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大屋地爵士のJAZZYな生活

住む世界が違う  ~クロスオーバー或いはコラボレーションのススメ~ 

最近TV、新聞で報じられた、もっとも腹立たしいニュースのひとつが、保険会社の不払い問題。不払い額は、生命保険業界の2001~05年度だけに限ってだけでも、調べのついているだけで約44万件、360億円にのぼるという。調べのついていないもの、過去にさかのぼるものも加えれば、さらに規模が膨らむ見通しだという。同じように不払いが相次いで、明らかになっている損害保険業界を加えると1兆円規模になるのではという推測も出ている。これを聴くと、腹立たしさを通り越して、唖然として口がふさがらない。「事があったときに、保険金が支払われる」という、その1点を機能として商品が成り立っている保険。これが、支払われないというのでは、厳しい言い方をすれば、動かない車、映らないTVを売っている様なものではないだろうか。
昔から、「保険は究極の詐欺商品」などと揶揄されてきたが、これでは「」が取れてしまったともいえる。

もう退職したので素直にいえるのだが、過去現役時代に、いろいろの業界の方と話した折、製造業に身をおく私が、強く違和感を覚えた業界があった。「銀行、証券、生保/損保、電力、鉄道」業界などである。いわゆる、規制やお上に守られていた護送船団業界である。
何について違和感を感じたかと言えば、「客、商品、品質、コスト」の捉え方、考え方である。
お客に提供する商品・機能・品質を年々向上させ、長期間にわたりその機能を維持し、お客の得られる価値を向上させていかなければお客さんから見放されるし、他社との競争に負ける」という製造業では常識といえる意識が、長年の規制の下でやってきたため、希薄だったのではないだろうか。コンプライヤンスだとかISO××だとかの話以前の、「お客」をどう観ているかという企業のありようの根本の問題。もっとも、世界の生命保険料の1/4を日本人が支出するという、保険好きの客側にも問題はあるかもしれないが・・・。

業界横並びで、商品機能や価格が決まっていく。ATMなどのコストは業界横並びで、顧客にオンしていく、史上空前の利益を上げても、金利はゼロで顧客には還元されないなど、違和感の根拠はいくらでもあげることが出来る。メーカーの肩を持つわけではないが、新商品開発、品質改良、コストダウン、それも円ではなく銭の単位での血の出るようなコストダウンを、グローバルな競争の中で続けている日本の製造業に働いている人からみれば、「住む世界が違う」としか言いようがない。おりしも、トヨタ自動車が利益2兆円、世界一の自動車メーカーなったという、同じ製造業に身をおいていたものとしては拍手を送りたいニュースが報じられた。

どうしたら「違う世界に住む」ひとたちの価値観を共有化出来るのだろうか?
ひとつには、格差、拝金主義、モラルハザードという副作用を生むかもしれないが、徹底した規制緩和であろう。お客或いは市場によって支持もされ、淘汰もされることは最終的にはお客にとっていい事であろう。二つ目は、人材交流によって違う価値観、世界観を知ることであろう。そんな意味では、最近活発化している違う業界へトップの転職、社外重役の導入、モノとサービスのセット化された商品などは評価されるであろう。

さて、音楽の世界では、「住む世界が違うアーティスト同士が共鳴して、新しい世界を作る」などということは、当たり前で、JAZZでは、アドリブ、インプロヴィゼーションの掛け合いが、それにあたるだろうし、ジャンルの違う世界のアーティスト同士の、コラボレーション、クロスオーバーも頻繁におこなわれている。そんな「コラボレーション」、「クロスオーバー」のタイトルを持つアルバムから。

2004年5月、76歳で亡くなったエルヴィン・ジョーンズは、現在88歳の大御所ハンク・ジョーンズの実弟。本作は、最後の共演作としても知られるラスト・レコーディング『枯葉』『いつか王子様が』の未発表テイクが収められている、グレイト・ジャズ・トリオのドラマーだったエルヴィンへの哀悼盤である。

コラボレーション
ザ・グレイト・ジャズ・トリオ / / Village Music
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50歳を過ぎてまだ第一線でがんばっている、日本の誇るオヤジ・ブルース・ミュージシャン、「柳ジョージ」。彼が、過去のオリジナルをいろいろなアーティストとREMIX。

柳ジョージ CROSSOVER REMIX
オムニバス / / インディペンデントレーベル
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コラボレーション;collaboration
【名-1】協力、協調、共同制作(作品)
【名-2】敵への協力
【解説】動詞 collaborate から派生した名詞。「仕事」という意味のラテン語 labor に、「一緒に」を意味する接頭辞 co- がついてできた。大きく二つの意味があり、ひとつ目は芸術や科学、文学などの分野で使われる、「力を合わせること」「共同による成果・作品」というよい意味。もうひとつは、スパイや兵士、一般市民などが味方を裏切って「敵に協力すること」という悪い意味がある。

クロスオーバー;crossover
【名-1】クロスオーバー、横断歩道、交差、踏み切り、乗り換え、渡り線
【名-2】重なる[重複する]部分
【名-3】いろいろな世界にまたがるもの
【名-4】複数の作品世界にまたがる二次創作

アドリブ;ad lib., ad lib
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ラテン語の「ad libitum」の略で、「自由に」を意味する音楽用語。即興演奏。
演劇、放送などで、出演者が台本にない台詞(せりふ)や演技を即興ではさむこと。また、その台詞など。

即興演奏
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
即興演奏(そっきょうえんそう)は、楽譜などに依らず音楽を、即興で作曲または編曲しながら楽器演奏を行うこと。また、ともに歌を歌うことも含まれる。
アドリブ(ラテン語:ad lib)、インプロヴィゼーション(英語:improvisation)などとも言う。
by knakano0311 | 2007-05-10 22:59 | 音楽的生活 | Comments(0)
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