リオ・デ・ジャネイロ・オリンピックが終わった。運営上の大きな不祥事やジカ熱などの問題はなかったようで、成功裏に終わったといえよう。私はいつも閉会式を観るのを楽しみにしている。その国のトップ・ミュージシャンのパフォーマンスが繰り広げられるからである。今回はサンバの国。ボサノバやブラジル音楽のレジェンドたちが出演するのでは ・・と期待していたが、残念ながらそれは叶わなかった。やはりブラジルではボサノバは「懐メロ」となっているようである。
しかし、開会式には、A.C.ジョビンの「イパネマの娘」が流れ、閉会式のフィナーレには、同じくジョビンの「薔薇に降る雨(Chovendo Na Roseira)」が使われた。ボサノバの創始者「アントニオ・カルロス・ジョビン/Antônio Carlos Jobim」。幼い頃にブラジルの大自然に囲まれ育った彼は、環境問題に対する関心が深く、アマゾンの熱帯雨林を保護するための活動を行っていたという。そしてジョビンの曲には自然を題材にしたり、自然に対する彼の思いを込めた曲が多くある。
閉会式、フィナーレのパフォーマンス。ブラジルの自然やアマゾンの森の多様性。それを象徴するような大きなネットの木。流れるジョビンの「薔薇に降る雨」。それを見ながら、ジョビンの言葉を思い出していた。アマゾンの熱帯雨林破壊については地球規模での気象に与える影響も懸念されている。単なる閉会式でのパフォーマンスで終わらねばいいのだが ・・・。
『この地上で樹が切り倒されるごとに、
その樹はきっと別の場所で、
どこか他の世界で再び成長するのだと、
私は信じている。
だから、死んだら、私はそこへ行きたい。
森たちが平和に暮せるその場所へ。』 アントニオ・カルロス・ジョビン
(青土社刊;「アントニオ・カルロス・ジョビン~ボサノヴァを創った男」より引用、写真も)
STONEFLOWER
ANTONIO CARLOS JOBIM / SONY
ここでは、「Children's Games」というタイトルに ・・・。
「Tom Jobim - Chovendo na Roseira」
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「エドゥ・ロボ/Edu Lobo」と「トム・ジョビン」とのデュオ・アルバムから。私はこちらの方が好き。
エドゥ&トム、トム&エドゥ
エドゥ・ロボ&トム・ジョビン / ユニバーサル ミュージック
「Edu Lobo & Tom Jobim - CHOVENDO NA ROSEIRA」
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