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大屋地爵士のJAZZYな生活

60歳過ぎたら聴きたい歌(24)  ~ 今あなたにうたいたい ~

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(写真はハーレムにあるアポロ・シアター 同HPより)

先日、NHK-BS2で「和田アキ子」のアポロ劇場での40周年リサイタルの模様を放映していた。アポロおよび、そこで和田アキ子がリサイタルをすることについては、以前のブログで書いたことがある。(「もしもピアノが弾けたなら(7) ~マンハッタンの哀愁(2)~」参照)

ソウル・ミュージックの総本山、R&Bの殿堂、BB・キング、レイ・チャールス、スティービー・ワンダー、オーティス・レディングなどあまたのソウル・ミュージックのスター達を輩出し、またリサイタルを行った伝説のシアター。

2008年9月29日、ニューヨーク、ハーレム、アポロ・シアター。いくつかのヒット曲のメドレーで幕が上がったアポロ・シアター・リサイタル。「サム&デイヴ」の「サム・ムーア」や、かって麻薬中毒者であったが、歌のチカラによってすくわれたロジャー牧師が率いる、ゴスペル聖歌隊「ブロンクス・マス・クワイヤー」をゲストに迎え、かなりソウルフルなアレンジを加えた自らのヒット曲を、これまた、これなら本場でも十分通用すると思われるソウルフルな演奏をバックに歌いまくる。

そして、彼女の歌手人生の中で、影響を受けたちょっといい話のエピソードを歌で綴る。「愛の讃歌」の「越路吹雪」からは歌に対する姿勢や心構えについて影響をうけ、「阿久悠」からは「あの鐘を鳴らすのはあなた」の「あなた」の意味について教えられた。そして30周年リサイタルの時の彼女が最も敬愛するゲスト、「レイ・チャールス」と40周年も一緒に歌うと約束したが、その約束を果たせなかった。今、アポロのステージで「ジョージア・オン・マイ・マインド」を歌う。バックのスクリーンには30周年のとき、この歌を一緒に歌ったレイと和田の映像が映し出される。

歌手にとっての「幸せ」とは、「賞をもらうことでもなく、ランキングに入ることでもなく、スターと呼ばれることでもない。お客さんが歌を聴きに来てくれる、そのことだ。」と語りかけ、そして、最後の曲は「今あなたにうたいたい」。歌い終わったあと舞台の袖で泣き崩れる和田。そこにはTVでみるイメージとはまったく違う「歌手・和田アキ子」がいた。

1950年生まれの58歳。我々と同世代といっていい彼女。JAZZというカテゴリーとは違うので、私とは接点があまり無かったが、年輪を重ねた本物の歌手がうたうこの歌は心を揺さぶる。
和田とほぼ同時期の歌手デビューであり、おなじく歌手生活40年を重ねる人生の先達、加藤登紀子の作詞・作曲で1988年の作品。「和田アキ子に捧げる歌」の副題がついているのも、何かいわれがありそうで興味を引く。

もう若くも美しくもない場末の酒場歌手。この手で掴みたかったステージの栄光は、もうかなわぬ過去の夢。でも、歌を捨てることはできない。歌うことをやめることはできない。歌うことは生きていることの証だから・・・・・。

「今あなたにうたいたい ~和田アキ子に捧げる歌~」  作詞作曲;加藤登紀子

歌詞はこちら。

この歌は、彼女のいくつかのベスト盤に収録されています。そして、たしか数年まえの「NHK紅白歌合戦」のトリでこの歌を感動的に歌った記憶があります。 

THE BALLADS バラード全曲集
和田アキ子 / ダブリューイーエー・ジャパン


「和田アキ子 - 今あなたにうたいたい」

          

by knakano0311 | 2008-12-08 23:02 | 60歳過ぎたら聴きたい歌 | Comments(0)
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