大屋地爵士のJAZZYな生活

失敗の本質は ・・・

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 2012年に新たに森林ボランティアのグループを立ち上げ、炭焼きを引き継いでから、5年目の炭焼きを終えた。それ以前の炭焼きはといえば、ノウハウを知っている長老格の采配に従って、作業をするだけで、炭焼きの奥深いところや、詳細なノウハウなどはほとんど教えてもらえなかった。

 新しいクラブを立ち上げてからは、「炭焼き技術の伝承」という目標を掲げるなら、そんなやり方を改めようと、「より美しい菊炭をめざす」、「科学的なアプローチで」、「全員参加でノウハウ共有」を方針としてやってきた結果、昨年は、今までの私の炭焼体験では最高レベルとも言える菊炭が焼けた。しかし、「今年も!」と意気込んで焼いた炭は、失敗とまでは言えないが、昨年の品質に比べたら大幅に品質ダウンを認めざるを得ない結果であった。

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 しかし、今回のこの結果の反省から得られるものも、相当大きかったと実は思っている。そのひとつは、かって先達に教えてもらった常識、定説を疑ってみたことである。ただひたすら薪を焚くだけと、いままであまり目を向けて来なかった「窯焚き」の有り様が、結果として炭の出来栄えに大きく影響するということがわかったこと。焼き急ぎをしないよう、むしろ温度上昇を抑え、時間をかけてじっくりと焼くことなど、目からウロコが落ちたように、新たな知見も得られた。来年に向けての新たな目標や確かめたい課題が設定でき、もう来年の炭焼きが待ち遠しくてならないのだ。

 素人がプロの炭焼き師に少しでも近づくためには、データを収集し、それを分析・活用することが、よりよき菊炭づくりにつながると思ってやってきたが、その方向は間違っていなかったと思う。そして、失敗は、成功するためへの必然であり、いつまで続けられるかわからないが、失敗は私の炭焼きへの挑戦や、森林ボランティアへ駆り立てる原動力となっている。とはいえ、年に2回しかできない炭焼き。できるだけ失敗はしたくないのが本音ではあるが ・・・。

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 今宵の春の歌。「There'll Be Another Spring」。「待っていればもう一度春がやってくる」という傷心を自ら慰める女心を歌った古いスタンダード。歌姫は、「ダイアン・リーヴス/Dianne Reeves」。ちょっと地味な歌手ですが、アルバムで4度のグラミー賞を獲得、ベスト・ジャズボーカル賞も受賞、卓越した歌唱力に恵まれたシンガーで、私のご贔屓のひとり。

 この歌は、近年、「ダイアン・リーヴス」が、音楽を担当し、自らもクラブ歌手役として登場した、「ジョージ・クルーニー/George Clooney」監督・主演の映画、「グッドナイト&グッドラック/原題:Good Night, And Good Luck」(2005)の挿入歌としても使われた歌。作詞・作曲は、あの「ペギー・リー/Peggy Lee」と、「ヒュービー・ホィーラー/Hubie Wheeler」で、1959年の作品。たしか「ダイアナクラール/Diana Krall」も、アルバム、「Love Scenes」の中で歌っていました。

 映画の舞台は、1950年代アメリカ。「ジョセフ・マッカーシー/Joseph Raymond "Joe" McCarthy」上院議員による「赤狩り」が、数千人に及ぶ国民から職を奪い、恐怖がアメリカ全土を覆っていた。報復を恐れるマスコミが批判を控える中、議員の真の姿を報じ、アメリカに自由を取り戻したのは、一人のニュース・キャスターで、「テレビ・ジャーナリズムの父」と今も讃えられている、「エド・マロー/Edward R. Murrow」。彼と共に闘った記者たちの実話基づく物語である。タイトルの「Good Night, And Good Luck」は、番組を締めくくるのにマローが毎回使っていた言葉だという。

 この映画が製作されたのは、9.11テロ後の2005年、アメリカがテロによって右傾化してゆくブッシュ政権時代。そしてまさかのトランプ政権誕生後、人種差別的傾向や、言論封鎖、政権とマスコミとの敵対が強まっているアメリカの今、この国に再び「エド・マロー」は現れるのであろうか。そして、このような映画をつくる映画人も ・・・。そして、我が国はとも ・・・。もう一度、この映画を観てみたいと率直に思う。

グッドナイト&グッドラック 通常版 [DVD]

東北新社



【映画「グッドナイト&グッドラック」(05 米/06 日本公開) 予告編】

           

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 さて、話を元に戻して、「ダイアン・リーヴス」。 1956年ミシガン州デトロイト生まれのジャズ歌手。ダイアンの家族は音楽一家で、父親は歌手、母親は、トランペット奏者だったという。子供時代、ダイアンはピアノのレッスンを受け、あらゆる機会に歌を歌った。11歳のとき、音楽が生徒を最善の道へ導くと教えている教師によってインスパイアされ、彼女の音楽への関心はより高まったという。

 やがて歌手を志した彼女に、叔父は、「エラ・フィッツジェラルド/Ella Fitzgerald」から「ビリー・ホリデイ/Billie Holiday」まで、ジャズ・シンガーを彼女に教えた。ダイアンは、特に「サラ・ヴォーン/Sarah Vaughan」に感銘を受け、デンバー大学で音楽を学び始めた。その後、歌手としての道を歩み始め、現在に至っている。

【 There'll Be Another Spring 】 by Peggy Lee /Hubie Wheeler

「♪ Don't cry, there'll be another spring  泣かないわ、きっとまた春は来るから
   I know our hearts will dance again  わかっているの、二人の心はもう一度弾み、歌う
   And sing again, so wait for me till then だからその日まで待ちましょう

   Be glad the bird is on the wing    喜びましょう、鳥が羽ばたき
   Another time to love         いつか再び愛しあい、共に笑える日が来ることを
   And laugh with me, just wait and see  その日がくるまで見守って待ちましょう

   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・   ♪」

 映画のサントラ盤から、「There'll Be Another Spring」。

Good Night, and Good Luck.

Concord Records



「Dianne Reeves - There'll Be Another Spring」

            


  
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by knakano0311 | 2017-02-27 09:55 | 炭焼き小屋から | Trackback | Comments(1)
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Commented by reikogogogo at 2017-02-27 23:06
菊炭初めて見た時の感動忘れません。
いつか真っ赤に燃えた菊炭が見たいですね。
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