デビュー・アルバムは、「ステッピング・アウト/Stepping Out」。サード・アルバム、「オール・フォー・ユー~ナット・キング・コール・トリオに捧ぐ/All for You: A Dedication to the Nat King Cole Trio」(1996年)は、グラミー賞にノミネートされ、また70週間もの間、ビルボード誌のジャズ・チャートに上がっていたという。「ホエン・アイ・ルック・イン・ユア・アイズ/When I Look In Your Eyes」(1999年)では「ジョニー・マンデル/Johnny Mandel」によるオーケストラ・アレンジのバックもあり、再度グラミー賞にノミネートされ、クラールはその年の最優秀ジャズミュージシャンとして表彰された。2001年9月にクラールはワールドツアーを開始し、フランス・パリのパリ・オリンピア劇場でのライブは彼女の初めてのライブ・アルバムとしてリリースされた。これにより彼女は二つ目のグラミー賞(最優秀ジャズボーカル)を受賞したのだ。
2003年12月にイギリス生まれのロック・ミュージシャン、「エルヴィス・コステロ/Elvis Costello」と結婚し、ファンを落胆させた。2006年12月には双子の男の子を出産し、一時音楽活動を休止したが復活した。しかし、その頃から、私は、なにか彼女が方向を見失っているようで、リリースされたアルバムに物足りなさを感じて遠ざかっていた。若手への世代交代か、と思っていたが、しかし、今年に入っての、アルバム「Turn Up the Quiet」のリリース。「やっとダイアナが帰ってきた」と安堵の胸をなでおろしたものである。
ダイアナが最も輝いていた時代のアルバム、「ライヴ・イン・パリ/Live In Paris」(2002)から。