長い間音楽を聴いていると、不思議なこともあるもので、アルバムの方から「買ってみて!、聴いてみて!」と秋波を送ってくる場合がある。今回紹介する二人の歌手は出張先の東京のとあるCDショップでアンテナに引っかかり、買った結果、大当たりであった。ハイクオリティの音質のため、価格は割高であったが、それを割り引くだけの満足度を得られた。音質はかなりいい。
したがって二人の歌手に共通する声の透明感が、際立ってせまってくる。本当に癒される。
まずシンガポール出身の「Jacintha」(ジャシンサと発音するらしい)。1枚目は「Ben Webster」に捧げたもので、「The Look Of Love」、「Stardust」、「Tenderly」などのスタンダード曲が続く。とりわけ「Danny Boy」は鳥肌が立つほどの凛とした歌唱力に圧倒される。2枚目「Rush Life」、3枚目「Autumn Leaves~The Songs Of Johnny Mercer」もやはり同様。歌唱力、音質は前作に比べいささかも損なわれず、スタンダード曲満載のアルバムで女性ボーカルファンは至福の癒しの時間を過ごせるだろう。
Here's to Ben: A Vocal Tribute to Ben Webster
Jacintha / Groove Note
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Lush Life
Jacintha / Groove Note
ISBN : B00005UONM
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Autumn Leaves: The Songs of Johnny Mercer
Jacintha / Groove Note
ISBN : B000040OJD
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さあ、二人目の姫は、フィリッピンの歌手「Jheena Lodwick ジーナ・ロドウィック」の香港録音版。ベートーベンの第九、「喜びの歌」のPOPSバージョンで始まり、イタリア民謡「オー・ソレミオ」のプレスリー版「It’s Now or Never」「Too Young」とつづく懐かしい50~60年代のPOPSのパレードには、本当に癒される。伸びやかな、張りがあるが決して硬くはないしなやかな高音。このCDをとある洋風居酒屋にさしあげたところ、おやじ連からリクエストが続出したいう。音質も前作同様太鼓判の大オススメ盤。ジャケットのイメージが掲載できないのは残念。
こんな歌手に出会えるとは、世界はあらためて広いなとも思う。
All My Loving
Jheena Lodwick / Jvc / Xrcd
ISBN : B0002KVUMA
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「Jacintha -Autumn Leaves」