人気ブログランキング | 話題のタグを見る

大屋地爵士のJAZZYな生活

もしもピアノが弾けたなら(4)   ~ イタリア式恋愛術(1) ~

もしもピアノが弾けたなら(4)   ~ イタリア式恋愛術(1) ~_b0102572_1881484.jpg
(フィレンツエの丘からの眺め)

イタリアでピアノが発明されたから、今年で丁度300周年なんだそうだ。それを記念して、「もしもピアノが弾けたなら ~JAZZピアノの旅」を、まずは、北欧JAZZについで今日本で熱いといわれているイタリアン・ジャズ、イタリアン・ジェラードよりも、あまいかも知れないイタリアン・ジャズから始めようと思う。

かって映画少年だった頃、早熟にも恋愛映画は、イタリア映画かフランス映画だと決めていた。意味もよく分かっていないのに、「フェデリコ・フェリーニ」の「甘い生活」や、主演のマストロヤンニなどについて、浅薄な能書きをたれていたようにも思う。たぶん退廃の真の意味などまるでわかっていなかったのに。しかし、アニタ・エクバーグのあの圧倒されるグラマラスな肢体と、有名なトレビの泉のシーンは克明に覚えている。「刑事」、「二人の女」、「鉄道員」、「山猫」、「イタリア式離婚協奏曲」、「ひまわり」・・・・・あまたのイタリア映画に人生を教えてもらったような気がする。そのイタリア映画にオマージュとして捧げたピアノ・トリオのアルバムがある。

「アンドレア・パガーニ・トリオ Andrea Pagani Trio/イタリア物語」。
イタリア・ローマ生まれ。我が国でも今注目のジャズ・ピアニストのひとりで、現在35歳。『イタリア物語』は、おなじみの名画『甘い生活」』『ゴッドファーザー』『海の上のピアニスト』~『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』『刑事』『旅情』からのナンバーを中心に12曲を収録。彼のイタリア(人)映画に寄せる想いが溢れた素晴らしい演奏を聞かせてくれる。ジャズ・アレンジを施したイタリア国歌「イタリアン・ブラザーズ(Fratelli D'Italia)」の史上初演奏も注目。甘くて華麗な演奏は、かって見たイタリア映画の名場面とイタリアで見た数々の名所旧跡を偲ばせる。

イタリア物語

アンドレア・パガーニ・トリオ / ポニーキャニオン



私が知ったかぶりをして能書きをたれていた映画「甘い生活」の原題は、「La Dolce Vita」、フィレンツエに同名のJAZZクラブがあるというので訪ねてみたが、若者がたむろし、ただうるさいだけのクラブで、早々に退散した。

甘い生活 デジタルニューマスター版
/ 東北新社
ISBN : B0009J8KAO
スコア選択:



もしもピアノが弾けたなら(4)   ~ イタリア式恋愛術(1) ~_b0102572_071614.jpg

さて、本題に入りましょう。モテモテのイタリア男のアルバムから、サブタイトル「イタリア式恋愛術」にふさわしい恋・愛をテーマにしたアルバムを選んで見ました。
ヨーロッパ期待のイケメン・ピアニスト、現在35歳の「ステファノ・ボラーニ/stefano bollani」。2002年10月に発売されるやいなや話題となったのが、日本デビュー盤「ヴォラーレ」。それに続くヴィーナスレコード第5弾のアルバムが、「恋の気分で」で、スタンダード曲を中心に構成。1999年にジャンゴ・ラインハルト賞を受賞したというだけあって、そのイケメンぶりだけではなく、十分な実力も備え、ヨーロッパでは相当な人気を集めているという。演奏は、2曲目「Cheek To Cheek」に代表されるように、スインギーなリズムの流れの中で奔放ともいえる自由自在なアドリブを展開する。一転3曲目の表題曲「I’m In The Mood For Love」では、かわいらしく弾むような、甘くて小粋なピアノを聴かせる。

恋の気分で

ステファノ・ボラーニ・トリオ / ヴィーナス・レコード



そして、彼のイケメン振りを確かめたければ、第2弾のアルバム「黒と褐色の幻想」のジャケットを見てください。第1弾「ヴォラーレ」がイタリアン・ソングを集めたのに対し、アメリカン・スタンダード中心のアルバムであるが、そこにたぎるラテンの情熱は隠しようがない。

黒と褐色の幻想(紙ジャケット仕様)
ステファノ・ボラーニ・トリオ / / ヴィーナスレコード
スコア選択:


「Stefano Bollani Trio - La Ultima Noche」

          


もともと歌手になることを夢見てピアノを始めたというステファノ・ボラーニ自身が「口説き歌?」を歌っているアルバムがあります。「けれど恋は」。「ヒアズ・トウ・ライフ」、「アリベデルチ」や「ほほにかかる涙」など、カンツォーネやポピュラー・ソングを中心にした選曲で、低音でささやくように、告白するかのように弾き語る、まさにこれは「口説き歌」。しかしこのモテモテ男、いろいろやりますねえ!歌手を志したというだけあって、お遊びではなく、新しいスタイルのジャズ・ヴォーカル・アルバムになっているのが憎たらしい。「JAZZピアノ、男性ボーカル、イケメン」の3点セットで女性ファンへおすすめのアルバム。

けれど恋は

ステファノ・ボラーニ・トリオ / ヴィーナスレコード




次は帯にいわく、「イタリアンジャズピアノの巨匠、イントロの魔術師、本邦デビュー・アルバム」。「レナート・セラーニ・トリオ、Renato Sellani Trio/マイ・フーリッシュ・ハート」。
ちょっと危ないジャケットに包まれたこのアルバム、「ベサメ・ムーチョ」、「マイ・フーリッシュ・ハート」、「ソー・イン・ラブ」、「星影のステラ」、「マイ・ファニー・バレンタイン」など曲名を聴いただけで口の中が甘くなるようなスタンダード集。しかし帯に言うだけあってそのイントロはどれも凝ったアレンジである。「レナート・セラーニ」は1927年1月生まれの81歳のご長寿ピアニスト。その爺さんがこんな甘い流麗なピアノを弾くとは、さすがイタリア男は侮れませんね。

マイ・フーリッシュ・ハート

レナート・セラーニ・トリオ / ヴィーナス・レコード



「Renato Sellani Trio - So In Love ~ I Love You」

          


「トスカーナの休日」とならんで、我々夫婦をフィレンツエへの旅へと誘ったもう一つの映画は「眺めのいい部屋」であった。
20世紀初頭、まだ封建的思想の色濃いイギリスの上流階級の令嬢が、フィレンツェ旅行に赴いた際、情熱的な青年と恋に落ちていく。しかし帰国後、彼女は名門の紳士と婚約するはめになり…。恋に揺れる女性の心理状況が、美しい映像で繊細に描かれた佳品。きっとイタリアには人を恋に駆り立てる何かがあるのでしょう・・。

眺めのいい部屋 <完全版>
/ ハピネット・ピクチャーズ
ISBN : B00009PN1D
スコア選択:
by knakano0311 | 2008-04-24 17:03 | もしもピアノが弾けたなら | Comments(0)
<< もしもピアノが弾けたなら(5)... 我が家の歳時記 ~ 武田尾の山桜 ~ >>