人気ブログランキング | 話題のタグを見る

大屋地爵士のJAZZYな生活

欧州JAZZY紀行(6) ~ La Dolce Vita ~  

しばらくブログをお休みしていましたが、4月の上旬に9日間ほどで、「フィレンツエ」と「パリ」を旅してきました。もうヨーロッパもすっかり春。明るい日差しと、花に包まれたヨーロッパの街を楽しんできました。ルネッサンスの都、「花の都」という意味の通りの「フィレンツエ(フローレンス)」。街中が世界遺産で、ルネッサンスの息吹と抜けるような開放感、澄み切った明るさを体中で、感じられる街。ウッフィツィ美術館で見た「ボッチチェリ」の「春」、「ヴィーナスの誕生」にも感動。ちょうど、フィレンツエ滞在のときが「復活祭」で、大聖堂(ドウオーモ)の前の広場で幸運にも「復活祭」のイベントを最前列で見ることが出来ました。いわゆる「イースター・パレード」の終点が大聖堂で、ここでパレード最大のイベントが行われます。ルネッサンス当時の衣装に身を包んだ、鼓笛隊、旗手隊、騎士団などの隊列のあと、牛に引かれた山車(だし)が登場。鼓笛隊の演奏や、旗手によるパフォーマンスやらがあって、大聖堂の中から火縄を咥えた「白鳩」が飛んできて、山車に点火すると、山車は猛烈な煙と大音響の花火に包まれます。そのすさまじいこと。そのあとは、祝福を受けた卵や花が大観衆に与えられイベントは終了。このイベントは「スコッピオ・デル・カッロ(山車の爆発)」と呼ばれるフィレンツエ独特のもので、起源は1096年の第一回十字軍にさかのぼるとされているそうです。


欧州JAZZY紀行(6)     ~ La Dolce Vita ~  _b0102572_17385815.jpg欧州JAZZY紀行(6)     ~ La Dolce Vita ~  _b0102572_17393071.jpg

















パレードの鼓笛隊に、教会こそが西洋音楽のルーツということも強く感じた。

また一方で1900年初期、「ジャンゴ・ライハルト」あたりにルーツをもつ、ヨーロッパ・ジャズの流れ、非アメリカJAZZも、いまや大きな流れとなってJAZZ界に大きく存在している。
ヨーロッパの観光都市では数多くの大道芸人やストリート・ミュージシャンたちがパフォーマンスをくりひろげてくれるが、フィレンツエの広場でも、楽器名は分からないが鍵盤のないピアノのような楽器で、弦をマリンバで使うマレットで叩いて音を出す楽器と、ベース、バンドネオンの、ジプシー系のJAZZトリオが演奏しているのを楽しむことが出来た。

欧州JAZZY紀行(6)     ~ La Dolce Vita ~  _b0102572_2149658.jpg




夜は、ガイドブックに魅かれ、「La Dolce Vita (輝ける時間、輝ける人生という意味か?甘い生活というイタリア映画の原題でもあった)」なるJAZZクラブに行ってみたが、騒々しい10代の若者の溜まり場であったので中に入るまでもなく退散してきました。
ヨーロピアン・ジャズ・トリオのベストアルバムに同名、「La Dolce Vita」があったのを思い出した。「EJT」、ヨーロッパにおけるピアノ・トリオの代表的存在。結成当時からメンバーは変わってはいるが、そのクラシック音楽、ヨーロッパの文化に根ざす流麗華麗なタッチが魅力的なトリオ。数多くアルバムが出ているが、ベスト盤なら本アルバムと「サプリーム ~ザ・ベスト・オブ・EJT~」がお奨め。

ドルチェ・ヴィータ(甘やかな時間)~ザ・ベスト・オブ・EJT~
ヨーロピアン・ジャズ・トリオ / / エムアンドアイカンパニー
スコア選択:


つぎなるオススメは、1999年、ヨーロッパでジャンゴ・ラインハルト賞を受賞した新鋭のトリオ。イタリア出身のイケメン男、「Stefano Bollani Trio」。女性のJAZZ Pianoファンならはまること間違いなし。


黒と褐色の幻想(紙ジャケット仕様)
ステファノ・ボラーニ・トリオ / / ヴィーナスレコード
スコア選択:


ステファノ・ボラーニが愛のメロディを綴るアントニオ・カルロス・ジョビンの作品集。イタリアンジェラードのような甘~い味付けと思うと大違い。なかなか硬派である。

愛の語らい
ステファノ・ボラーニ・トリオ / / ヴィーナスレコード
スコア選択:


「Stefano Bollani Trio - Falando de amor」

          

最後は、イタリアの海坊主こと「Mario Biondi/マリオ・ビオンディ」。ルイ・アームストロングとローン・グリーンを足して2で割ったような独特の声で、R&B、ソウルを歌うが、一度聴くと耳について離れなくなってしまった。しかし、非アメリカ的でイタリア的開放感にあふれる好アルバム。

Handful Of Soul
Mario Biondi & The High Five Quintet / /
ISBN : B000F6IINK
スコア選択:


トスカーナ地方の州都、フィレンツエ。トスカーナ・ワインとパスタとルネッサンス芸術が満喫できた旅でした。今回の旅を触発した映画があります。このトスカーナ地方を舞台にした、ダイアン・レイン主演「トスカーナの休日」。人生の再出発に選んだ地、トスカーナで、米国女性が、習慣の違い、国民性の違いにとまどい、恋に傷つきながらも、トスカーナのゆったりと流れる時間と人々の温かな眼差しの中で、新たな第一歩を踏み出すまでの物語。美しい大自然と陽気でノンビリしたイタリア人気質が観た者をして、旅してみたいと思わせる。祭り、パレード、旗投げの様子も描かれていて興味深い。主人公がトスカーナをツアーで訪れる最初の場面に、フィレンツエの大聖堂(ドオウモ)が出てきます。


トスカーナの休日
ダイアン・レイン / / ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
ISBN : B000BKDRCW
スコア選択:



この旅は、我々夫婦にとって、まさに、「La Dolce Vita (輝ける時間)」であった。
by knakano0311 | 2007-04-19 22:00 | JAZZY紀行 | Comments(0)
<< 我が家の歳時記・桜月編  ~... 旅立ちの季節  >>