「ピアノの詩人」と称されるイギリスのジャズピアノ奏者、「ジョン・テイラー/John Taylor」氏が7月に亡くなったという。私はつい最近までそのことを知らなかった。
『ジョン・テイラー氏(英ジャズピアニスト)、フランス西部スグレで17日に開かれた音楽祭で演奏中に心臓発作を起こし、18日死去、72歳。音楽祭の主催者が明らかにした。家族は主催者を通じ「音楽祭で演奏されている音楽が彼にとって最高の弔辞だ」とコメントした。・・・・』
「ジョン・テイラー」。1942年生まれ、イギリス・マンチェスター出身のジャズピアノ奏者、作曲家。音楽一家で育ち、幼少からピアノをマスターしたという。1964年ロンドンに出て、多くのアーティストと共演。1971年トリオを結成し、初リーダー作「Decipher(日本タイトル;覚醒)」を発表。モード手法を基盤としたスピード感溢れる高度なインタープレイを披露した。「ピアノの詩人」と称されるように、欧州ピアニストの例に漏れず、クラシックをベースにした気品あふれる演奏でファンを魅了。現在までにECMレコードに多くの録音を残していることもうなづける。彼の元妻が英ジャズ歌手、ヴォーカリスト、「ノーマ・ウィンストン/Norma Winstone」である。(参照拙ブログ
「鹿や猪はこんな事をしない」)
奇しくも1年前の7月には、私が最高のジャズ・ベーシストと思っている、「チャーリー・ヘイデン/Charlie Haden」が他界している。ヘイデンとテイラーには、「ナイトフォール/Nightfall」(2003)という素晴らしいデュオ・アルバムがある。ベテランの二人が奏でるのは「美しさと静謐にみちた黄昏」といった表現がぴったりのアーティスティックなアルバム。二人を偲んで献杯。
そして、合掌 ・・・・。
ナイトフォール(NIGHTFALL)
チャーリー・ヘイデン&ジョン・テイラー / ライス・レコード
「Bittersweet - Charlie Haden & John Taylor」