「リッキー・リー・ジョーンズ」。初めて聴いたが、不思議なシンガーである。
20年以上我が道を歩み続けてきた知る人ぞ知る、孤高の女性シンガー・ソングライターだが、残念ながら私は、彼女、リッキー・リー・ジョーンズの名前は知りませんでした。
「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」。有名なスタンダード曲をタイトルに持ってきているが、原題は「Girls At Her Volcano」。このタイトルではJAZZアルバムだとは誰もわからなかっただろうし、まして知る人ぞ知るリッキーでは。多分日本発売にあたって、レコード会社の人もタイトルに苦労しただろうことは十分に察することが出来るが。おなじみのタイトル曲と「ラッシュライフ」から渋めの曲まで、しっとりと聴かせてくれる、一風変わったライヴアルバム。
次は、「ポップ・ポップ」。文字通りPOPなジャケットで、これほど中身と落差があるジャケットも珍しい。彼女自身が好きな歌、という基準でセレクトされたカヴァーアルバム。かわいらしくも艶のあるヴォーカルも印象的だ。バックを務めるのは、チャーリー・ヘイデンやジョー・ヘンダーソンなど、ジャズ界の大物やベテランぞろい。 彼女ならではの声と歌の解釈で、ジャズのスタンダードをリッキー流に消化した傑作。彼女の独特の声質でうたわれるこのアルバムは、ゆっくりと静かな夜を過ごしたい人にぴったり。
たまたま2枚ともイラストのジャケットなので彼女の顔は分からない。どうしても見たい人は他の作品で確認をどうぞ。
マイ・ファニー・ヴァレンタイン
リッキー・リー・ジョーンズ / ワーナーミュージック・ジャパン
ISBN : B00000718W
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ポップ・ポップ
リッキー・リー・ジョーンズ / ユニバーサルインターナショナル
ISBN : B00005GS0X
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「007シリーズ主題歌」などPOPS界では、BigName「カーリー・サイモン」のこちら側のアルバムから、「ムーンライト・セレナーデ」「トーチ」の2枚。
「ムーライトセレナーデ」は、ご存知のスタンダードな名曲ばかりをカーリー・サイモンの独特な低めの声でセクシーに聴かせてくれるお奨め盤。所詮POPSシンガーという声もあるが、私は「なかなかやりますなあ」と感心しました。
「トーチ/Torch」とは「たいまつ、トーチランプ」の意味であるが、もう一つの意味は「燃えるような恋心」という意味である。ここでは無論二番目の意味である。彼女の離婚直後に録音されたアルバムだというから、その彼女の想い、情念、未練・・などが切々とつたわってくる。「Body and Soul」など、ある種の凄みさえ感じさせるできばえ。
Torch
Carly Simon / Warner Bros.
ISBN : B000002KMN
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「シンディ・ローパー」。彼女もビッグネームですね。ヒット曲「Time After Time」はたくさんのJAZZ歌手にカバーされています。「At Last」は、シンディローパー初のカヴァーアルバム。スタンダードナンバーを集めた作品集。取り上げているのは、エディット・ピアフ、バート・バカラック / ハル・デヴィッド、スモーキー・ロビンソンの名曲など、幅広い。ピアノ、チェロなどのシンプルな音をバックに、「Unchained Melody」、「Don’t Let Me Be Misunderstood」、「Walk on by」、「La Vian Rose」などをこれほど情感込めて聴かせるとは、彼女のボーカリストの力量が並々ならぬことを認めざるを得ない。