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大屋地爵士のJAZZYな生活

持病がまた出た・・・・・

大分前のブログでも書いたように、私には音楽的持病があります。それは、「女性ボーカル特定曲衝動買い症候群」です。「Close Your Eyes」、「I’ll Wait For You」、「I’m A Fool To Want You」、「Windmills Of Your Mind」・・・などが、私がその症候群に冒されている代表的なウィルス感染曲のいくつかですが、その中に「Comes Love」という強い感染力を持った曲があります。この曲が収録されていれば、歌手が誰であろうとお構い無しに、すかさずCDを買ってしまうという症状が表われます。(レコード会社には内緒ですよ・・・・)
「Stacey Kent」でこの曲に感染して以来、「ティアニー・サットン」、「ジャネット・サイデル」、「コニー・エヴィングソン」と「発症」を繰り返し、いまだに一向に治る気配がありません。

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先日、その症候群が再発しました。CDショップをぶらついていたとき、偶然眼に入ってしまったのです。たちまち、発症してしまったのです。イタリアの女性ボーカルで、ズバリ、「Alice Ricciardi/Comes Love」というアルバム。のっけの1曲目から「Comes Love」が入っているではありませんか。あっという間に感染して衝動買い、早速家へ帰って聴きました。

この「Comes Love」、5/4拍子という、かって「デイヴ・ブルーベック/Take Five」で一躍有名になった変拍子で歌われる。この拍子でベースとのデュオで始まるアレンジが、極めて新鮮でいい。声は、聞いた瞬間「ああ、ジャズ声!」とわかる、わずかにかすれるパンチの効いた声で、たまらない。
スウィンギーな曲中心のアルバムではあるが、M5「I’m Gonna Laugh You Right Out Of My Life」のようなバラードでも、しっとりと安定した歌唱力をみせる。

彼女を、サポートする若手のイタリア・ジャズマンたちも小粋で、スインギーで、熱気あふれる好プレイを展開しているのも心地よい。さらに、このブログでもとりあげたイケメン・トランペッター、ファブリッツィオ・ボッソ(「いにしえのトランペッター ~夏が来れば思い出す・・ ~」参照)がスペシャル・ゲストとして2曲参加(M5,M12)している事も注目です。

HMVデータのデータによれば、「Alice Ricciardi」は1975年イタリア・ミラノ出身のシンガー。プッチーニなどを輩出したジュゼッペ・ヴェルディ音楽院に入り、バイオリンとピアノを学び、1995~1999年の間ミラノ国際音楽アカデミーにて、一足先にJAZZシンガー・デビューを果たしている「Roberta Gambarini」(拙稿「Cool Biz ~定年考 続き」参照)、などと共にヴォーカルの勉強もスタートさせたという。2002年にはフランスにて、ヨーロッパでは名の知れた学位F.N.E.I.J.(ジャズとモダン・ミュージックの指導者としてヨーロッパ中で教えることができる免許)を取得。2005年にはインターナショナル・モントルー・ジャズ・フェスティバル・ヴォーカル・コンペにて2位に入賞。そして2006年ニューヨークで行われたIAJE(国際ジャズ教育者協会)に招待されリンカーン・センター DIZZY'S CLUBにてパフォーマンス。その後N.Yで様々なアーティストと共演するチャンスを得ることでたくさんの経験を積み、満を持してのCDデビューとなったらしい。

本作はItalyのEMIブルーノートよりリリースされた彼女のデビュー作品。発症して大満足の1枚。先述の「Roberta Gambarini」とならんで、これから活躍が期待されるイタリアン・JAZZ・バンビーノだろう。

カムズ・ラヴ

アリーチェ・リチャルディ / EMIミュージック・ジャパン



「Alice Ricciardi - Comes Love」

          
by knakano0311 | 2008-02-23 11:30 | ミューズたちの歌声 | Comments(0)
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