大屋地爵士のJAZZYな生活

2007年 11月 29日 ( 1 )

欧州JAZZY紀行(9) ~ バルセロナの風に誘われアート三昧 ~

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上;サグラダ・ファミリア聖堂
下;街角のピカソの壁画



かねてから観たかったDVDを観ていたら、その映画の舞台はスペイン、バルセロナであった。ヒロインが「バルセロナ」を訪れる場面に「サグラダ・ファミリア聖堂」の夜景が登場し、あの明るい陽気な街を思い出しましたので久しぶりの「欧州JAZZY紀行」です。スペインはカタロニア地方の中心都市「バルセロナ」へは仕事で一度、妻との観光で一度と二度ほど訪れていますが、いずれも「アート三昧」を満喫した旅でした。このJAZZY紀行を旅行ガイド風に綴って見ましょう。

まずは「ガウディ」。1882年に着工し、未だに建築が続いている「サグラダ・ファミリア聖堂」を最も有名とする「アントニ・ガウディ」の建築作品が町中にあふれています。「グエル邸」、「サンタ・テレサ学院」、「フィゲーラス邸」、「グエル公園」、「カサ・パトリョ」、「カサ・ミラ」など。 螺旋を多用したフォルム、鮮やかで自由な色彩に満ちたタイル、放物線に基礎をおく建築構造。彼ほどその建築意匠が、独創的かつ秘密に満ちた建築家はいないという。そのため後世、様々な解釈がなされてきたが、自然主義と幾何学主義との調和が原点にあるといわれる。一見奇怪なフォルムを持つその意匠に、私は「宮崎駿」、晩年の「手塚治虫」のアニメ作品に通ずる自然への回帰・共感を感じた。ガウディはこの二人に何らかの影響をおよぼしたのではないだろうか?

そして15世紀の貴族の邸宅を改造した「ピカソ美術館」。油彩、素描、版画、陶器など系統だって展示され、彼の作風の変遷を知ることができる。ピカソ・ファンだったら見逃せない美術館に違いない。19世紀の世紀末のこの時期、ピカソを含め、芸術家の溜まり場だった有名なレストラン「四匹の猫 クアトロ・ガッツ」。この店のために、ピカソは看板、メニューポスターなどのデザインをしたり、店の風景の絵を多く残している。この店は一度閉店したが、再開され、現在も当時の雰囲気の中で食事が出来る。そして1904年、23歳、ピカソは、パリに旅立っていった。冒頭の写真にあるように町並みを彼の壁画が飾っている。

色彩の魔術師「ジョアン・ミロ」。「ミロ美術館」は、バルセロナ市街を一望の下に見下ろすモンジイックの丘の上に建っている。ミロが愛した地中海の海の青と明るい太陽、ユーモアと色彩に満ちた作品1万点を収蔵している。また市内のミロ公園では「鳥と女」という巨大なオブジェを見ることが出来る。バルセロナは「ミロ」の色彩が一番よく似合う街のような気がする。

これらの建物、美術館は、ほかの名所旧跡とあわせ、市内を循環するツーリストバスで巡るのが便利。山側を廻る赤ルート、海側を廻る青ルートがあり、2階建てのオープンバスで風を爽快に受けながら、見晴らしも抜群。好きな停留所で何回も乗り降り可能なのでとても便利。

ちょっと、列車で1時間半ほど東へ足を延ばせば、「フィゲラス」に「ダリ美術館」がある。「サルバドール・ダリ」の生まれ故郷で「ダリ」自身による設計。その作品群の奇抜さもさることながら、真っ赤な外壁と白い卵のオブジェという美術館の概観の奇抜さにも驚かされる。しかしながら、収蔵展示されている数多くの超細密なスケッチ、デッサンを見るとあの「シュールレアリスム」のベースは、その素晴らしいデッサン力に支えられていることがよく分かる。絵だけでなく彫刻、オブジェ、ホログラフィなども展示されており、ダリの仕掛けた罠にはまりながら、不思議の世界に遊ぶ一日も楽しい。

そして、ナイトライフといえば、まず「フラメンコ」。本場はアンダルシア地方であるが、観光客のために質の高い踊りをみせる「タブラオ(フラメンコ専門のレストラン)」がいくつかある。コルドベスが有名であるが、八時過ぎからディナーをして、フラメンコ・ショーをみて店を出れば、11時。ラテンの国のせいか夜の11時、12時からオープンするみせも沢山あるという。食事はこのときばかりはもう、カロリー気にせずにパエリア、リゾット、スパークリング・ワイン「カバ」でしょう。

また、クラシック好きならランブラス通りにある「リセウ劇場」のオペラ。私は勧められて「愛の妙薬」なるオペラを見たが、疲れのためすっかり白河夜船という体たらくであった。
JAZZ好きならカタルーニャ広場すぐ北側の「バルセロナ・ジャズ・クラブ」がオススメ。

情報盛りだくさん、門外漢の私でもアートを楽しめるJAZZY版「バルセロナの歩き方」でした。

「バルセロナ」を思い出させてくれた映画は、スペインの巨匠 ペドロ・アルモドバル監督、「オール・アバウト・マザー」。17歳の息子を交通事故で亡くした、シングルマザーのマヌエラ。彼女は息子の父を探すため、青春時代を過ごしたバルセロナに向かう…。ヒロインを通して女性の母性を描いた、まさに女性賛歌の映画の傑作といえよう。2000年アカデミー外国映画賞受賞作品、1999年カンヌ映画祭最優秀監督賞受賞作品。


オール・アバウト・マイ・マザー
/ アミューズ・ビデオ
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そして、JAZZから2アルバム。ヨーロピアン・ジャズ・トリオの「バルセロナの炎」と気鋭の日本人ギタリスト、増尾好秋「バルセロナの風」。いずれも降り注ぐ太陽の光と地中海からの陽気な風を感じることの出来るオススメのアルバム。

バルセロナの炎

ヨーロピアン・ジャズ・トリオ / ポニーキャニオン



バルセロナの風(紙ジャケット仕様)

増尾好秋 / ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル



「European Jazz Trio - Barcelona's Flame」

         

そして、カタロニアが生んだ、伝説のチェリスト、「パブロ・カザルス/鳥の歌」。国連でのライブも有名であるが、ここではホワイトハウスでのライブ盤をオススメ。カタロニア出身のカザルスは,故国スペインがフランコ独裁政権の支配下に入って以降,二度と故国の土を踏まず,またフランコ政権を承認する国では絶対に演奏会を開かないという信条を曲げなかった。その心情が故、1938年以来アメリカ国内の公開演奏を行なっていなかったカザルス。その彼が、ケネディ大統領の招きでホワイトハウスで演奏した感動の歴史的ライヴである。
冷戦下の緊張が極限まで高まる中、ケネディの招きを受けたカザルスは,世界平和の実現の祈りを込めて,その招きに応じたのである。ここに不滅の名演が生まれた。


鳥の歌~ホワイトハウス・コンサート
カザルス(パブロ) / / ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル
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バルセロナを舞台にした小説、カルロス・ルイス サフォン 著「風の影」。世界37カ国で500万部突破のベストセラー。1945年のバルセロナ。霧深い夏の朝、ダニエル少年は父親に連れて行かれた「忘れられた本の墓場」で偶然出遭った『風の影』に深く感動する。謎の作家フリアン・カラックスの隠された過去の探求は、内戦に傷ついた都市の記憶を甦らせるとともに、愛と憎悪に満ちた物語の中で少年の精神を成長させる…。随所にバルセロナの店や地名が出てくるのでいったことのある人ならそのことでも楽しめる。

風の影〈上〉 (集英社文庫)
カルロス・ルイス サフォン / / 集英社
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by knakano0311 | 2007-11-29 23:28 | JAZZY紀行 | Trackback | Comments(0)