大屋地爵士のJAZZYな生活

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我が心のミューズたち(1)  ジャネット・サイデル 

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先日の昼休み、普段は入ることのないCDショップにたまたま入ったら、そこの中古CDコーナーに「ジャネット・サイデル/Don’t Smoke In Bed」があるではないか。もちろん直ちに購入したのは言うまでもない。このアルバムは2002年彼女の日本デビュー盤である。Amazonにも在庫がなくて、探していたアルバム。「ペギー・リー、ドリス・ディ、ブロッサム・ディアリー」へのトリビュート3部作のうち、ペギー・リー・トリビュート。まっ、「はやく本命の特集をしろ」と誰かが催促しているような気がして、とりあえず大本命から始めた次第。私には「我が心のミューズ」と称する大すきな女性歌手が4人いる。ジャネット・サイデル、ステイシー・ケント、ダイアナ・クラール、カッサンドラ・ウィルソンである。一人づつ語っていこうか。

ジャネットのファンは、たいてい寺嶋靖国氏の推薦でなった人がほとんどであろうが、私もそうである。オーストラリアのシドニーのホテルで歌っていた彼女が日本でデビューし、じわっとファンが増えて行った過程には様々な物語があったであろう。とにもかくにも、彼女の存在を知らしめてくれた寺嶋氏には感謝。私のよく行く隠れ家、北新地の「ヌーヴォー」にも来たことがあるというから、驚き。寺嶋氏のコンピ・アルバム「JAZZ Bar シリーズ」を除くと9枚のアルバムが日本で、発売されている。

かの、矢沢永吉氏いわく、「これまでは作り手の俺自身が酔っていた。でも今は、リスナーを酔わせてやろうって思う。長く音楽をやってきて、やっとそこに行き着いたわけよ。」この境地に既にジャネットは達している。だから聴いていて自然になれるし、芯から心地よい。

「コール・ポーターと私~スウィーテスト・ライブ」のライナーノーツを再掲する。
『ジャネット・サイデルは、「アート・オブ・ラウンジ」というシリーズを出しているように、ラウンジ音楽の芸術家だ。ラウンジというところは大勢の人が集まるところ、そういう人たちを心地よくさせ、耳を傾けてもらう音楽の芸術家とでも言うのだろうか。彼女の甘く、優しく、人を包み込むような温かみのある声、歌詞を良く研究して、それをベストなやり方で聞き手に伝える、落ち着きのあるリラクシングな歌、その中で光るジャズ・スピリット、選曲の良さ、といったものが彼女の魅力を形づくっているのだろう。』
やはり、「アート・オブ・ラウンジ 1~3」シリーズが彼女を知る上で一番良いアルバムであろう。
大好きな1の「カムズ・ラブ」をはじめ、聴きたい歌、聞かせたい歌が満載。寺嶋氏ご推薦の「マイアミ・ビーチ・ルンバ」は3で聴ける。歌を聴く喜びとはまさにこのこと。

スウィーテスト・サウンド~アート・オブ・ラウンジ vol.1&2
ジャネット・サイデル / インディペンデントレーベル
ISBN : B000228VNE
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アート・オブ・ラウンジ~マイアミ・ビーチ・ルンバ
ジャネット・サイデル / インディペンデントレーベル
ISBN : B0000DG46N
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私が、高校生の頃に酔いしれた歌、西部劇「大砂塵」の挿入歌、「ジョニー・ギター」は、「Don’t Smoke In Bed」で聴けます。まさしく「リラックス」「メロウ」「ムーディ」「ジェントル」「スイート」とは彼女の歌のためにあることば。なぜか彼女の生写真をジャケットでみられるのはこのアルバムと「ドリス&ミー」だけ。

ベッドで煙草はよくないわ~ペギー・リー・トリビュート
ジャネット・サイデル / 徳間ジャパンコミュニケーションズ
ISBN : B000068P75
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それにしても、「ヌーヴォー」で会えなかったのは実に残念!!


「Janet Seidel - Sentimental Journey」


          
 
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by knakano0311 | 2006-08-29 21:20 | ミューズたちの歌声 | Trackback(1) | Comments(1)

ギターの響き、心の響き 

小学校の音楽の授業で習った笛、ハーモニカを除くと、私が始めて手にした楽器は、ギターであった。いまでこそ情操教育とやらで、子供たちがピアノなど数多い楽器に触れる機会が多いが、私の子供時代はオルガンが定番、小学校のピアノを買う足しにするため、全校生徒が総出でイナゴ取りをしたこともあった。イナゴをどうするかって?信州の名産イナゴの佃煮の業者に売るんですよ。故郷「松本」は鈴木鎮一という方が、「才能教育研究会」という幼児音楽教育を提唱した地でもあって、当時(昭和30年代)でも、結構子供にピアノやらバイオリンを習わせる親は多かったように思う。そんな子供たちを多少うらやましくも、横目で睨んでいたが、とにかく、高校時代にギターを買ってもらった時は本当にうれしかったなあ。

そんなんで、ギターには、やや思い入れが強いわけであるが、そもそもギターはなぜあれほど世界中の若者に普及したのであろうか?元来ギターはクラシックは言うまでもなく、ピアノと並んであらゆるジャンルの音楽で主要な楽器であったが、ロックンロールを皮切りにフォーク、ロックと若者の間に広がっていった。(リズム楽器からソロ楽器へ変わっていくあたりは映画「Back To The Future」に、ロックギターの系譜は「School Of Rock」によく描かれている。) その理由はいくつかあるだろうが、私は「ギターはファッション性モバイル楽器」であることが最大の理由だと思う。それは、携帯電話、ウォークマン、i-POD、モバイル-PCなどに共通するコンセプトであったとおもう。

私の好みのオススメのアルバム。最初は、「JAZZギタリスト/アル・ディ・メオラ」、「フージョンギタリスト/ジョン・マクラフリン」、「フラメンコギタリスト/パコ・デ・ルシア」という名人3人が、1980年12月5日、サンフランシスコで繰り広げた伝説的ライブ。ギター好きなら「総毛立つ」、「鳥肌がたつ」、こんな表現がぴったりのすさまじいギターバトル。1曲目、メオラ作品の「地中海の舞踏」、切れ目無しに続く、パコの作品「広い河」。なんという迫力、なんというエモーショナルなプレイ。「凄い、聴いてくれ」としか表現のしようがない。

フライデイ・ナイト・イン・サンフランシスコ~スーパー・ギター・トリオ・ライヴ!
ジョン・マクラフリン,パコ・デ・ルシア アル・ディ・メオラ / ソニーミュージックエンタテインメント
ISBN : B00005HUYC
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オランダが生んだジプシー・ジャズ・ギターの実力者、「ローゼンバーグ・トリオ」。今、ヨーロッパで凄い人気らしく、ジャンゴ・ラインハルト直系のギター・トリオといわれている。何しろギター・テクが抜群に凄く、テンポの早いジャズ・ナンバーも鮮やかに、軽々と弾きこなす。
最初のアルバムは、あの「アン・バートン」との共演で知られる、オランダを代表するJazzピアニスト、ルイス・ヴァン・ダイクとの異色共演盤の「ライブ」。私のオススメは、なんといっても、あの「SANTANA」の「Moonflower」。この「Moonflower」は、寺嶋靖国氏監修の「Jazz Bar 2005」でも収録されている名曲。
また、4曲目のメドレー「ブルース・イン・G~いつか王子様が~ブルーゼット」。ギターとピアノの異色共演であるが、まったく違和感は感じさせず、あのリリカル、端正なピアノのヴァン・ダイクがノリノリの演奏である。まさしくヨーロッパでなくては生まれ得なかったアルバムである。

ライヴ
ルイス・ヴァン・ダイク・アンド・ザ・ローゼンベルグ・トリオ / ガッツプロダクション
ISBN : B000A0C7KQ
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トリオのリーダー、「ストーシェロ(ストーケロ)・ローゼンバーグ」のソロアルバムであるが、「ローゼンバーグ・トリオ」と同様、サイド・ギターとベースのトリオによる演奏。やっぱり抜群の速弾きは驚異的。ラインハルトに対する思いを込めての「ジャンゴロジー」、私の好きな「I Will Wait For You/シェルブールの雨傘」がパッショネートにロマンチックに演奏される。


Ready'n Able
Stochelo Rosenberg / Iris Music
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「ラージュ・ルンド」。2005年のセロニアス・モンク・コンペティションで優勝した新人ギタリストの、ラテン・カバーによるデビュー盤。アルバム・タイトルがいい。「Romantic Latino For Ladies」。北欧ノルウェイの出身、28歳。やはり北欧系のミュージシャンだけあって、ギターもリリカル。MJQジョン・ルイス作でジプシー・ジャズ・ギタリスト「ジャンゴ・ライハルト」にささげた名曲「ジャンゴ」も取り上げられている。「おいしい水」などボサノバ3曲も取り上げられているが、いずれも瑞々しいロマンティシズムにあふれた演奏で、「For Ladies」という副題にもふさわしい。今後期待される若手のギタリスト。

ロマンティック・ラティーノ
ラージュ・ルンド・クァルテット / ポニーキャニオン
ISBN : B000FTW9KU
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最後は「ジム・ホール」。いわずと知れた、かっての「デイブ・ブルーベック・カルテット」のギタリストにして、いまや大御所、ジャズ・ギタリスト中のギタリスト。パットメセニー、ジョン・スコフィールドらもジムへの敬愛、彼からこうむった深い影響を口にするという。その人柄は風貌、作品にもよく表れている。本当に好きなギタリストの一人。
1975年にリリースされた「アランフェス協奏曲」はCTIレーベルの全作品中、最大の売り上げを記録したという。多分ジャンルを超えたジャズ以外のファンに支持されたのであろう。

アランフェス協奏曲
ジム・ホール ローランド・ハナ ロン・カーター スティーブ・ガッド チェット・ベイカー ポール・デスモンド / キングレコード
ISBN : B00005F7CP
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スペイン、ラテンに対する彼の想いは、もう1枚のアルバムにも色濃く反映されている。

哀愁のマタドール
ジム・ホール アート・ファーマー トミー・フラナガン ロン・カーター アラン・ガンリー ドーン・トンプソン ジョアン・ラ・バーバラ エロール・ベネット ジェーン・ホール / ユニバーサルクラシック
ISBN : B00024Z9AK
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今回の選定の基準は、JAZZを前面に押し出さず、フラメンコ調、ジプシー調、ラテン調・・・・で選んでみました。ギター好きは必聴ですよ。

これで終わらそうと思ったが、やっぱりJAZZ、JAZZのギタリストもいれておかないと!とお思い直し、特別付録は、「Mark Whitfield And The Groove Masters」の同名のライブ・アルバム。
ギターとハモンド・オルガンとドラムの一風変わった編成のトリオ。切れ目なくフレーズを繰り出すマークのギターも、めちゃ凄いが、ロニー・スミスのハモンドもそれにまして凄い。クレジットをみるまで、トリオだとはまったく気がつかなかったくらい乗せられていた。またドラム、「ウィナード・ハーパー」が凄い。骨太で、ぶれずに、極めて安定している。その上、スピード感抜群。繰り出すアドリブ・ソロのすごいこと。当代随一といわれるスティーヴ・ガットにも比肩するだろう。ブルース「The Whip」、スタンダード「Bye Bye Blackbird」、かのウェス・モンゴメリーへのトリビュート、「Road Song」など3人の完璧といえるアンサンブルが聴く人をあきさせない。必聴!!最高!!ですよ、 グルーヴィ・ファン、JAZZギター・ファン。

日本国内先行発売、来日記念盤とやらのせいか、マイナーなレーベルのせいか、残念なことにAmazonにデーターがありません。ちなみに、タワーレコードで入手しました。
発売元;ヴェガ・レコード  品番;ART1030

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マーク・ホイットフィールド・アンド・ザ・グルーヴ・マスターズ

マーク・ホイットフィールド / インディーズ・メーカー



(追記)
戦後日本のジャズ・ギタリストの第一人者として知られた沢田駿吾(さわだ・しゅんご)さんが28日、肝細胞がんのため死去した。76歳だった。(毎日新聞)    合掌・・・
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by knakano0311 | 2006-08-29 21:15 | 音楽的生活 | Trackback | Comments(0)

大和撫子ロリータ  続・新しきミューズ誕生の予感 

早速おしかりをいただきました。「日本にはロリータ系の若手はいないのか?」と。大変失礼しました。もちろんいます。前にも書いたが、日本の女性は外人に比べ、胸周りが薄いというか、共鳴がしにくい骨格というか、そんな意味では、ロリータ・ボイスがあっているのかもしれない。
したがって、「いいなあ」と思う、ほとんどの新人がどちらかといえばロリータ系になってしまうというジレンマに直面する。しかし、一昔前の、変に口をひん曲げて、JAZZですとうたうお姉さん方よりよっぽど素直で良いと思うのですが。

「仲宗根かほる」。正真正銘のロリータ・ボイス。家で聴いていたら奥さんから顰蹙をかったひとがいるほどロリータしてます。バックのミュージシャンもしっかりしているし、何しろ彼女はJAZZの基礎がしっかり出来ているように思える。曲も凄い。「ケ・セラ・セラ」、「タブー」、「先生のお気に入り」。これをみただけで「あっ、ロリータ」と思えるほど。 1曲目からロリータ度全開。

TABOO
仲宗根かほる / エムアンドアイカンパニー
ISBN : B000063C42
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「五十嵐はるみ」。本人は、意識してはいないだろうが、体格の問題からどうしてもそう聞こえてしまう。いや、意識してるかも。「ハニー・パイ」を入れているのが何よりの証拠。しかし歌はうまいし、JAZZ心もある。稲垣潤一でヒットした「Long Version」の湯川れい子訳の英語版ボサノバ・バージョンがなかなかいい。

ア・ソング・フォー・ユー
五十嵐はるみ / BMG JAPAN
ISBN : B00005QYA5
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「ロング・バージョン - 五十嵐はるみ」

           


また彼女には、「秘密の花園」に入れたい、アルバムもある。顔は見せずに・・・・・・ぽいコスチュームのジャケ。お楽しみはこれからだ。

サムシング
五十嵐はるみ / BMG JAPAN
ISBN : B00005EHIF
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「青紀ひかり」。ミラノのライヴ・ハウスでジャズを耳にしてヴォーカリストを志し、NYに渡ってパット・メセニー・グループのフィリップ・ハミルトンと出会い歌唱法を身につけて帰国した新進ジャズ・ヴォーカリストの1作目だそうだ。JAZZだけでなくPOPSも楽しい。「Just The Two Of Us」、「ディス・マスカレード」などを聴くと、この道を(ロリータ道)志しているのかな?テクノPOP、ダンサブル、クラブ風にアルバムはまとまっているが、ややバックが騒がしいかも。第2作目を期待。

Indigo
青紀ひかり / GIZA
ISBN : B00031YBXI
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追記)
「ロリータ・ボイス」とは呼ばずに、もっと上品に、「ウィスパリング・ボイス」、「ハニー・トーン・ボイス」、「シュガー・ボイス」などというらしい。
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by knakano0311 | 2006-08-29 21:14 | ミューズたちの歌声 | Trackback | Comments(0)

音楽の「チカラ」

朝出勤前、TVで昨日の「24時間テレビ」のダイジェスト版を報じていた。24時間TV。お笑い芸人のドタバタ、バラエティ、過度の演出による「感動もの」と相場が決まっており、私は見ないのであるが、朝のワイドショーでは、手の不自由な韓国の少女と歌手・平原綾香が彼女のヒット曲「ジュピター」(ホルスト・惑星から)を共演する場面を放映していた。ダイジェストなので本番の演出部分がカットされていたため、news的な感覚で感動をうけた。音楽が障害をもった子供たちに希望や夢や生命力を与えるという例は、今までにも数多く報道されている。音楽の持つある種不思議な「チカラ」である。
しかし、プロのミュージシャンとなると、当然のことながら、演奏のレベル、クオリティが評価されるので、障害の有無は関係ない。でも、そんななかで障害を乗り越えプロのアーティストとして一流の評価を得た人たちがいる。ジョージ・シアリング(ピアノ)、レイ・チャールス(ヴォーカル&ピアノ)、スティービー・ワンダー(キーボード&ヴォーカル)、ホセ・フェリシアーノ(ギター&ヴォーカル)、長谷川きよし(ギター&ヴォーカル)、宮城道雄(筝曲)、高橋竹山(津軽三味線)。特に私は、「長谷川きよし」の「別れのサンバ」を弾き語りで演奏したくて、必死になって練習していたが、「なぜ目の不自由な彼があんなに上手に弾けるのか・・・・・」と不思議に思った経験がある。それは、目が見える見えないではなく、才能の問題であると気がつくのに、そんなに時間はかからなかった。40年ほど前、シングル盤(45回転)を聴いて、何回も練習した話。最初に「別れのサンバ」が収録されたアルバム、「一人ぼっちの詩」をあげておこう。アダモのカバー、「ブルージンと皮ジャンパー」を含めて、当時も今も、新鮮であり、ハンディキャップなんて関係なく音楽的に評価できるアルバムである。「うつろな秋に」も心に沁みる。

一人ぼっちの詩
長谷川きよし / キティMME
ISBN : B00005FESJ
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よりJAZZYなアルバム「透明なひとときを」。ギター・ワークが際立つ「Fly Me To The Moon」、「ジョニー・ギター」、泣かせのバラード「メランコリー」、「別離」。

透明なひとときを
長谷川きよし / キティMME
ISBN : B00005FESK
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夏の恋を失った痛みを、まだひきずっている貴女に。秋の夜長のひととき、さらに心に塩を擦り込むオススメの2枚。泣けますよ。


「ジョージ・シアリング」。盲目の名ピアニスト。ヴァーヴとブルーノートの名演を21曲も集めたオムニバス。「テンダリー」「虹の彼方に」「アイル・ビー・アラウンド」など、名曲、名演のスタンダードが目白押し。「バートランドの子守唄」は彼が作曲したスタンダードの名曲である。懐かしいJAZZの香りに包まれたアルバム。

ベスト・オブ・ジョージ・シアリング
ジョージ・シアリング ゲイリー・バートン カル・ジェイダー ドン・エリオット ディック・ガルシア トゥーツ・シールマンス イスラエル・クロスビー ビリー・エクスタイン / ユニバーサルクラシック
ISBN : B00006JOND
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それにしても、プルート(冥王星)を惑星からはずすとは、定義とはいえ、科学も夢のないことを時にはするもんだ。
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by knakano0311 | 2006-08-28 21:00 | 音楽のチカラ | Trackback(1) | Comments(0)

新しきミューズの誕生の予感 

夏というと男。男といえば汗。ここ数回、汗臭い男専科が続けたので、秋の気配とともに女性専科に。「いつまで女性専科を続けるのだ」と怒られそうだが、まだまだ続きますよ。でも早くピアノトリオとか、コンボに移りたくて、ウズウズする日があるのも事実。まっ、細く永くこのブログが続くように、うじうじと女性専科を主に続けながら、時折男の話題も挟んでいくとするか。

前にも書いたが、最近、女性JAZZファンが増加しているそうだ。たしかに新しい女性ボーカルがどんどん紹介され、アルバムがリリースされていることはその証明か。新しい女性ボーカルに出会えるのは、大歓迎、これにまさる喜びはない

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「リズ・ライト Lizz Wright」。
カサンドラ・ウイルソンの後継者なんてささやきもあるが、ジョー・サンプルの『ザ・ピーカン・トゥリー』での2曲を聴いてから彼女自身のアルバムが出るのを待っていたファンも多かったと思う。5年後、10年後が楽しみな、魅力あるハスキー・ボイス。
南部ジュージア州出身で、幼少よりゴスペルに親しんできたため、彼女の音楽の原風景はゴスペルにあるという。デビュー作「ソルト」より、この第2作のほうが彼女の個性、独自色が前面にでているので私は好きである。
プロデューサーは、N.ジョーンズ、C.ウィルソンを手がけたクレイグ・ストリート。歌い手の個性を引き出すことにかけては抜群。見事にスピリチュアルな彼女の世界が展開されている。今後が期待される一人。

ドリーミング・ワイド・アウェイク
リズ・ライト Toshi Reagon / ユニバーサルクラシック
ISBN : B00092QRAQ
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「マヤ・クリスチーナ Maja Christina」。スイスの歌手というから驚き。スイス出身の女性ボーカルは聞いたことがない。あの国はヨーデルばかり歌ってる!!と思ってたら、官能的な声質でまたビックリ。スザンヌ・ヴェガのア・カペラで大ヒットした「トムズ・ダイナー」やニール・ヤングなどをカバー。センスが抜群で、官能的な声質が際立つ。

(追記)
失礼! 世界三大JAZZフェスティバルの、あのモントルーJAZZフェスティバルはスイスでしたね。

ロマンス
マヤ・クリスティーナ / オーマガトキ
ISBN : B0002XVUM2
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官能系ときたら、次は当然お得意の「ロリータ系」の新人。なぜこの国はこうもロリータ系を次々と出してくるのか?その国は「スエーデン」。「Sofia Pettersson ソフィア・パターソン/Slow Down」、「プリンス/Sometimes It Snows In April」、「ポール・サイモン/59th Street Bridge Song」、「カーペンターズ/Close To You」、「君の瞳に恋してる」などのカバーをロリータボイスで歌う2作目のアルバム。残念ながら、データがない。
「Sofia Pettersson/Slow Down/PROPHONE-PCD066/レキシントン・ディストリビューション」 
4作目はオリジナルと「Slow Down」からの3曲をボーナスでカップリングして、日本版デビュー「Still Here」として発売。残念ながらこれもデータなし。輸入版のみのデータを参考までに。2作目輸入版、4作目の日本版のジャケットの彼女がはるかに美人であることを付け加えておきましょう。

Still Here
Sofia Pettersson / Ajabu
ISBN : B000FJHGOE
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最後はお口直しに「スッキリさわやか系」で〆ましょう。
「カーリーブルース/ソング・イズ・ユー」。ジャネットと同じ、オーストラリア出身のキュートなルックスの新人歌手。いやあ、ジャケットはタイプですねえ。できばえは?手抜きをしてライナーの評に任そう。
『彼女の声は、素晴しい。若々しく、たおやかで可憐だ。ちょっとかすれ気味な声がなんとも魅力的だ。声ばかりでなく、彼女の歌も素晴しい。オリジナリティを出そうと変に力んだりせず、非常にナチュラルに歌っている。そして、歌っている曲は、チャック・ウィリスのR&Bナンバー1曲を除いてはすべてグレート・アメリカン・ソングブックからのいわゆるスタンダード・ナンバーだ。彼女は、今評判のノラ・ジョーンズとかリズ・ライトとかに相通ずる「何か」を感じさせる歌手で、上手く機会を捕まえると大きくブレイクしそうな予感がする。』

ソング・イズ・ユー
カーリー・ブルース / インディペンデントレーベル
ISBN : B000AU1PFY
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「キアラ・シヴェロ Chiara Civello/ラスト・クォーター・ムーン」。
イタリア出身の美人シンガー・ソングライター、「キアラ・シヴェロ」のデビューアルバム。「ブラジル音楽に強く魅かれる」という彼女自身のピアノの弾き語りが心地よく、ボサノヴァ・テイストの洒落たアルバム。アルバム中「トラブル」はバートバカラックとの共作。ジャケ、本当に美人ですね。アルバム中4作が自作。ソングライターとしての才能もたいしたもの。「キアラ」とはイタリア語で「クリスタル」、彼女自身も大変この名前が気に入っているそう。その名のとおり今後も輝いて欲しいと思う一人。

ラスト・クォーター・ムーン
キアラ・シヴェロ / ユニバーサルクラシック
ISBN : B0006TPFPA
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ここまできて何か気がついたことありましたか? そう、彼女らの出身地です。アメリカ、スイス、スエーデン、オーストラリア、イタリア。もうお分かりですね、何がいいたいか。「もうワールドミュージック」。
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by knakano0311 | 2006-08-27 18:09 | ミューズたちの歌声 | Trackback | Comments(0)

ハンク・ジョーンズの思い出~初めてのニューヨーク 

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今日は血糖値の検診で朝から病院。ダイエットとトレーニングの甲斐あって、血糖値、コレステロールとも見事に下がっていました。あとヘモグロビンA1Cがもう少しというところ。すっかり気分がよくなって、西宮大谷記念美術館に「2006イタリア・ボローニャ・国際絵本原画展」を見に行ってきました。絵本ということもあって子供づれが多かったが、水彩、アクリル、エッチング、CG、シルク、版画・・・・様々な手法で描かれた原画がいっぱいで、感心するとともに、楽しめました。最近時間と心に余裕が出来たためか、よく展覧会に出かけます。スコットランド美術館、海洋堂の仕事(プラモやフィギュア)、草間弥生・・・。いま関西ではプラド美術館、ルーブル美術館、オルセー美術館と立て続けに開催されます。とくにプラドは今年のスペイン旅行でも行かなかったため、必見と思っています。それにしても、ヨーロッパを訪問すると、どこのどんな小さな町にでも、その町の歴史が学べる博物館、歴史館或いは美術館があるのには感心します。私は技術者だったのでミュンヘンの科学技術博物館「ドイツ・ミュージアム」は何回足を運んだだろうか?ドイツらしく、あらゆる科学技術、工学の歴史が本物の展示物、たとえばベンツ、BMWの車、メッサーシュミットの飛行機、リレー電子計算機で説明展示されている。そこへ学生、子供がたくさん勉強に来ています。「技術立国日本」などと称しているが、このような裾野をひろげる、科学技術に対する子供の興味をかきたてる努力をしているだろうか?お寒い限りである。

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昨日は、メイナード・ファーガソンの訃報にも驚いた。ケイコ・リーの時にお約束した御年88歳の「ハンク・ジョーンズ」のエピーソドを書いておかないと、そのうち弔辞になってしまいそうなので、書こうと思う。
あれは、たしか1990年11月初めてニューヨークを訪れたときのこと。当時のニューヨークは大変治安が悪く、そのときも「ウエストサイドは行ったら危険、ブロードウェイから西へは行くな」、「セントラルパークも昼間だけ」、「夜はストリートは絶対歩くな、どんなに近くてもTAXIを使え」「必要以上の現金は持って出るな、万が一のホールドアップに備えて命金を50ドル靴下にはさんどけ」 などと散々脅かされましたが、そこはホテルに「じい~っとしている」なんてことはありえなく、Jazzクラブ「Fat Tuesday」(もうありませんが)で「ハンク・ジョーンズ」がでている事を聞いて、早速でかけました。まあ、はじめてのニューヨーク、しかもJAZZクラブ、ハンク・ジョーンズ、夢のような気分。そのうちテンションも落ち着いてきてリラックスしてJAZZを楽しんでいると、若い目の不自由な女性が一人で盲導犬と一緒に入ってきたのです。まったくごく普通に、自然に、店の雰囲気に溶け込み、周囲のお客さんたちも特に変わった反応をするではなく、ワンステージのライブを楽しむと立ち去っていきました。我々はさんざん脅かされたあのNYで、盲導犬と一緒の若い女性が・・・・。ビックリするとともにある種の感動を覚えたものでした。また、お客さんの中に、最前列のテーブルでSAXを抱えて座っていた、JAZZを勉強しているとおぼしき、多分バークリーあたりの学生がいましたが、ハンクは「ステージへあがっておいで。さあ、一緒にやろう。」といってステージに招き、セッションが始まりました。そのときの彼の学生を見るまなざしと演奏に本当に暖かいものが感じられました。こうして私のうまれてはじめてのNYの夜は過ぎていったのでした。

「ハンク・ジョーンズ The Great Jazz Trio」。結成30年を超える超ベテランJAZZトリオ。ニューヨークのにおいぷんぷんのアルバムを2枚。
メンバーは結構入れ替わっているが、ドラムスにジミー・コブ、ヴァイオリンにルイス・エリーを加えたGJTの異色作、「ザ・クラブ・ニューヨーカー」。ガーシュインの曲を中心に、心のこもったプレイを聴かせてくれる。

名盤JAZZ25選~紙ジャケ2300 ザ・クラブ・ニューヨーカー(紙ジャケット仕様)
ザ・グレイト・ジャズ・トリオ ルイス・エリー / コロムビアミュージックエンタテインメント
ISBN : B000BU6OQI
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シンプルなピアノトリオによるスタンダード。これからの秋の夜長にぴったりのアルバム。

ス・ワンダフル
ザ・グレイト・ジャズ・トリオ / Village Records
ISBN : B000666WT6
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「Hank Jones / The Very Thought of You」

          
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by knakano0311 | 2006-08-26 00:54 | JAZZY紀行 | Trackback(2) | Comments(0)

ハイノート・トランペッターの訃報 

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8月25日  朝日新聞夕刊

メイナード・ファーガソン(カナダ出身のジャズトランペット奏者)23日、腎臓や肝臓疾患で死去、78歳。カナダ・モントリオール生まれ。11歳でソロデビュー。拠点を米国に移し、デューク・エリントンらと共演した。軽やかに響く高音域を得意とし、映画「十戒」や「ロッキー」のテーマ曲の演奏で名高い。


征服者~ロッキーのテーマ
メイナード・ファーガソン / ソニーミュージックエンタテインメント
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合掌・・・・・・・
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by knakano0311 | 2006-08-26 00:24 | 訃報を聞いて | Trackback(1) | Comments(0)

お詫びと訂正

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(写真はNETより拝借)

前章「CFに魅せられて」で「ケイコ・リー」について、「なんとなくとらえどころのない印象」という評価をしていたが、本日発売されたアルバムを聴いて、正直驚いた。今までとは別人のような印象である。アルバムは「Keiko Lee Live at "BASIE" with Hank Jones」。そう、あの岩手県一関市にある有名なJAZZ喫茶「BASIE」で、ベースに坂井紅介を交えてのドラムレス・ライブである。いままでのケイコ・リーのイメージは、弾き語り、太くて低い声、豊かな声量・・・かな。しかし、違和感をずっと感じていた。本アルバムでは、一変、KEYも高く、ナチュラルな声質になっているように思える。自由にリラックスして、自在にスイングする彼女のスタンダードにすっかり魅せられてしまった。また生ける屍、失礼!歩くジャズの歴史みたいな御年八十八歳(ひえ~~~~っ)のハンク・ジョーンズとのからみもまさにJAZZの空間と時間を観客と一体になって紡ぎだしている様に思える。過去の彼女のアルバムと聞き比べると、私が過去に感じていた違和感はいっそうはっきりした。弾き語りのアルバム、「ローマからの手紙」。スタンダードをナチュラルに歌う、彼女の太くて低い声と曲調とはまったくマッチしていない。ピアノはさらに違和感がある。なぜタイトルが「ローマからの手紙」なのか?さっぱり分からない。むしろ、シンガーに徹した「If It’s Love」のような、ソウル、ブルースっぽい曲のほうがまだ、マッチする。邪推かもしれないが、日本版ダイアナ・クラール狙いのレコード会社のマーケティングに乗せられていただけのような気がする。はっきり言えば彼女の魅力を引き出せなかった「プロデューサーが才能がない」の一言に尽きる。弾き語りなどせずに、自由な唄歌いに徹したほうがはるかにいい。

このアルバムで私の評価はがらっと変わった。前章での評価をお詫びして訂正いたします。

御大ハンク・ジョーンズについては、ニューヨークのJAZZくらぶ「Fat Tuesday」でみた、暖かいエピソードがあるが、別に機会に紹介します。


ライヴ・アット・ベイシー~ウィズ・ハンク・ジョーンズ~
ケイコ・リー ハンク・ジョーンズ / ソニーミュージックエンタテインメント
ISBN : B000GLKNJ6
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「But Beautiful... - Keiko Lee Live at "Basie" with Hank Jones」

          
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by knakano0311 | 2006-08-23 23:45 | ミューズたちの歌声 | Trackback | Comments(0)

CFに魅かれて  

人がJazzを好きになるきっかけは何だろう?たまたま入ったレコードショップで流れていた曲が好きになった、ドライブで聞いていたラジオから流れてきた、見た映画の中で流れていた(私の場合はこれ)、恋人或いは友達が好きだった など様々な理由があるでしょう。TVのCMで使われていて、それがきっかけで好きになった言うこともあるでしょう。今回はCFで見て、始めてその歌手の存在が気になり、アルバムを買ってしまったケースを紹介しましょう。

「カーメン・ランディ/Carmen Rundy」。HONDAの車のCMフィルムで流れていましたね。曲は「風のささやき/The Windmill Of Your Mind」。前にあげた「カーラ・ヘルムブレヒト/Be Cool,Be Kind」に収められていた同曲が叙情あふれる歌い方で好きでしたが、カーメンの歌い方はドラマティックでこちらも好きです。映画「華麗なる賭け」で、スティーブ・マックィーン扮する大富豪、実は泥棒と、彼を追う保険調査員のフェイ・ダナウェイが二人で渚をサンドバギーで駆ける場面に流れていた曲。(なぜか日本語DVD化されていない) アルバムは地味ながら、ベテランの深い味わいに彩られている。CFのディレクターもよくこんな歌手とアルバムを探してきたもんだと感心します。

Something to Believe In
Carmen Lundy / Justin Time
ISBN : B00009PXZX
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なぜか、JAZZは車か、酒のCFで使われることが多いような気がする。次ぎも車のCFから。(たしか日産)  「キャロリン・レンハート Carolyn Leonhart」 。
有名なベーシストのジェイ・レンハートを父に持ち、8歳から歌い始め、高校でゴスペル、16歳で父と共にクラブの昼の部に出演しボーカルの腕を磨いたと聞くから音楽一家育ちの筋金入り。スタンダード中のスタンダード、CF曲「スターダスト」が収録されているアルバムは、「ニューヨークの秋」。デヴィッド・マシューズのアレンジによる、いかにも日本製作盤らしい有名スタンダード曲集で、アクのないクリアな声質、原曲のメロディーをストレートに歌って無難にまとめている。ジャズ初心者やポップス・フィールドから彼女に興味を持った人には、聴き易くとっつきやすいアルバムといえるだろう。

ニューヨークの秋
キャロリン・レンハート デヴィッド・マシューズ・トリオ / キングレコード
ISBN : B0000844BF
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「リタ・クーリッジ」。CF曲は、ボズ・スキャッグスの名曲「We All Alone」であるが、なんのCFかは忘れてしまった。収録されているアルバムは、全曲ジャズ・スタンダードの「アンド・ソー・イズ・ラブ」。彼女独特のスモーキーボイスはいつもながらに暖かいし、バックの楽器演奏もクオリティが高く,特にEstateの演奏は印象的。
前掲の「キャロリン」とも出身フィールドはPOPS。POSでそこそこ有名な美人歌手にCFとタイアップしてスタンダードを歌わせて・・・・・というマーケティングが伺えるが、出来は2作とも平均以上であるがやはり個性に乏しいため、耳の肥えたJAZZファンには物足りないかも知れない。

アンド・ソー・イズ・ラブ
リタ・クーリッジ / キングレコード
ISBN : B0008JH6RS
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また日産車で恐縮であるが、クイーンのカバー曲で「ケイコ・リー/WE Will Rock You」。アルバムは「ヴォイセズ・アゲイン」。ロックの曲をうまいアレンジ聞かせたため、一躍ヒット、注目される存在となった。元来、低く太い声で、大変に歌はうまいのであるが、曲調と声がマッチしない、なんとなくとらえどころがないなあ、と思っていた。たくさんアルバムを出しているが、どれもがベストアルバムみたいな印象で、インパクトがないなあ、ちょっと器用すぎるような気がしていた。 「ヴォイセズ・アゲイン」もベスト盤ではあるが、彼女の素直な歌声が楽しめる佳作。

ヴォイセズ・アゲイン
ケイコ・リー / ソニーミュージックエンタテインメント
ISBN : B000B9F2T4
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「鈴木重子」。 「東京大学出身で、バークレー音楽院でJAZZを学び、ブルーノートなど、ニューヨークのJazzくらぶのステージで活躍している。日本人でのこんなすごい人いる。」みたいなキャッチコピーでCFで紹介されていたと思う。サントリーか、ニッカではなかったかと思うが。  バブル後のオール日本自信喪失時代の元気付けCFであったと思うが、何を歌っていたか覚えていない。コピーは見事であったし、かなりの人がCFに魅せられたのではないか。彼女のアルバムもケイコ・リーと同じような印象を持つが、曲の選定が有名曲であること、優しい感触のナチュラルな歌声。淡々と自然に歌っているところがそんな印象を与えるのだろう。すんなりとこころにはいってくる優しい歌声。鈴木重子にしても、ケイコ・リーにしても日常生活の中で、引っかからずにいつでも疲れずに聴ける点、貴重な1枚である。

プレゼンサ~ザ・ベスト・オブ・鈴木重子
鈴木重子 John Lennon Paul McCartney A.Menken Stephen Schwartz Eric Clapton Will Jennings Antonio Carlos / BMG JAPAN
ISBN : B000068R8Q
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サイレント・ストーリーズ
鈴木重子 / BMG JAPAN
ISBN : B000CFWOZM
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by knakano0311 | 2006-08-22 11:45 | ミューズたちの歌声 | Trackback(1) | Comments(0)

Black Beauties  ~孤高の歌姫たち~

Jazzはそのルーツを黒人音楽に持つことは言うまでもないが、そのDNAを色濃く受け継ぎながら、独自の世界を築いている歌姫たちがいる。まさに「Black Beauty」という形容がぴったりの。Jazz、Soul、Blues、Rockなど彼女たちが持っているたくさんの引き出しの中から、アルバムや曲にあわせて衣装を取り出し、オリジナルな孤高のファッションを身にまとう。ジャズという単一のカテゴリーの枠にはめて、聴いてしまってはいけないミューズたち。

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「Sade シャーデー」。 深い哀愁をたたえた美形である。ボーカルのシャーデー・アデューばかり印象が深いので彼女一人と思われているが、実は「シャーデー」は4人組なのである。(最近までわたしも一人と思っていました。)Sade Adu(vo)、Andrew Hale(key)、Stuart Mattenwman(g、sax)、Paul S Denman(b)というのがそのメンバーである。だが、ゴメン、ほかの3人はどうでもよくて、我がミューズは「シャーデー・アドゥ」ただひとり。「SADE ADU(シャーデー・アドゥ)は1960年1月16日、ナイジェリア生まれ。というからもう46歳の熟女。あのエキゾチックな美貌はナイジェリア人の父親譲りだそうだ。セクシー・ボイスあるいはシルキー・ボイス。まさに「Black Beauty」。
ここでの、渾身の1枚は、ジャケといい、中身といい、やはりこのアルバム「Love Deluxe」でしょう。ラテンのフレーバが漂う、「No Ordinary Love」、ベースとからむスモーキーで濃厚なボーカルが聴ける、名曲「KISS OF LIFE」。

Love Deluxe
Sade / Epic
ISBN : B000050XNS
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ひときわ異彩を放つミューズがいる。「カサンドラ・ウィルソン/Cassandra Wilson」。
あの眼の強い光はどこから来るのだろうか?骨格の太さを思わせる、ぶれない、強い、かすれ声。本当に、一度ライブを聞いてみたいと思う歌手の一人。アルバム選びは、ほんとに迷ってしまうが、あえてJazz色が強い世界をお望みなら、以下の3枚か。

「トラヴェリング・マイルス」。冒頭「ラン・ザ・ヴードゥー・ダウン 」。うねるようなEギター、Eベース、トランペットのからむイントロ聞こえてきただけで、マイルスをトリビュートしたカバーということがわかる。、バシッと眼が覚める、体が動く。「タイム・アフター・タイム」ではオリジナルを遥かに凌駕するカサンドラの孤高の世界が展開する。エフェクトされていない彼女のナチュラルな声が一番ストレートに聞けるアルバムであろう。

トラヴェリング・マイルス
カサンドラ・ウィルソン マイルス・デイビス マービン・シーウェル ロバート・ハイマン シンディ・ローパー ビクター・フェルドマン / 東芝EMI
ISBN : B00000JAD8
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前作「Travelling Miles」につづいてリリースされたが、一変してアコースティックで、濃厚な味わいのブルース・アルバム「ベリー・オブ・ザ・サン/Belly Of The Sun」。直訳すると「太陽の腹」?誰か意味を知っていたら教えてください。
ミシシッピ州ジャクソン生まれのカサンドラにとってデルタ・ブルースは、彼女自身のアイデンティティそのもの。録音へのこだわりもすごかったらしく、エディターノーツによると、「ミシシッピ州クラークス・デールにある旧駅舎に機材を持ち込み、録音を行なった」という念の入れよう。
ブルースアルバムであるが、アントニオ・カルロス・ジョビンなどのボサノバ曲をいくつか取り上げている。しかし、そこはカサンドラのこと、彼女ならではという仕立てになっている。伝統的なアコースティックな楽器と、実に効果的なパーカッション、抑制の効いたカサンドラの声、もうボサノバとは別物の彼女の世界になっている。本作は、ブルースという彼女のルーツへの回帰、或いは再確認のアルバムというべきか。

ベリー・オブ・ザ・サン
カサンドラ・ウィルソン / 東芝EMI
ISBN : B00005Y151
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次は、若手キーボード奏者「ジャッキー・テラソン」とのコラボで、「テネシー・ワルツ」。アルバムの原題は「ランデブー」。江利チエミではないのだ、「バカモノ」。このへん、日本のレコード会社は分かっていないというか、思いがないというか、イージーというか本当に嫌ですね。表向きはスタンダード集で、曲目もいわゆるスタンダードであるが、聞いてみればすぐわかる。「テラソン」と出会いがこのアルバムを生み出した最大のテーマであり、だからタイトルは「ランデブー」であり、カサンドラ仕立ての世界に仕上がっている。したがって、普通のスタンダード集ではないのだ。あくまでも素材がスタンダードだというだけの話であって、いつものようにジャンルを超越した彼女の孤高の世界が広がる。

エディター評にいわく。「昨年インタビューした時、カサンドラは、「私は音楽を作る側にいるからジャンルなんて考えない。音楽はひとつであって、カテゴリーとかジャンルなんて信じない」と言っていたが、まさしくここに聴かれる歌声は、ほかの誰にも真似のできない彼女だけの特別の世界だ。」
付け加えるべきものは何もない。

テネシー・ワルツ
カサンドラ・ウィルソン&ジャッキー・テラソン カサンドラ・ウィルソン ジャッキー・テラソン ロニー・プラキシコ ケニー・デイヴィス ミノ・シネル ロニー・ブラキシコ / 東芝EMI
ISBN : B00005GKEC
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カサンドラは常にひとつ所にとどまらず、アルバムをリリースするたびに、新しい試みを試している。そんな彼女の挑戦的アルバムから、2点。

最初は、もう何の説明も不必要はくらい、超有名なアルバム。彼女自身のセミヌードの姿も話題になった、冒頭あの「Strange Fruits」から始まり、今まで聞いたことのない不思議なアレンジの「Moon River」でおわる「New Moon Daughter」。96年度スイングジャーナル誌選定ジャズディスク大賞ボーカル賞受賞の文句なしカサンドラ・ウィルソン最高傑作アルバム。

ニュー・ムーン・ドーター
カサンドラ・ウィルソン / 東芝EMI
ISBN : B00005GKDL
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最新作「サンダーバード」。コンピュータによる打ち込みの音を多用したが、決して無機質な音ではなく、彼女の声の魅力を充分残しながら、また新しい歌世界を切り開いた佳作アルバム。

サンダーバード
カサンドラ・ウィルソン / 東芝EMI
ISBN : B000E6G6H6
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まだまだ、今後も彼女の引きだしは増えていくのだろう。評して、まさしく現代の巫女、或いはシャーマン。私がなぞらえるのは、千手観音。「The Beautiful Black Muse With A Thousand Of Masic Hands」とは、カサンドラのこと。

「cassandra wilson - fragile」

          

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力が入りすぎて、少し肩が凝ったかな。一転して「ロバータ・フラック/やさしく歌って」。英語の題名「Killing Me Softly With His Song」のほうがいいですね。この一曲で買いを決めたアルバム。元はコーヒーのCMソングではないのだ。かって大ヒットしたナンバーで、一時ピアノバーに来るカップルが、皆この曲をリクエストすると弾き語りピアニストが、根を上げていたくらい大ヒットした。この唄が超有名すぎてしまった感があるが、その実力や相当なもの。この曲以外にも、押し付けがましくなく優しい声で語りかけるように歌う。あの「FEEL LIKE MAKIN' LOVE」、「The First Time Ever I Saw Your Face(愛は面影の中に)」も彼女の作品といえば、その歌唱力も納得できるだろうか。

やさしく歌って
ロバータ・フラック / イーストウエスト・ジャパン
ISBN : B00005HEGZ
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再び個性派 「マリーナ・ショウ」の登場。「フー・イズ・ジス・ビッチ・エニウェイ」。オリジナルは75年に発表。この時代にこんなにも垢抜けていて、セクシーで、かっこいいアルバムがあったのかと感心してしまう。「ストリート・ウォーキング・ウーマン 」からはじまる、映画のストーリー仕立てを思わせるようなアルバム作りもおしゃれ。前掲、ROBERTA FLACKの名曲「FEEL LIKE MAKIN' LOVE」のカバーなどを含む全10曲。 デイヴィッド・T.ウォーカー、ラリー・カールトン、デニス・バドミアという3人のギタリストが絶品の歌伴ギターを聴かせる贅沢な内容。

フー・イズ・ジス・ビッチ・エニウェイ
マリーナ・ショウ デイヴィッド・T.ウォーカー ラリー・カールトン デニス・バドミア バーナード・イグナー マイク・ラング ビリー・メイズ ラリー・ナッシュ チャック・レイニー チャック・ドマニコ / 東芝EMI
ISBN : B000CSUY9W
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1942年生まれというから私よりも年上。「フー・イズ・ジス・ビッチ・エニウェイ」のジャケットのあの超イケイケのアフロ・ヘアからはもう30年も経ってしまているですねえ。そんなベテランジャズシンガーのライブ・イン・TOKYO・アルバム。円熟したJAZZシンガーとしての魅力と、エンターテナーぶりが発揮された1枚。30年の年輪とともに落ち着きと深みを増したこのシンガー、円熟のシニアJAZZファンにおすすめする傑作。

ライヴ・イン・トーキョー
マリーナ・ショウ / Village Records
ISBN : B00006IIGT
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by knakano0311 | 2006-08-20 20:15 | ミューズたちの歌声 | Trackback(2) | Comments(0)