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大屋地爵士のJAZZYな生活

我が家の歳時記  ~ 梅の香、潮の香 ~

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小雨模様でしたが、この機会を逃したら、多分雨で散ってしまうと思われる梅の花を観に、播磨灘へドライブ。行く先は、「播州・綾部山梅林」。兵庫県たつの市御津町黒崎の海に面した24ヘクタールの丘陵の斜面を彩る、十数種・約2万本の梅の花。白、ピンク、薄紅色、小梅、八重梅が満開で、ほんのりとした甘い香りが潮の香りとともに一杯でその見事なこと。いくつもの梅林を見たが、この梅林に匹敵する見事なものは見たことがない。さすが、「ひとめ2万本」、西日本随一の梅の里と称されるのも納得がいく。

観梅期は紅梅の開花とともに始まり、やがて山全体が紅白の梅の花で埋めつくされて、「ひとめ2万本」といわれる見事な盛りを迎え、今がその最盛期。あいにくの雨混じりであったが、菜の花の黄色との鮮やかなコントラスト、中国から職人を呼んで建てたという中国風の建物との調和、小雨に煙る風景、一幅の南画を見る想いであった。

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そして、古来から天然の良港として知られている室津へ。「播磨風土記」によると、「風を防ぐこと室のごとし」なので「室津」と名づけたとあるそうだ。三方をを山で囲まれた港はいまも、当時の面影をわずかに、しのぶことができる。

パンフレットによると、奈良時代の高僧、行基は摂津と播磨の両国のなかで海上交通の良港として五つの港を定めたと言う。いわゆる摂播五泊である。東より、河尻(尼崎)、大輪田(兵庫)、魚住(明石) 、韓(的形)、室津の五泊であるが、これ以後、瀬戸内の海の駅として室津は栄え、そして、歌人などに詠まれ、その名を全国に知られていくのである。万葉集に「山部赤人」の詠った有名な歌がある。「山部赤人」が室津沖の「辛荷島を通ずる時」に作った歌である。

    玉藻刈る辛荷の島に島廻する
          鵜にしもあれや家思はざらむ

この歌は、危険かつ緊張をともなう当時の船旅の途上で、わが家を思いつつ詠んだ旅愁の歌で、難波津を旅立ち、この島の名前(辛荷島)が、歌人・赤人に家を離れた辛い気持ちを喚起させたらしい。

万葉集の歌碑がたつ万葉の岬、金ヶ崎。そのこじんまりとしたホテルのラウンジで、小雨に煙る播磨灘をみながら、ゆっくりとCoffeeを飲む。穏やかな、ゆったりと過ぎる時間に身をまかす贅沢。そして今ひとつの贅沢は、昼食のあなご丼と、土産にもとめた、この時期だけが旬の「炭屋」の「いかなごのくぎ煮」と室津の「牡蠣」。


お供のCDは、かってANAの機内で買い求めた特製のCD、ANA Slow Music Styleシリーズの「Urban And Resort」、「Sunshine Breeze」であるが、残念ながらAmazonにもHMVにもデータがなさそう。そのリリース元の「aosis records」は、良質なフージョン、Jazzyな音楽を提供することで知られているので、そのなかから同傾向のアルバムをおすすめしておこう。

HPの宣伝コピーから・・・・・。
「良い音楽ほど見えてくる光景は、より鮮明なものとなる。音楽は、ハートを一時のツアーに連れて行ってくれる“心の旅”である。このコンピレーションに収録されている楽曲は、美しいメロディー、シンプルなサウンド、心地の良いビート、そして耳に優しい歌声や楽器の音色。どれも上質で贅沢な音によって作られている、珠玉の逸品とも言える楽曲ばかり。」

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ANA Selection #1
by knakano0311 | 2008-03-19 23:21 | 我が家の歳時記 | Comments(0)
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