大屋地爵士のJAZZYな生活

音楽の誕生   ~ボサノバのルーツを知って~

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映画を観ました。タイトルは「This is Bossa Nova(パウロ・チアゴ監督)」。アクションでも恋愛でもホラーでもなく、1950年代後半にブラジルで生まれ、世界中に広がった音楽「ボサノヴァ」の歴史を描いたドキュメンタリー映画。現在も活躍し、最近この映画のプロモーションのために来日した巨匠カルロス・リラとホベルト・メネスカルが発祥の地、リオ・デ・ジャネイロを訪れ、ボサノヴァ誕生当時のエピソードや魅力を語り、その歴史をたどる映画である。カルロス・リラとホベルト・メネスカルが誕生に関わるエピソードや曲が出来たいきさつなどを語り、実際その曲を演奏したり、立役者となったミュージシャンたちの映像が流れ、全編をとおし、ボサノヴァの名曲の数々が心地よく、ファンにはたまらない映画だ。

1950年代の終わり、当時の重い暗いブラジル音楽の枠から逃れようと、自由な音楽を希求するギター好きの学生たちが、今まで聴いたことのない、JAZZに影響を受けた新しいコード(和音)を耳にするところから始まる。その新鮮なコードとコード進行、軽やかなリズムによる新しい音楽は瞬く間にリオの若者の間に広がっていき、ミューズ「ナラ・レオン」のアパートに集まるようになっていく。ボサノバという言葉は、リオの学生ホールで初めてボサノバのコンサートが開催され、出演者の名前の分からない主催者が「ボサノバ/新傾向」という出演者名をつけたところに由来するという。やがて天才的なシンガーソングライター「アントニオ・カルロス・ジョビン」があらわれ、ブラジルを代表する詩人で外交官の「ヴィニシウス・ヂ・モライス」と出会い、二人は美しいものを愛する最高のパートナーとなり、ここにボサノバが決定的に完成される。ジョビンの息子パウロが語り、奏でる父の想い出のシーンは感動的である。

ディス・イズ・ボサノヴァ [DVD]

ビクターエンタテインメント



This is BOSSA NOVA

サントラ / ビクターエンタテインメント



予告編を ・・・。 「This is Bossa Nova (Coisa Mais Linda - História e Casos da Bossa Nova) 」

          


あのささやくような歌い方の特長も、ナラのアパートの隣人からの苦情でどんどん声を落としていき、あのような「ウィスパー・ボイス」スタイルになったというからおどろく。ジョビンは多分ビートルズに匹敵するくらいの影響を世界中の音楽に与えた。「イパネマの娘」はカバーされた回数は世界一かもしれない。 やがて、「ジョアン・ジルベルト」が登場し、あのギターと声が一体となった独特の彼の小宇宙が形作られる。

「ボサノバはJAZZではない。サンバだ。」と創始者たちは言う。確かに「サウダージ(郷愁)」がボサノバの根底を支えていると魂だとしたら、まさしくそれはサンバをルーツとする音楽に違いないであろう。この映画、東京と大阪しか上映予定がないらしいが、全編心地よいボサノバにより体中の血がブラジル化したような気になる、その音楽のルーツと歴史を知るうえでもボサノバ・ファン必見の映画。

「ボサノバの父」称される、ジョビンの初期の代表曲を自ら演奏した傑作アルバム。

イパネマの娘
アントニオ・カルロス・ジョビン / / ユニバーサルクラシック
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映画でも描かれているが、ボサノバ創世期の若い音楽家の間でまさしく「ミューズ」であった「ナラ・レオン」。その後、軍事政権となったブラジル政府批判を繰り返した彼女はボサノバと決別して、パリへ亡命。しかし、自身の出自と向き合いボサノバとの和解を決意し、1971年、堰を切ったように全編ボサノバの本アルバム「Dezanos Depois(美しきボサノバのミューズ)」を録音する。シンプルなギターの伴奏で、ボサノバの定番をうたう。陰影に富んだ、深みのある歌唱。その歌声はいま聴いても瑞々しさを失わず、心に染みる。多分女性BOSSAファンにオススメするのにこのアルバム以上のものが見当たらないくらいの名盤。モノクロのジャケット、雨のパリだろうか? 47歳の若さで夭折したミューズ。

美しきボサノヴァのミューズ
ナラ・レオン / ユニバーサルインターナショナル
ISBN : B0000677LE
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独自の「ボサノバ小宇宙」を作り上げたジョアン・ジルベルト。アストラッド・ジルベルトのかっての旦那でもあり、ベベウ・ジルベルトの父でもあり、「ボサノバの法王」と称されている。その小宇宙を最もシンプルに、プリミティヴに感じさせるアルバム、「ジョアン 声とギター」。

JOAO VOZ E VIOLAO
Joao Gilberto / / Universal
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「ボサノバ」という言葉はまだ私は知らなかったが、高校時代にみて魅了された映画「黒いオルフェ」。ギリシャ神話のオルフェウス伝説を基にしたブラジルの詩人「ヴィニシウス・デ・モラエス」の戯曲を、マルセル・カミュ監督がリオ・デ・ジャネイロに舞台を置き換えて描いた映画。市電の運転手オルフェと美少女ユリディスとの運命的な恋を、リオのカーニバルの熱気と印象的なボサノバをバックに描いた悲劇のドラマ。ジョビンと作曲家で名ギタリストのルイス・ボンファとが音楽監督を手がけ、カンヌ国際映画際グランプリ受賞作品。「カーニバルの朝」、「オルフェのサンバ」、「フェリシダージ」は今でも多くのアーティストにカバーされている色あせない名曲。

黒いオルフェ(ポルトガル語版)
/ アイ・ヴィ・シー
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この映画「This is Bossa Nova」の原題は「Coisa Mais Linda/最も美しいもの」。
ジョビン、モライス、ボスコリ、ナラ、パウエル、エリス・レジーナ、シルヴィア・テリス・・・・みんな鬼籍に入ってしまった。
今はもう、ブラジルではボサノバを聴く人は、めっきり少なくなってしまったとホベルト・メネスカルは嘆く。
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by knakano0311 | 2007-08-30 16:18 | サウダージ | Trackback(1) | Comments(0)
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