大屋地爵士のJAZZYな生活

憂鬱な春という人も

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ウォーキングをしていると、「ジンチョウゲ(沈丁花)」の香りが漂ってくる。我が家の鉢植えもそうだが、蕾が相当膨らんで来たのである。やはりこの香りは強いので、すぐにそれとわかる。

そして春になるとと、気象予報に花粉情報が加わるようになる。私は幸いなことに花粉症とは無縁であるが、妻を始め知り合いにも、花粉症に悩む人は多い。春が来て暖かくなり、喜ぶとは裏腹に、花粉症が始まる憂鬱さも感じるようである。

さて、春の歌。スタンダードには、ストレートに春の喜びを歌った歌は少ないとして、「Spring Is Here/邦題;春が来たと云うけれど」、それにちょっと切ない「Spring Will Be a Little Late This Year」を紹介しましたが、今宵も続けて「ひねくれた春の歌」です。その決定版がこの歌、「Spring Can Really Hang You Up The Most」(1955)。意味は「春は私を最も憂鬱にさせる」。「憂鬱な春」なんて ・・・。いやいや、これはひねくれたタイトルですね。

【 Spring Can Really Hang You Up The Most 】
                       Lyric:Fran Landesman  Music:Tommy Wolf

「♪ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
   Spring this year has got me feeling     今年の春は私をまるでレースに出られない
   like a horse that never left the post.     競走馬みたいな気分にさせる
   I lie in my room staring up at the ceiling.  部屋に寝転がって天井を見上げるばかり
   Spring can really hang you up the most.   本当に憂鬱な春

   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

   Spring is here, there’s no mistaking.      間違うことなく今年も春が来た
   Robins building nests from coast to coast.  こまどり達はあちこちで巣を作る
   My heart tries to sing so                私も心の傷を悟られまいと
           they won't hear it breaking.       歌を歌ってみようと努力してみる
   Spring can really hang you up the most.    なんて最悪で憂鬱な春

   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・         ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ♪」

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まずは大姉御、「カサンドラ・ウィルソン/Cassandra Wilson」。アルバムは、「Loverly」から。アメリカ、ミシシッピ州ジャクソン出身の女性ジャズ歌手、シンガー・ソングライター。1996年度、2008年度のグラミー賞最優秀ジャズ・ヴォーカル・アルバム賞の受賞者で、1990年代を代表するジャズ歌手の一人である。

私のご贔屓の女性シンガーのひとりで、ジャズとブルースのスタンダード・ナンバーからポップ、ロックまで歌う。そのレパートリーの広さから、「千手観音」と、あるいは女性としては非常に低い声域を持ち、ブルージーな独特の声質と、その強い「目ヂカラ」が故に、私は「現代の巫女」などと勝手に名づけている。

Loverly

Cassandra Wilson / Blue Note



「Cassandra Wilson - Spring Can Really Hang You Up The Most」

          

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北欧で、今後もっとも期待される若手イチオシのシンガーが、デンマーク出身の「シーネ・エイ/Sinne Eeg」。1977年デンマーク生まれ。1997年20歳の時に、国立音楽アカデミーで音楽を学ぶ。2003年に自身の名を冠したアルバムでデビュー。以後、2007年にリリースした、全曲オリジナル楽曲に挑戦したセカンド・アルバム「Waiting for dawn」、2010年の「Don’t Be So Blue」が、その年の「デンマーク音楽賞/最優秀ジャズ・ヴォーカル・アルバム」を獲得したという。日本のジャズ界に大きな反響を巻き起こしたのは、第4作、「ブルーな予感」であった。バラードに彼女の力はいかんなく発揮されるが、バラード良し、軽快なスイングも良し、オリジナル良し。ときに哀愁が漂うクール・ビューティ。(参照拙ブログ「北欧美女シンガー図鑑(その6) ~神戸で見つけた美しきバラード唄い~」) アルバム、「Remembering You」(2011)から。

Remembering You

Sinne Eeg / Red Dot Music



「Sinne Eeg - Spring Can Really Hang You Up The Most (Feat. Marc Berthoumieux)」

          

そして、かって’80年代ロリータ・ヴォイスで人気を博したPOPS系の「リッキー・リー・ジョーンズ/Rickie Lee Jones」のアルバム、「Pop Pop」から。賛否はきっと相当分かれるでしょう。でも「ひねくれた春の歌」ですから、こんな歌い方もアリと思います。

Pop Pop

Rickie Lee Jones / Geffen Records



「Rickie Lee Jones - Spring can really hang you up the most」

          

インスツルメンツからも。サックスの「Houston Person」とベースの「ロン・カーター/Ron Carter」とのデュオで。アルバムは、コンピですが「Jazz for a Rainy Afternoon」から。

Jazz for a Rainy Afternoon

Various Artists / 32. Jazz Records



「Spring Can Really Hang You Up The Most - Houston Person」

          
 



 
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by knakano0311 | 2016-03-07 10:04 | 音楽的生活 | Trackback | Comments(0)
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