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大屋地爵士のJAZZYな生活

欧州JAZZY紀行(2)  ~ スエーデン 北緯60度にて ~ 

まだ、USA JAZZY紀行が、ろくにすすんでないのに、もう欧州紀行の第2弾です。

私にとって、ヨーロッパのイメージは春、夏より、むしろ秋、冬のイメージが強いのです。仕事の関係で、ドイツ、スエーデンという、北ヨーロッパへの出張が多く、それらの国々の「春夏」は、6月~8月と駆け足で去ってしまい、出張には、いつもセーターかコートが必要だったこと多かったからでしょうか?

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スエーデン。仕事で10回程度は訪れただろうか。いくつかの心に残る想い出がある。そのひとつ。
ストックホルムからさらに飛行機で北へ1時間。北緯60度近くに位置する「Umea ウメア」という町がある。訪れたのは4月下旬であるが、まだ1.5mの積雪、川は全面結氷、車で渡れるほど。人口数万の小さな町であったが、ここでもいくつかの貴重な体験をさせてもらった。

ある会社との提携条件をめぐって、最後の1点で双方の条件が一致せず、その日は物別れに終わった。すると夜ホテルにその会社の社長が訪ねてきた。手には「スエーデン・ウオッカ」のミニボトル(ノーマルの1/4~1/3ぐらいのサイズか)の8本セット。社長いわく「さしで飲んで、飲み勝ったほうの条件に従おう」と言い出した。1本づつ交互に飲んで結局私が勝って、こちらの条件が通ったわけであるが、ヨーロッパ人でもこんなことをするんだとびっくりしたことがある。まあ、あとで考えてみると、スムースに合意成立させるための演出だったような気もするが・・・。

次の日は仕事を早めに終わっての接待。どこへ行くのが告げられないままに、ついたところは、車で1時間ほどの雪の山の中。防寒のジャンプスーツに着替えさせられ、スノーモービル運転の簡単なトレーニングを受け、そのままコンボイを組んで、山中にトナカイを見に行くというツアー。
夕暮れまでトナカイを追って、山中を駆け巡り、あとはテントでトナカイのバーベキューという、まことにアウトドアな初めての体験。一面の銀世界とスエーデン人の質素ながら心のこもるホスピタリティ。忘れられない体験となった。



おりしも、ヘール・ボップ彗星が地球に最接近の時期。3月のフロリダへの旅でも、日本でも全く見えなかったヘール・ボップ彗星が、この旅の途中ずっと肉眼で見えていた。ストックホルムはガムラ・スタンのゴシック建築の教会の尖塔の横に、尾を引く彗星がはっきりと見えるなんて、これも初めての感動の経験であった。ただ期待はしていたが、オーロラは残念ながらいまだに見る機会を得ていません。


【ヘールホップ彗星  出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)】
ヘール・ボップ彗星(ヘール・ボップすいせい、Comet Hale-Bopp、公式符号 C/1995 O1)は、1997年に非常に明るくなり、おそらく20世紀で最も広く観測されたであろう彗星である。18ヶ月もの期間にわたって肉眼で見ることができ、これはそれまで記録を保持していた1811年の大彗星の2倍にもなった。
ヘール・ボップ彗星は1997年4月1日の近日点通過の頃には、予想通りかそれを越える明るさになった。1997年の大彗星 (The Great Comet of 1997)とも呼ばれている。HB彗星と略称されることもある。
核が50kmと極めて大きかった。今までに観測された彗星の中でも最大級であると推定されている。公転周期は約4220年と考えられている。
1997年の春には、地球にあまり接近しなかったにも関わらず、-1等級前後の明るさになり、約3ヶ月もの間肉眼で楽に見える状態が続いた。写真を撮ると、尾が明るく長く写り、白いダスト・テイル(塵の尾)と、青いイオン・テイル(イオンの尾)をはっきりと区別することができた。

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                       ヘール・ボップ彗星

「Milcho Leviev + Dave Holland/Up And Down」
ピアノとベースのデュオ。C.ヘイデンとK.バロンの名作「Night & The City」を知るまでは、これが「デュオ・アルバム」では1番だと思っていたアルバム。とくに6曲目の「ディア・ハンター」の中で使われたあの美しく、鮮烈な曲「Cavatina」を聞くたびに、あのスエーデンの雪の山の中をトナカイを追って走った事を鮮やかに思い出す。
ミルチョ・レヴィエフはブルガリア出身のクラシックにベースを持つ、Jazzピアニスト。彼はJazzのため、音楽のため家族も祖国も捨てて、1971年アメリカに渡った。ライナーノートを見るとその後C.ヘイデンのグループに加わって活動することも多いとある。ヘイデン・ファンの私としては、何かの因縁を感じてしまう。
デイヴ・ホランド、英国生まれのベーシスト。彼もクラシック出身であるが、米国へ渡り、マイルスのグループで活躍していた。アメリカにわたった二人の欧州人のデュオ。彼らのJAZZへの情熱と生き様がつたわってくるような素晴らしいアルバム。録音は1987年9月、東京サントリー・ホールでのライブ。


Up and Down
Milcho Leviev / M.a. Recordings
ISBN : B00000JKGS
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「ディア・ハンター」は、ヴェトナム戦争がアメリカ人に狂気をもたらし、青春や友情、そして愛までも変えていくさまをリアルに描いたマイケル・チミノ監督の1979年公開のアカデミー賞5部門受賞の問題作。ロバート・デ・ニーロ、 クリストファー・ウォーケン、 メリル・ストリープ 、ジョン・サベージ、故・ジョン・カザールなどそうそうたる役者ぞろいの映画。

ディア・ハンター
/ ジェネオン エンタテインメント
ISBN : B00005FXHO
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by knakano0311 | 2006-12-17 22:53 | JAZZY紀行 | Comments(0)
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