大屋地爵士のJAZZYな生活

粋な男の異国の薫り

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 繁殖力が強く、この時期、道路脇などでよく見かけるが、意外と名前がわからない。調べてみると、「ヤナギバルイラソウ(柳葉ルイラ草)」というらしい。メキシコ原産で、晩秋まで長期間紫色の花を咲かせるが、朝に咲いた花が夕方には縮んでおちてしまう、いわゆる一日花だという。

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 連日、ボサノヴァを聴いたためか、「カエターノ・ヴェローゾ/Caetano Veloso」を聴きたくなった。

 「カエターノ・ヴェローゾ/Caetano Veloso」。実は、私は長い間「カエターノを聴いてみたい」という思いに駆られることはなかった。「ブラジル音楽界のポップアーティスト」、「エレキギター、サイケデリック・サウンドでブラジル音楽界に革命をもたらした男」などという彼を表わすコピーを見るたびに、かえって足が遠のいていってしまった。それがある映画によって、大きな衝撃を受けた。その映画は、スペインの「ペドロ・アルモドバル/Pedro Alamadovar」監督、2002年公開の「トーク・トゥ・ハー/Talk to Her(原題:Hable con ella)」であった。主人公の一組の恋人たち、フリーライターと女闘牛士の逢瀬が「カエターノ・ヴェローゾ」のライブであり、画面に流れる悲恋の果ての死の嘆きを、鳩の鳴き声に託す「ククルクク・パロマ/Cucurrucucú Paloma」の唄に鳥肌がたつのを覚えたほどである。これが最初の「カエターノ」との出会いであった。

トーク・トゥ・ハー [DVD]

ギャガ



「Caetano Veloso ー Cucurrucucu Paloma」

          

 「カエターノ・ヴェローゾ」は、1942年生まれ、75歳でほぼ私と同世代。ブラジル・バイーア州に生まれ、ボサノヴァ歌手として音楽キャリアをスタートさせた彼は、やがてビートルズなどの影響を大きく受け、ブラジルのポピュラー音楽と欧米のロックンロール、さらに前衛音楽の要素も取り込んだサイケデリックで前衛的、左翼的メッセージに満ちた音楽スタイルを確立し、推し進めていった。ブラジルの反軍事政権への強烈な敵意を根源とするような音楽は社会主義者からも距離をおかれ、反政府主義活動のかどで投獄され、ロンドンへの国外追放にもあう。1972年ブラジルに帰国してからは、ブラジルの伝統的なスタイルへの回帰、とりわけアフリカにルーツを持つバイーヤ地方の文化に深く傾倒していったという。1980年代人気はヨーロッパ、アフリカ、アメリカなどへ飛び火し、国際的なポップスターとしての賞賛も集め、先述の「トーク・トゥ・ハー」などの映画でも用いられる様になる。

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 彼の声をなんて表現していいか分からないが、男性的であったり、中性的であったり、時には女性的に聴こえることがあったりする。言葉、発音、声質、抑揚など「歌う」という行為に関わる要素すべてを動員して歌っているのだ。だから彼の歌は「歌う、唄う、詠う、謡う、謳う・・・」いずれの漢字もあてはまるように聴こえるのかもしれない。

 今宵のアルバムは、カエターノが初めて全曲英語で吹き込んだ「異国の香り~アメリカン・ソングス(原題;A Foreign Sound)」。「ソー・イン・ラヴ」、「煙が目にしみる」、「ボディ・アンド・ソウル」など、JAZZのスタンダードから「ダイアナ」、「ラヴ・ミー・テンダー」まで、アメリカン・ソングがぎっしり詰まっている。かれは、ライナーノートで、このCDに収録されているアメリカのミュージシャン、「シナトラ」、「マイルス・デイヴィス」、「プレスリー」、「ニルバーナ」などについてコメントをし、「ブラジル音楽の発展に影響を与えたのはアメリカの音楽なんだ。・・・・・音楽をより楽しく、豊かにしてくれたアメリカのポピュラー音楽への感謝の方法を見つけたいと思っている。」と述べている。その一つの答えが、まさにこのアルバムである。ブラジル色、カエターノ色に染め上げられたアメリカン・ソング集。(拙ブログより再録)

異国の香り~アメリカン・ソングス

カエターノ・ヴェローゾ / ユニバーサル ミュージック クラシック



 その中から、お馴染み、「So In Love」、「Feelings」を ・・・。「So In Love」。「コールポーター/Cole Porter」作詞・作曲のあまりにも美しいミュージカル・ナンバー。「こんなにも深く愛してる」という意味でしょうか。

【 So In Love 】

「♪ Strange dear, but true dear,  ちょっと奇妙だけどそれは本当のこと
  When I'm close to you, dear,   あなたに近づくといつも
  The stars fill the sky,       空が星でいっぱいになるの
  So in love with you am I.     だってこんなにも深く愛しているから
  
  Even without you,        あなたがいない時でさえも
  My arms fold about you,     腕の中にあなたを感じている
  You know darling why,      どうしてかわかるわね
  So in love with you am I.     こんなにも深く愛しているから
  
  In love with the night mysterious,   恋に落ちたのは、あのミステリアスな夜
  The night when you first were there,  だってその夜にあなたに出会ったから
  In love with my joy delirious,      甘美な恋の喜びに震えたわ
  When I knew that you could care,   あなたも私を愛してると知ったときは
  
  So taunt me, and hurt me,      たとえ嘲られても、傷つけられても
  Deceive me, desert me,        騙されても、見捨てられても    
  I'm yours, till I die          死ぬまで私はあなたのもの
  So in love               だってこんなにも恋しているから
  So in love              だってこんなにも愛しているから
  So in love with you, my love, am I  あなたに           ♪」


「Caetano Veloso - So In Love」

          

「Caetano Veloso - Feelings」

          

 フルアルバムもアップされていました。

「Caetano Veloso - A Foreign Sound | full album」

          

  


  
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by knakano0311 | 2017-09-07 14:41 | おやじのジャズ | Trackback | Comments(2)
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Commented by maya653 at 2017-09-07 17:51
見覚えのあるCDジャケット。棚から探し出して今夜はこれで決まり!デス
Commented by knakano0311 at 2017-09-07 21:16
maya653 さん わたしも無性に聴きたくなることがあります。
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