大屋地爵士のJAZZYな生活

路傍の花、樹々の鳥(77) ~ サボテンの花に哀愁 ~

b0102572_14571642.jpg


鮮やかな黄色。このへんではちょっと珍しいサボテンの花。庭の柵から大きくはみ出すようにして咲いている。砂漠、棘、不毛、孤高 ・・・などというイメージを同時に思い浮かべるためか、哀愁の翳も感じてしまう。それはさておき、我が家のサボテン、鉢が小さくて合わないためか、最近はさっぱり花が咲かない。どうしたものか ・・・。

そんなサボテンの花を見て、思い浮かべる女性シンガーの一人が、「ニーナ・シモン/Nina Simone」。

b0102572_22135471.jpg

「ニーナ・シモン」。個性あふれる歌声で知られるアメリカのジャズ歌手&ピアニスト・音楽家。本名は「ユニース・キャサリン・ウェイモン/Eunice Kathleen Waymon」という。「雑誌ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のシンガー」において第29位にも選ばれている。

1933年2月21日にノース・カロライナ州、トライロンで7人兄弟の6番目として生まれた。4歳からピアノを弾き始め、彼女の才能にほれ込んだ周囲のバックアップを得て、有名なNYのジュリアード音楽院にクラシック・ピアノを学ぶため進学する。しかし、貧しかった家族を助けるため、1954年には、カジノで有名なアトランティック・シティのアイリッシュ・バーで、初めて音楽を仕事にしたという。このバーのオーナーに薦められて歌い始め、プロとしての活動を始めるとともに、やがて名前を「ニーナ」と改め、尊敬するフランスの女優、「シモーヌ・シニョレ/Simone Signoret」に因んで、「ニーナ・シモン」と名付けたという。

b0102572_2392923.jpg

ジャズ・ピアニスト&シンガーというよりも、ソウル・アーティストとしてカテゴライズされてきた彼女は、ジャズに限らず、ゴスペル、ロック、シャンソン、クラシック、ポップスなどあらゆるジャンルの音楽を取り入れた「クロス・オーバーの先駆者」といえる存在としても評価されている。

1960年代には、「マーティン・ルーサー・キング/Martin Luther King」牧師の闘いに賛同し、黒人公民権運動にも参加するなど、しだいにメッセージ・ソングをメインに歌う「プロテスト・シンガー」の色を濃くしていった。そして、アメリカで音楽活動をする道を選ばず、いくつかの国を転じ、最終的には2000年を過ぎてからフランスに居を構えた。乳癌による闘病生活の末、2003年4月21日、フランスの自宅で70年の生涯を静かに終えた。

プロテスト・シンガーの道を選んだことについて、彼女はこんなふうに語っている。「・・・もっとラブ・ソングをたくさん歌える日が来ればいいと思うんです。プロテスト・ソングを、そんなに必要としなくなる日が来れば ・・・。でも、今は必要だから。・・・」と。

プロテスト・シンガーに進んで行く以前、「コルピックス・レコード/Colpix Records」からリリースされたアルバムのコンピ・アルバム、「Nina’s Choice」(1963)には、ラブ・ソングを歌うニーナの姿が鮮やかに残されている。

Nina's Choice

Nina Simone / Collectables



その哀愁のラブ・ソングは、「Just Say I love Him」。

「♪ Just say that I need him      彼に告げよう、私にはあなたが必要だと
    as roses need the rain       バラの花が雨を必要とするように
   And tell him that without him   彼に伝えよう 、彼なしでは
    my dreams are all in vain      私の夢はすべて虚しくなってしまうと
   Just say I love him           彼に告げよう、彼を愛しいると
     loved him from the start     ずっと最初から愛していたと
   And tell him that I'm yearning   彼に伝えよう、打ち明けたかった
     to say what's in my heart     心の中の想いを
   Just say that I need him        彼に告げよう、私にはあなたが必要だと
     as roses need the rain       バラの花が雨を必要とするように
   Tell him that without him        彼に伝えよう 、彼なしでは
     my dreams are all in vain     私の夢はすべて虚しくなってしまうと
   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・        ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  ♪」

「Nina Simone - Just Say I love Him」

          

こんなアルバムも聴きたくなってきますね。ピアニストとしての才能が発揮された弾き語りのアルバム、「ソウルの世界 - ニーナとピアノ/Nina Simone and Piano」。公民権運動の行き詰まりを感じながら、音楽の原点、ピアノの弾き語りにたち返って録音したといわれる。ニーナのもうひとつの哀愁、もうひとつの魂が込められている。

Nina Simone & Piano

Nina Simone / Sbme Special Mkts.



「Nina Simone And Piano! - Seems I'm Never Tired Lovin' You (full album)」

          
[PR]
by knakano0311 | 2015-06-15 14:44 | 地域の中で・・・ | Trackback | Comments(2)
トラックバックURL : http://oyajijazz.exblog.jp/tb/24580074
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Commented by reikogogogo at 2015-06-15 16:08
サボテンの花って、奇麗ですね。
モリアオガエルの卵や、山の植物、鹿や蝶などなど楽しませて頂いてます。  
ちまきもおいしそうでした。
そろそろ、信州の田舎に旅がしたいです。
Commented by knakano0311 at 2015-06-15 21:09
reikogogogoさん  いつもありがとうございます。今月始めに帰りましたが、ぼちぼち田植えが始まっていました。そしてそばの花も ・・・。
<< 路傍の花、樹々の鳥(78 ) ... 今年もジャズとホタルの夕べに >>