぎたら聴きたい歌 (92) ~ コートにすみれを ~_b0102572_23290736.jpg

 レディ・イン・サテン+4
 ビリー・ホリディ
 SMJ







「Violets for Your Furs - Billie Holiday」


60歳過ぎたら聴きたい歌 (92) ~ コートにすみれを ~_b0102572_23370205.jpg

 Dreamsville
 Stacey Kent
 Candid Records






   
「Violets For Your Furs · Stacey Kent」





60歳過ぎたら聴きたい歌 (92) ~ コートにすみれを ~_b0102572_23443864.jpg


 そして女性ヴォーカルからもうひとり、大人を感じさせる歌い手、スウェーデンの「モニカ・ボーフォース/Monica Borrfors」。1954年生まれ、後に夫となる「イョスタ・ニルソン/Gösta Nilsson」のピアノに魅せられて歌手になり、1980年にデビューという。あまり情報がないのですが、彼女は、現在ストックホルムを中心として活躍を続け、10枚を超えるアルバムをリリースしているという。(参照拙ブログ「スウェーデン美女シンガー図鑑(13 ) ~忍び寄って来たバラード唄い~」

 その彼女の初めての日本盤、「A Certain Sadness」(2009)は、コルネット、ギター、ベースというちょっと変わった編成のトリオ、「スイート・ジャズ・トリオ/Sweet Jazz Trio」との共演盤で、スタンダード・ナンバーのバラードが主体。

60歳過ぎたら聴きたい歌 (92) ~ コートにすみれを ~_b0102572_16201213.jpg

 A Certain Sadness
 モニカ・ボーフォース&スイート・ジャズ・トリオ
 Plugged Music AB






「Monica Borrfors - Violets for Your Furs」

      

 演奏盤であげるとすれば、1957年にリーダーとして初めて録音した「ジョン・コルトレーン/John Coltrane」の「Coltrane」(1957)でしょうが、私は、「お風呂」としておなじみの「マーティ・ペイチ/Marty Paich」の「I Get A Boot Out Of You」(1959)に収録されているナンバーが好きです。


60歳過ぎたら聴きたい歌 (92) ~ コートにすみれを ~_b0102572_00003953.jpg

 コルトレーン
 ジョン・コルトレーン
 ユニバーサル ミュージック






60歳過ぎたら聴きたい歌 (92) ~ コートにすみれを ~_b0102572_00065097.jpg

 アイ・ゲット・ア・ブート・アウト・オブ・ユー
 マーティ・ペイチ
 ワーナーミュージック・ジャパン







「Violets for Your Furs - Marty Paich Big Band」


  
   

by knakano0311 | 2015-04-16 16:13 | 60歳過ぎたら聴きたい歌 | Comments(0)
<< 続・迎えてくれたのは ・・・ 雨に咲く花 >>