大都会の雑踏、その中で埋没していく人間の孤独や悲哀。そんな背景やテーマの映画は数多いが、衝撃的で忘れられない映画の一つが、「リチャード・ブルックス/Richard Brooks」監督、私が好きな女優、「ダイアン・キートン/Diane Keaton」主演の映画、「ミスター・グッドバーを探して/Looking for Mr. Goodbar」(1977年)。美しい女教師が麻薬とセックスに溺れ、やがて身を滅ぼしていくというちょっと凄惨でやりきれない映画。その女教師を「ダイアン・キートン」が体当たりの演技で演じているのが見ものだが、未だにDVD化されず、VHSのみ。扱いの難しい問題作ということで、配給元も尻込みしているのだろうか。
しかし、この映画の主題歌、「Don't Ask To Stay Until Tomorrow」。「何も言わずに朝までいて」、そんな意味でしょうか。この歌を歌っていたのは、個性派、「マリーナ・ショウ/Marlena Shaw」。1942年生まれというからもう相当なお年。デビュー当時の、あの超イケイケのアフロ・ヘアの、「Who Is This Bitch, Anyway」(1975)から、もう40年以上も経ってしまったんですねえ。この歌は、もうベテラン・ジャズ・シンガーとして来日した時のアルバム「ライブ・イン・TOKYO」(2002)に収録されている。
【 Don't Ask To Stay Until Tomorrow 】 by Carol Conners , Artie Kane
「♪ Don't promise moments forever 「いつ」なんて絶対に約束しないわ
This night will fade to haunted memories この夜の記憶だってやがては褪せてしまう
And don't relive each kiss だからキスや吐息を
And whispered sigh 思い出さないで
Love me then leave before the dawn 私を愛して そして夜明けまでには消えてね
Don't believe it's not goodbye それでさよならなのよ
Don't pretend I love you 愛している振りなんてしないわ
Don't ask if you can stay until tomorrow 朝まで一緒に居ていいかなんて聞かないで
Don't stay long enough for me to miss you 寂しくなるくらい長く一緒にいるなんて嫌
Ooooo love me now then go 愛して そして去っていって
Words I do not hear 孤独
Loneliness そんな言葉は私とは無縁
Removes the need for bitter lies 苦い嘘をつく必要もないわ
Laughter through each tear 互いの涙の後の
Silently 無言の笑い
Sneaks in behind love shadow dreams 愛の陰に潜む蛇たちは夢を影で覆う
Don't believe this moment will not mean goodbye これきりじゃないなんて信じない
Don't pretend that I'm in love with you あなたに恋している振りなんてしないわ
No no no no もういいから何も言わないで
Don't ask to stay until tomorrow 何も言わずに朝までいて
Don't ask to stay until tomorrow お願いだから