大屋地爵士のJAZZYな生活

<   2007年 01月 ( 13 )   > この月の画像一覧

欧州JAZZY紀行(4)  ~北ヨーロッパ シニア事情~ 

かって、シニアの皆さんを対象としたシステム事業に関っていたことがあります。そのため、かれこれ10年以上前ですが、オランダ、ドイツ、イギリス、北欧など北ヨーロッパの国々へ、システムの市場・技術調査などに出張したことがありました。そのときの印象はかなり強烈で、「成熟した国、ヨーロッパは、シニア問題についても先進国だなあ」とつくづく感じたものでした。

いくつか例を挙げますと、認知症(アルツハイマー、その当時は痴呆症といっていた)のお年寄りが暮らしている、スエーデンの「グループ・ホーム」を訪問したことがあります。今の日本でこそ、「グループ・ホーム」はかなり定着していますが、当時は「認知症」といえば、いわゆる「特養」に入れるのが当たりまえの時代。びっくりしたのは、そのグループホームに暮らすお年寄りたちは、どう観ても認知症とは思えなかった。男性はジャケットを、女性は髪を整え、お化粧もして、ドレスを着用していたのです。話してみると、やはり「認知症」なんですが、従来、家にいたときと出来るだけ同じような生活をしてもらうことが、「認知症」を進行を遅くすると聴きました。

「緊急通報システム」。これも、一人暮らしのお年寄りが多い、北欧などではかなり普及していました。欧州の多くの国がそうなんですが、市内通話は電話料金がタダという制度を利用し、お年寄りの家に置いた端末機と、電話回線を利用した「緊急通報システム」。ナースコールの電話版を想像していただいたらいいか。このシステムは、各コミュニティのセンターとつながっていて、このセンターで、電話線の向こうにいるお年寄りをケアしているのは、シニア予備軍である50~60代のボランティアたち。「緊急通報」といっているが、普通の会話も大歓迎で、毎朝の会話の中から体調の変化や、心理状態を感じ取っているのだそうだ。「緊急のとき以外は使わないでください」といって、導入している日本の自治体などとは、よって立つところが違う。
このような、システムの運用の上で、バックボーンとなっているのが「スカンジアナ・ケア・コンセプト」であると言っていました。

スウェーデンのグループホーム物語―ぼけても普通に生きられる

バルブロー・ベック・フリス / 京都21プロジェクト



一番印象に残っているのが、オランダは、ベルギー国境の「マーストリヒト」の近くにある研究所であった。この研究所のテーマは「テクノロジーはハンディキャップを持つ人のために何が出来るか?」であった。シニアだけでなく、身体機能に障害を持つすべての人のために、エレクトロニクス、テクノロジーが、どうアシストできるのか というテーマを研究している研究所。
その背景には、ヨーロッパでも体の不自由なお年寄りのために、老人施設、いわゆる箱物の建設を盛んに実施していた時期があったそうだ。その結果、財政的な悪化を招いたので、可能な限り、自宅で暮らしてもらうという方針に変えたそうだ。自宅でハンディキャップを持つ人、或いは身体機能が衰えたシニアの人が、支障なく暮らすための様々な支援技術を、実際の家を1軒建てて研究開発していました。
具体的には、どんなハンディキャップをもつ人でもコントロールできる(たとえば眼の動き、息などで)電動車椅子、あらゆるもののリモコン化のために必要なコントローラ、システム仕様の統一化、オープン化。市内電話は無料という、コミュニケーション・システムを利用した各種サービス(ケータリング、ハウス・キーピング、理美容、ボランティア)の提供とセキュリティの確保などが研究テーマであった。そこの研究者は、「温水洗浄便座」こそは日本が、世界に誇れる大発明と絶賛していました。

技術立国として、日本が世界に貢献したいと思うならば、「省エネ」「環境」などのほかにも、もっともっと国が率先して、金を出して人材を育成して、技術開発をせねばならないこのようなテーマはあるのだが。

さて、福祉先進国といわれる、北欧ノルウェイで、40年以上にわたって、人気No1の歌姫であり続けている女性JAZZシンガー、「カーリン・クローグ/Karin Krog」。彼女、今年でなんと70歳になるという。彼女が、米国人JAZZピアニスト、「スティーブ・キューン」と邂逅したのは1974年のことであった。以来、約30年の間に3度共演のアルバムをリリースしている。その最新作は去年、すなわち69歳でリリースされた「トゥゲザー・アゲイン」。国境、時間を越えたアーティストの熱い友情と、心のふれあいを感じる。
独自のスタイルと声、キューンとのコラボが、JAZZ界に衝撃を与えた、最初の邂逅、「ウィー・グッド・ビー・フライング」。

ウィー・グッド・ビー・フライング
カーリン・クローグ / / ブルース・インターアクションズ
スコア選択:


2002年28年ぶりの再会盤、「ニューヨーク・モーメンツ」。歌手生活40年,70歳に手が届こうという、もはやノルウエイの国宝的歌手のさらに磨きのかかった渋い歌声と,キューンの淡々としたピアノが胸に迫る。

ニューヨーク・モーメンツ
カーリン・クローグwithスティーヴ・キューン・トリオ / / インディペンデントレーベル
スコア選択:

さらに4年後の2006年、69歳でリリースしたアルバム、「トゥゲザー・アゲイン」。デュオで音楽する喜びが、ストレートに伝わってくるアルバム。こんなに長い時間を経ても、音楽のパートナーとして、まだ邂逅の喜びを分かち合える二人。

トゥゲザー・アゲイン
カーリン・クローグ&スティー / /
ISBN : B000IFSEYQ
スコア選択:

カーリンは近年「国家と国民に対する優れた貢献」に対し、「ノルウエイ王国勲章勲一等」を受賞したという。彼女なかりせば・・・ノルウエイ、北欧のJAZZの現在の隆盛はあったのか と考えれば、受賞は当たり前かもしれない。


「Karin Krog - The Meaing of Love」

          
[PR]
by knakano0311 | 2007-01-30 00:12 | JAZZY紀行 | Trackback | Comments(0)

こいつは春から縁起がいいわい! 

年末のジャンボ宝くじは、いつものとおりはずしたが、正月休みに見ていた、「Amazonオススメ商品」ですすめられて何気なく買った、「ゴールデン・イアリング」、これが大当たり。ピアノ・トリオで、弾き手は、「Gene DeNovi ジーン・ディノヴィ」。聴いてびっくりした。
ヨーロッパのピアノ・トリオ、たとえば、「Europian Jazz Trio」や「カレル・ボエリー・トリオ」などの、流麗さ、華麗さと、「ニューヨーク・トリオ」のモダンな都市感覚、粋を兼ね備えているといったら言い過ぎか。いや存在を全く知りませんでした。1928年ニューヨーク生まれの白人、来年で80歳になるという。同年代のジャズ・ピアニストは、ほとんど故人になっていよう。匹敵するのは、「ハンク・ジョーンズ」くらいか。一体どんなキャリアなのか? ライナーノートによれば、1940年代に「チャーリー・パーカー」や「ディジー・ガレスビー」といったビバップの開祖たちと共演をしており、いまやビバップを身をもって体験した伝説的なピアニストの中の数少ない現役だそうだ。しかも、リーダーアルバムを出したのが、50歳を間近にしたころというから、大変な晩生(おくて)である。

しかし、このピアノタッチの心地よさは何だろうか。タイトル曲「ゴールデン・イヤリング」は、最初ソロでメロディを弾き始め、あの美しい旋律を生かした、絶妙華麗なアドリブを聴かせる。
「ボディ・アンド・ソウル」。ボーカルで聴く以上に、歌っている。

ゴールデン・イヤリング
ジーン・ディノヴィ / / エムアンドアイカンパニー
ISBN : B00008BDHT
スコア選択:

現在、カナダはトロントに住んでいるそうであるが、彼の家からは夜な夜なピアノを弾く音が、隣の家まで聴こえるそうで、隣家の住人は、ジーンがいい演奏をすると、コンサート会場であるがごとく、拍手で応じるのだという。なんという「うらやましい暮らし」であろうか。

同じメンバーでのアルバム「So In Love」。TV日曜映画劇場のエンディング・テーマ、コール・ポーターの「So In Love」、また「Blue Prelude」もこの上なく美しい。御年80歳とは、またしても脱帽!

ソー・イン・ラヴ
ジーン・ディノヴィ / / エムアンドアイカンパニー
ISBN : B00005NJPF
スコア選択:

ドラムとベースを若手に変えて、「夜」をテーマにした曲ばかりで構成されたアルバム。
最初の「Alone Togather」からもう魅了されてしまう。「弾く」のではなく、「歌う」がごとく、「ささやきかける」がごとく、ピアノを奏でるのである。こんなピアニストがあまり知られずに埋もれていたとは、世に紹介したプロデューサーに感謝!

ハウ・ビューティフル・イズ・ナイト
ジーン・ディノヴィ / / エムアンドアイカンパニー
ISBN : B00005HNDB
スコア選択:

今年の最初で、最大の収穫のひとつである。今年は春から縁起がいいわい!!!
[PR]
by knakano0311 | 2007-01-28 13:55 | おやじのジャズ | Trackback | Comments(2)

大阪北港ヨットハーバー  ~ 人生の寄港地にて ~  

今日も、またまたドライブレポートです。
ぽかぽか陽気、絶好のドライブ日和に誘われて、我が定番のドライブ・ルート、湾岸ルートのドライブの途中、大阪湾のなかの広大な埋立地、「舞洲(まいしま)」へ寄ってみました。
ここは、大阪市に2008年のオリンピック招致が、成功した暁には、会場となる予定の埋立地であったが、みごとに北京に負けて涙を呑み、この広大な埋立地は、税金の無駄遣いと、散々に酷評された土地である。現在は、ウォータ・フロントとして、舞洲緑地公園に整備され、海辺の散策や、波止釣りや野外活動ができる、市民の憩いの場として整備されている。北京に負けた腹いせか、大きなアリーナや野球場が、ぽつぽつと建設されてはいるが、ウイーク・ディとはいえ、ほとんど人がいないし、うら寂しい雰囲気。市民への知名度がほとんどない上に、アクセスの悪さもあるので、やはり税の無駄遣いか? しかし、今日の我々には絶好の海辺の散策路。 

また、この「舞洲」に隣接する大阪北港には、近代的な施設の整った大きなヨットハーバーがある。多分、ここもオリンピックがあれば、ヨット競技会場として大活躍したであろう場所。オリンピックは来なかったが、立派なヨットハーバーは残った。日本は、ぐるりと海に囲まれた、海洋国でありながら、なぜか海のスポーツ、マリンスポーツには冷淡な国。ヨットがとでつもない贅沢なスポーツ、金持ちの遊び、というイメージがあり、なかなか普及の施策が行われない。事実アメリカズ・カップのような、世界的なヨットレースやクルーザーレースに参加しようと思うと、F1レースどころの比でないほど、金はかかるのだが。でも環境に全く負荷をかけない、ヨットのようなマリン・スポーツがこの海洋国、環境立国をめざす日本で盛んになってもいいと思うのだが。元ヨットマンの私としては、まっ、これでヨット競技の裾野が広がれば、それは意義のあったことである。

この北港ヨットハーバーに、このブログでも何回か取り上げたが、われわれ夫婦の湾岸ドライブの止まり木「パパ・ヘミングウエイ」がある。

b0102572_22334372.jpg


入社当時の20代は、車も金もなく、会社のヨット部に入部し、休日は、専らヨットに明け暮れていた。当時は北港ヨットハーバーはなく、西宮ヨットハーバーにある大学生の艇庫を借り、スナイプを中心とするディンギーのレース練習を重ねていた。救助艇をかねた24フィートのクルーザーをクラブが所有していたため、GWや盆などの長めの休みは、瀬戸内海のクルージングを楽しみ、まさに青春だった。
時々、北港へ来て、若い人たちの練習風景を眺めていると、そんな若いころの自分を思い出します。人生の「セイリング」のゴール地点に、だんだん差し掛かってきて、嵐や荒波も時々あったが、無事定年という穏やかな入り江の寄港地に、今は停泊してます。再度船出をするのか、陸に上がるのか・・・・・。そのヨットの仲間たちが、私の定年のお祝いにと「真っ赤な、カシミアのマフラー」をプレゼントしてくれました。まだ赤いマフラーでも巻いて、「しゃれっ気をうしなわず、若い気持ちで、がんばれ」と言うことでしょうか。

そんな青春時代を夢中にさせた「セイリング」にちなんだアルバムから数点。

キーボード奏者「ハービー・ハンコック」のエポック・メイキングな作品、「処女航海」。ジョージ・コールマン(ts)、フレディ・ハバード(tp)を加えて、斬新なハーモニー感覚で、より開放的な響きを表現しようと試み、60年代のハードバップから、新鮮な脱皮を果たした画期的な作品。曲目も人生を航海になぞらえたような選曲で構成された名盤。「処女航海」は、数多くのJAZZアーティストたちに、テーマとしてカバーされている。

処女航海
ハービー・ハンコック / / 東芝EMI
スコア選択:


ヴィブラフォン奏者「ジョー・ロック」がリーダーとなり、ビリー・ジョエルの「素顔のままで」やロバータ・フラックの「やさしく歌って」などのヒット曲を小気味にスイングして聴かせる。タイトルもずばり「セイリング」。タイトル曲「セイリング」(R.スチュアートのヒット曲ではない)ではじまり、「港の灯」で終わる粋なアルバム。

セイリング
ジョー・ロック&ザ・ニューヨーク・カルテット / / エムアンドアイカンパニー
スコア選択:


「ロッド・スチュアート」の超有名曲、「Sailing」が収録されたアルバム、「Atlantic Crossing」。スコットランド系英国人であるの彼のユーモアで、「大西洋を一またぎ」とでも訳すのか。単純なメロディの繰り返しであるが、だんだんと盛り上がり、心に迫ってくる名唱、名曲。一時期「洋ものカラオケ」をうたうおじさんたちの間で、「マイ・ウェイ」とならんで、もてはやされた曲。何回聴かさせられたことか。

Atlantic Crossing
Rod Stewart / / Warner Bros.
スコア選択:


「Sailing( 訳詞付) - ロッド・スチュアート」

          
[PR]
by knakano0311 | 2007-01-25 23:14 | 音楽的生活 | Trackback(1) | Comments(1)

つたのからまるチャペルで・・・・・ ~32年ぶりの蜜月ドライブ~ 

暖冬の暖かな一日。すこし遠出のドライブをしようということになり、倉敷まで足を延ばしました。思い出の場所、倉敷。新婚旅行以来、実に32年ぶりでした。私の住まいからは、中国道、山陽道を乗りついで、片道2時間半あまりのドライブ。新婚旅行で泊まった、当時まだオープンしたてだった、「倉敷 IVY Square」。紡績工場の跡地の、レンガ造りを生かしての再開発で、30年前も大変オシャレで、ぜひ泊まってみたいなと思って選んだホテル。あまり記憶も定かでなかったのですが、つたが一面にからまるパティオなど、次第に思い出して、二人で懐かしい思いに浸ることが出来ました。
ここを皮切りに、美術館、民芸館など、倉敷川の付近を散策、当時より素敵な店がたくさん増えていてびっくりしました。大原美術館では、モネの「睡蓮」やモディリアニ、エル・グレコ、ゴーギャン、ルノアール、ロートレック、ローランサン、フジタらの絵を楽しみ、お土産は、陶器のオルゴールとクラフト細工のバッグ、銘菓「むらすずめ」とぬれおかき。天気もよく、暖かく素敵な一日でした。妻は帰ると早速、新婚旅行の写真を、引っ張りだしていましたが・・・・・。

32年ぶりの蜜月(ハネムーン)日帰りドライブでした。

b0102572_21303216.jpg



一時期、日本全国各地で、レンガ造りの紡績工場や倉庫、蔵など、建物のレトロな雰囲気を生かした再開発が盛んであったが、最近あんまり聴かなくなった感じがします。もっともっと再活用できる建物が日本にはあると思いますが。

家へ帰ってみると、Amazonに予約注文してあった、「ノラ・ジョーンズ」の最新作アルバム「Not Too Late」が届いていました。アルバムの中身は、今日のドライブのように、穏やかで、暖かく、タイトルも、シニアにぴったりの、まだまだこれから、いろいろな事を始めるには、「Not Too Late」。
第三作目になるこのアルバムは、ノラ自身が全曲をシンガー・ソング・ライターとして、オリジナルで手掛けたものであるが、今回も「あったか ノラ・サウンド」は相変わらずで、私の期待を裏切りませんでした。しかも、なんと今回は東芝EMIさん、「CCCD」でなく「CD」です。一体どういう心境の変化でしょうね?


ノット・トゥ・レイト
ノラ・ジョーンズ / / 東芝EMI
ISBN : B000KJTLEM
スコア選択:
[PR]
by knakano0311 | 2007-01-24 21:44 | 音楽的生活 | Trackback(1) | Comments(0)

昔はみんな「ラジオ少年」だった! 

b0102572_10521782.jpg

急にロボットをつくりたくなった。書店で、毎月配本されるシリーズを組み立てていくという、「DaAGOSTINI」社の本を見かけたからである。もともとの、技術者としての好奇心、あたらし物好きの性格、また、「ものづくりの虫」があたまをもたげてきたらしい。技術者として前の会社に入社し、20年間はR&D一筋で、特許も相当持っていたが、管理職やら事業責任者になるにしたがって、マネジメントが主体となり、設計・試作・試験からは遠ざかってしまった。2週間に1回発刊で25回かかるらしいんですが、まっ、時間がたっぷりあるのは特権ですから。出来上がりが、楽しみですな。さしずめ、しばらくは、「ロボットおじん」というところか。

b0102572_10541466.jpg

話は変わりますが、JAZZに興味を持ち出したのは、高校生のとき。映画「死刑台のエレベーター」の「マイルス・ディビス」、「男と女」、「黒いオルフェ」のボサノバから。さて、音楽はどうだろうか?これは、さらにさかのぼって中学生のときであろう。父親が電気技術者で、勤めの傍ら、近所の人に「ラジオ」を組み立ててあげるという、いわば内職をしていた。したがって、家には、電気工作の道具(当時父親自作のオシロスコープやFジェネレータなどがあった!!)が転がっていたため、自然と半田ごてを握り、いろいろな電気工作をして遊んでいた。まだステレオがないとき、真空管アンプとスピーカーBOXを自作でつくり、それをきっかけに、音楽に目覚めていった。ソノシートというビニールで出来たレコード・シートを、よくかけていたもんです。

男の子は、昔、みんな「ラジオ少年」。小学校か中学校の工作の時間に鉱石ラジオをみんなが作ったものです。自作の鉱石ラジオのイヤフォンから放送が聞こえたときの感激。私は、この体験と、父親の影響で技術者の道を歩んできた。TVゲーム漬けのいまの子供たちにも五感にふれる感激から、生涯の道を目指すという選択があるのだろうか?特に、理工科系の学力が危機的状況にあるという。また、団塊の世代の大量退職による技術・技能の伝承も危機にあるという。かって、「ラジオ少年」であった、一人一人の技術者が、それぞれの企業での「プロジェクトX」を抱え、それを誇りにして駆け抜けてきた我々世代の技術者・技能者たち。今後も、世界の中で、「技術立国日本」、「ものづくり立国日本」、「省エネ・環境立国日本」という理工科系の人材による、優位性を保ち続けていけるのだろうか?

さて、「カーリーサイモン」の新作アルバム、「Into White」がリリース。1970年ごろデビューし、「ジェームズ・テイラー」と結婚、離婚してから約25年。彼との間の二人の子供も成長し、シンガー・ソング・ライターとして自立しているという。そんな彼女が、母親が子供に聞かすような歌、童謡、子守唄などを主体としたアルバムをリリースした。「オー! スザンナ」、「ブラックバード」、「さらばジャマイカ」、「You Are My Sunshine」、「虹のかなたに」などが収録されている。このアルバムは、彼女自身のHP(http://www.carlysimon.com)のキャッチ・コピーで、「Something songs for the young & young at heart (若者たちと気持ちが若い人たちのための心和らげる歌の数々)」 と紹介されている。アコースティックで、心和む、優しいアルバム。 50歳後半になり、年輪を重ねた、今の彼女だから歌える歌の数々なのかもしれない。

このアルバムに、彼女の子供たちは、きっと感じているだろう。『母の歌い給いし歌たちよ!』と。

Into White
カーリー・サイモン / / ソニーミュージックエンタテインメント
スコア選択:


ジェームズ・テイラーとの離婚直後、1981年にリリースされた「トーチ」。切なくなるような女ごころ、未練、苦悩が、よくつたわってくる。   

Torch
Carly Simon / Warner Bros.
ISBN : B000002KMN
スコア選択:

結婚、出産をへて、もともとセクシーな彼女が、肉感的な色香を全開したジャケット。こうなるともう中身などはどうでもよく、「ジャケ買い」、「秘密の花園」入りのアルバム。

Playing Possum
Carly Simon / / Elektra
スコア選択:


結婚後、幸せ一杯の妊娠の写真をジャッケットに使って話題となった、1974年リリースのアルバム、「Hotcakes」。

Hotcakes
Carly Simon / / Elektra
スコア選択:


デビュー当時の1970年ごろ、リリース・アルバム。人の一生、一人の女性の生涯の変遷が、このようにアルバムをたどるだけでも、よく分かる。

Carly Simon
Carly Simon / / Elektra
スコア選択:


純真なラジオ少年の話から大幅に脱線してしまいました。
[PR]
by knakano0311 | 2007-01-23 19:30 | ミューズたちの歌声 | Trackback | Comments(0)

USA・JAZZY紀行 (8)  ~続・エンタメの王国 ~ 

「エンターテイメント」といえば、「ラスベガス」をはずすことは出来ないでしょう。当時、演出照明、景観照明などの仕事に関係していたため、プライベートを含めて、数回訪れたことがあります。「ホテル・ベラッジオの噴水ショー」、「シーザーズパレスのフォーラム・ショップス」、「フリモント・ストリート・エクスペリエンス」の3点セットに、システム調査、或いはお客さんを連れて行き、仕事とはいえ、いわゆる「おいしい出張」でやっかみも言われた事もあります。
「ラスベガス」、あらゆる人間の欲望をかきたてる人工の街、エンターテイメントの極致といえる街である。  

1)ホテル・ベラッジオの噴水ショー

b0102572_12485597.jpg


1000をこえる噴水口が、光と音楽にシンクロして、コンピューター制御され、見事な噴水ショーを見せてくれる。勿論、料金はフリー。ショーの音楽はシナトラ、ライオネル・リッチーなどのヒット曲が使われているらしいが、最も人気のあるのは、ベラッジオのテーマ曲とされ、「サラ・ブライトマン」、「アンドレア・ボチェッリ」のデュエットによって歌われる「Time To Say Goodbye」。
「サラ・ブライトマン」は紹介するまでもない、クロスオーバーの女神として、大人気。「アンドレア・ボチェッリ」は、盲目のテノール歌手、あのトリノの冬季オリンピックの開会式で歌った今最も人気のあるテノール歌手である。
ボチェッリは、12歳で視力をほぼ失っている。その障害を乗り越え、歌手となる夢を捨てずに、34~5歳から歌手としてのキャリアを実現した人物である。そういった彼の生きざまも、共感を呼ぶ1つの要素となっていることは間違いない。

Time to Say Goodbye
Sarah Brightman / / Angel Records
ISBN : B000002SMW
スコア選択:

ロマンツァ
アンドレア・ボチェッリ / / ユニバーサルクラシック
ISBN : B00005FG09
スコア選択:

この「ベラッジオ」の噴水ショーは、「ベラッジオ」のカジノの売り上げ強奪をたくらむ、ジョージ・クルーニー主演の映画「オーシャンズ11 」でたっぷり観られます。ちなみに、「ジョージ・クルーニー」は、女性JAZZシンガー「ローズマリー・クルーニー」の甥にあたるそうです。

オーシャンズ11 特別版
ジョージ・クルーニー / / ワーナー・ホーム・ビデオ
ISBN : B000IU4ML0
スコア選択:



2)フォーラム・ショップ

b0102572_1301960.jpg


ホテル「シーザーズ・パレス」に併設された巨大なショッピング・モールで、古代ローマの街を模した「フォーラム・ショップス」。ショッピング・モールが、ひとつのテーマパークになっており、巨大な室内空間につくられた古代ローマ世界。いわば、大道具と照明演出によって、コスト・パフォーマンスの高い、異空間を作り出した手法。東京お台場の「ビーナス・フォート」は、ここのコンセプト、手法を模したものである。

3)フリモント・ストリート・エクスペリエンス

b0102572_1255466.jpg


家族みんなが楽しめるフリー・アトラクションで、新・ホテル地域にすっかり客を奪われた、カジノ中心の旧・ダウンタウンが、7000万ドル(84億円)の巨費を投じ、高さ27m、全長450mのアーケードの天井全体を巨大スクリーンとした、アトラクションを建造した。コンピュータ31台 210万個の電球による巨大な映像ショーである。ジェット機が、バファローの群れが圧倒的な迫力で天井を駆ける。この成功により、このイベントは、「ダウンタウンの復讐」と呼ばれた。

この3つのエンターテイメントは、犯罪者を乗せた護送用飛行機が、ハイジャックにより、ラスベガスの市街地に不時着するというストーリの、ニコラス・ケイジ主演の映画「コン・エアー」でも垣間見られる。

コン・エアー 特別版
ニコラス・ケイジ / / ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
ISBN : B0009Q0K14
スコア選択:


少し足を伸ばせば、人工と対極にある「グランド・キャニオン」の自然美が楽しめる。ラスベガスを経ち、グランド・キャニオンへ行く途中の砂漠の真ん中に、あの傑作映画「バクダッド・カフェ」のモデルになったモーターインがある。
砂漠にたたずむ、うだつのあがらない人々が集う、さびれたモーテル「バグダッド・カフェ」。そこへやってきたのが、夫と旅の途中で喧嘩別れをした、ドイツ人のジャスミン。彼女の出現は、徐々に周りを変えていく…。なつかしや、ジャック・パランスがジャスミンに思いを寄せるいい人役で好演。

バックに流れる名曲「コーリング・ユー」は、静かな感動を呼び覚ますと大変注目された曲。

b0102572_10583398.jpg

バグダッド・カフェ 完全版

マリアンネ・ゼーゲブレヒト / 紀伊國屋書店


 
 

この主題曲を歌って話題になったアルバムが、「ホリー・コール/コーリング・ユー」。
カナダ人シンガーの彼女が、ピアノ・トリオのシンプルなサポートを受けながら、スタンダード系を中心に、リラックスした雰囲気で歌っている。とても聴きやすいスタンダードな曲ばかりですが、古さを感じさせない歌唱力が素晴らしい。

コーリング・ユー
ホリー・コール・トリオ / / 東芝EMI
ISBN : B0000562LB
スコア選択:


「Calling You ‐ ホリーコールトリオ」

          

そうそう「Holly Cole」といえば、3年ぶりの最新アルバム「シャレード」は出色のできばえ。
「シャレード」、「シェルブールの雨傘」、「三月の水」、「イッツ・オールライト・ウィズ・ミー」など、映画音楽、スタンダードを中心に、まさに面目躍如の出来。クールだが、スイング感あふれる、その表現力は抜群である。

シャレード
ホリー・コール / / 東芝EMI
ISBN : B000KJTLGU
スコア選択:
[PR]
by knakano0311 | 2007-01-20 18:19 | JAZZY紀行 | Trackback | Comments(0)

続々々・いもたこなんきん  

我ワイフの「いもたこなんきん 覗き見報告」第四弾、「新春編」です。
日本人シンガーではあるが、バラードを豊かな表現力、歌唱力で歌える大人のシンガー、三人を最近よく聞いています。

一人目は、「徳永英明」。大晦日の紅白歌合戦に、初出場ということで、えらいミーハーしていました。高音で、ややかすれ声が魅力。「Vocalist」、「Vocalist 2」では、日本のニュー・ミュージック、J-POPSのスタンダードともいえる曲を感情込めて歌う。女性歌手の唄のカバーがほとんどであるが、全く違和感を感じさせない彼の世界に仕上がっている。(つぎの二人のヒット曲もカバーしています。)

VOCALIST (通常盤)
徳永英明 / / ユニバーサル・シグマ
ISBN : B000A89TAY
スコア選択:

VOCALIST 2
徳永英明 / / ユニバーサル・シグマ
ISBN : B000GALFDK
スコア選択:

次の二人の女性歌手のアルバムもしっかり聞いてますね。 「大橋純子」、「高橋真梨子」。伸びやかな高音と抜群のリズム感が魅力の「大橋純子」。大人の女の魅力一杯の感情表現で、聴くものを魅了する「高橋真梨子」。二人とも熟年、アデージョの年頃。きっと駆け出しの女性JAZZシンガーより、もっと上質のJAZZを聴かせることが出来るのに、なぜJAZZを歌わないのかな?

ベスト・ソングス・オブ・大橋純子
大橋純子 / / バップ
ISBN : B00005H0FL
スコア選択:

バラード
高橋真梨子 / / ビクターエンタテインメント
ISBN : B0000BHMAI
スコア選択:


「ごめんね - 高橋真梨子」

          


ことしも「いもたこなんきん 覗き見報告」を続けます。
[PR]
by knakano0311 | 2007-01-18 23:21 | いもたこなんきん | Trackback | Comments(0)

USA・JAZZY紀行 (7)  ~ エンタメの王国 ~ 

前回、ヨーロッパの町並の美しさに比べ、日本の街の醜悪さは、「モータリゼーション」「大量生産・大量消費」などの、「アメリカ型」の価値観に追従した結果ではないかと書いたが、ヨーロッパの美しさの裏側には、白人優位主義=有色人種差別、未だに貴族社会の影をひきずる階級社会が見え隠れしている。 アメリカもすさまじい、格差社会であり、弱肉強食の社会ではあるが、機会均等な世界といえるのが、プロスポーツ、芸能など「エンターテイメント」の世界である。

アメリカは、まさにエンターテイメントの王国。アメリカのプロ・スポーツをみると、このことをがよく実感できます。
ミネアポリスで地元のプロ・バスケットボール・チーム「ティンバー・ウルブス (Minnesota Timberwolves)」が「ユタ・ジャズ (Utah Jazz)」を迎え撃つNBAの公式試合を観戦したことがあります。もちろん徹底的な地元びいきの観衆、応援のすごいこと。ラスト5分間で、ティンバー・ウルブスが逆転勝利を収めたから、その興奮たるや、すさまじいものであった。
はじめて見た私も、我を忘れるほど興奮するものでした。

b0102572_22222083.jpg

野球では、ナショナル・リーグ西地区の地元「サンフランシスコ・ジャイアンツ(San Francisco Giants)」と「フィラデルフィア・フィリーズ(Philadelphia Phillies)」の試合を見たことがます。ちょうど、バリー・ボンズ(Barry Lamar Bonds)のホームラン新記録が間近で、球場の外壁にボンズのホームラン数のパネルがかかっていたことを覚えています。初めてメジャー・リーグの試合を見ましたが、「球場」を「ボール・パーク」と呼ぶことから分かるように、日ごろ親しんでいる阪神タイガースの「野球」とは、球場の設備も、試合も全く違う、「ベース・ボール」と呼べるものでした。何が違うかといえば、すべてファン優先の球場であり、球場の設備で言えば、座席は足が組めるほどゆったりとしており、外野席のあちこちには、よく見えるようにTVのディスプレイが設けられ、最上段の通路は空調完備、試合を観戦しながら食事も可能というもの。
日本人初の大リーガー「村上雅則選手」の大きなパネルが、歴代の選手と一緒に、通路に飾ってあったのが印象に残っています。

アメリカ国歌の斉唱で始まり、「ボール・パークに連れて行って」の大合唱のなかで試合が始まるます。日本式のカネ、太鼓などの応援はなく、観客は試合そのものに集中できるような気がしました。イニングの合間には、ボードに子供の観客への「誕生日お祝いメッセージ」などが流れ、ホームランが出ると花火が上がるなど、こんなところにもファンサービスを感ずることが出来ます。試合はボンズにはホームランどころか、ヒット1本もでず、SFジャイアンツが負けましたが、試合が終わって、観客もまばらになったスタンドには、「トニー・ベネット」がうたう「霧のサンフランシスコ/I Left My Heart In Saint Francisco」が、ただ朗々と流れるばかりであった。

「トニー・ベネット - 霧のサンフランシスコ」

          

その、「トニー・ベネット」の新作アルバム。「デュエッツ:アメリカン・クラシック」。ジェームズ・テイラー、スティービー・ワンダー、ポール・マッカトニー、ダイアナ・クラール、セリーヌ・ディオン
、スティーヴィー・ワンダー、エルヴィス・コステロ、クリス・ボッティ、マイケル・ブーブレ、スティングなど、そうそうたるアーティストたちとのデュエット。超大物なるがゆえか。御年80でこの歌唱力。相変わらずうまい!! 「霧のサンフランシスコ」だけがソロなのも粋である。

デュエッツ:アメリカン・クラシック
トニー・ベネット / / ソニーミュージックエンタテインメント
ISBN : B000I6BM44
スコア選択:

アメリカ人にとってのスーパー・ボウルは、サッカーのワールドカップ以上に大きな存在。この時期に行われるアメリカ人主催の国際会議は必ず、このスーパー・ボールをはずして行われる事を何回も経験している。「スーパー・ボウル」。毎年1月の最終日曜(または2月の最初の日曜)に行われるため、フロリダ州、カリフォルニア州、アリゾナ州といったある程度温暖な地域に開催地が偏ってしまう。今年はフロリダ州のマイアミ、2005年2月にオーランドを訪れたときは、近くのジャクソンビルで行われたあとの1週間後であったため、興奮覚めやらずという雰囲気であった。残念ながら、アメリカン・フットボールのNFLの公式戦だけはスタジアムでまだ見ていない。

アメリカ人のエンターテイメント、ショーマンシップに対するあくなき追求とセンス、観客を第一優先にする、この国民気質は一体どこから来たのだろうか?
[PR]
by knakano0311 | 2007-01-18 11:50 | JAZZY紀行 | Trackback | Comments(0)

欧州JAZZY紀行(3)  ~ Schoner Wohnen ~ 

b0102572_22255914.jpg

外国の旅から帰ってくるといつも感ずることがある。日本の自然は四季の移ろいがあって、豊かで、本当に美しい。しかし、都市は醜悪である。とくにヨーロッパから帰ってくると強く感ずるのは、何故だろうか? 日本の都市、町がこんなに醜悪なのは、明治以後、特に第二次世界大戦後の近代化の中で、街づくり・都市づくりのコアになる「コンセプト」、「アイデンティティ」を喪失しまったからではないだろうか?言い換えれば、政治、教育、価値観などを含めた日本人、日本の在り方、価値観の変遷などと深く関係しているのではないだろうか。

ドイツ、北欧など北ヨーロッパの都市を訪問して、気がつく事がいくつかある。
第一に、都市・町のサイズがコンパクトである。人口100万を超える都市は稀で、ドイツでは、ベルリン、ミュンヘン、ハンブルグくらい。中部ヨーロッパでもパリ、ウイーン、プラハ それにロンドンくらいであろうか。ストックホルム、フランクフルト、コペンハーゲン、ヘルシンキ、オスロなど、その名前をよく知られた首都級の都市でも50~60万人くらいである。この「コンパクトである」ということが、町の機能、景観と大きく関係しているように思う。
具体的には、歩けるサイズ、自転車でいけるサイズ、路面電車でいけるサイズである。職住接近、街中に暮らすことが出来るサイズである。
東京を代表とする「大都市志向」と比べて考えれば、すぐに分かることである。現在も「行政の効率化」の名目で数多くの自治体が合併を目指しているが、本当にいいのであろうか?

第2に、その都市の個性を形作るコアになる歴史的建造物と、それとセットになった空間が、街の中心に、必ず存在している。城、教会、市場、広場などがそれである。それらが、その都市の存在感、 たたずまいを決定している。とくに休日の朝など、町の中心部の広場に市が立ち、人が集まってくる風景をみると、住まい・くらしと街とが一体になっていることがよく分かる。
郊外の大型スーパーなどの出現で「シャッター通り」化した中堅都市の商店街などとは無縁の光景である。
20世紀初頭に石油が発見され、モータリゼーションをコアコンセプトとして街づくりをすすめていった米国はその対極にあり、そういう米国流に近い暮らし方を選択した日本人の当然といえば当然の結果か。

第3に自分たちが住んでいる地域・街に誇りを持ち、その景観、暮らし方を大事に、守っていくという住民たちの意思と、それに基づく建築物、街づくりに対する規制、ある種の道徳というか共通の価値観がある。
木材が名産のドイツのある街では、建物を建築する場合、壁・床などに50%以上の木材を使わなくてはならないとか、隣家との境界との距離は4m以上とる(従って隣家とは8m以上はなれている)、建物のデザイン・看板などを規制する条例がある。また中心部では、電線・電柱の類が一切ないということも街の景観を美しく見せる大きな要因である。こんなことすら、この国では出来ない。

けちで、ものを捨てないドイツ人 ・北欧人気質のせい、石造り文化のせいもあるでしょうが、ただ古いものを大事にするだけでなく、また古い建物を遺産化するのではなく、修繕しながら、そのまま使っている。姫路城に姫路市役所が入っていると想像してもらったらいい。だから街が、建物が、現在形で生きている。
新幹線駅、高速道路、大型郊外ショッピングセンター、豪華役所とイベントホールづくりを優先する日本の街づくり。なにかおかしいと思うのは私ばかりでしょうか?あの中国でも「風水」が都市づくりの基本コンセプトなっていると聞く。

ヨーロッパでは、新築工事より、リニューアルの方が多く、フランスあたりでは新築比率は30%台?だった記憶がある。
フランス電気協会を訪問したときのこと。そのビルは築後300年で1Fには馬小屋を残してあることを誇らしげに自慢していた。勿論、ITとオフィス環境が最新・最高であることは言うまでもありませんが。
かっての部下の家族が借りていたスエーデンの一軒家。築後百年と聞いてびっくりしたことがある。全く古さを感じさせない石造りの1軒家。
街の中心部から歩いて15分、広い住人専用庭園付のクレッセント(弧状のマンション)に住む、エディンバラの友人、築後数百年と聞く。

勿論、種々の日本の条件、歴史は承知した上で、語っているのだが、ドイツの言葉に「Schoner Wohnen 美しい暮らし」がある。団塊の世代のさきがけの我々、自戒、反省を込めて、今この言葉を、噛みしめて見たい。国民一人一人の「美しい暮らし」が担保され、その「美しい暮らし」の延長上に、その総和に「美しい国」があるわけで、決してその逆ではありません。

今年最初の収穫は、ノルウェイ出身の女性シンガー、「インガー・マリエ/By Myself」。2004年のデビュー作は、大ヒットを記録したという。本アルバムは第2作であるが、ノラ・ジョーンズ、マデリン・ペルーなどの系譜に連なる癒し系。ミュンヘン近郊の定宿、木のぬくもりと手作りのホスピタリティを感じるホテルの部屋で、くつろいでいるような感じがする。レノン、マッカートニーのカバー「I Will」、こんなにも優しい曲だったかと感じさせるほどゆったりとしてしまう。

By Myself
インガー・マリエ / / コロムビアミュージックエンタテインメント
ISBN : B000J10B04
スコア選択:


「I Will - Inger Marie Gundersen」

          


北欧スエーデン生まれフランス育ちの美形。収録曲は、すべて彼女自身が作詞作曲したオリジナル曲。新人ながら、しっかりした力量の持ち主、JAZZYではあるが、ポップス調の非アメリカ的JAZZの世界にはまってしまう。

ア・フラクション・オブ・ユー
フレドリカ・スタール / / BMG JAPAN
ISBN : B000I2K7GW
スコア選択:
[PR]
by knakano0311 | 2007-01-16 23:15 | JAZZY紀行 | Trackback | Comments(0)

HOPE「希望」  ~ 秋吉敏子のメッセージ ~

b0102572_2239881.jpg

1月6日夜、NHK総合TV「@ヒューマン」で秋吉敏子の特集をやっていた。
タイトルは『HOPE「希望」』。

「私家本「歳時記」のすすめ」でも少し触れたが、「秋吉敏子」77歳。戦後、満州から引き揚げ後、JAZZを目指し、50年ほど前、多分、日本人のJAZZアーティストなんてまったくいなかったニューヨークへ単身渡り、苦節の末、JAZZミュージシャンとして、全米で評価され、マイルス・ディビスやソニー・ロリンズたちとならぶ「ジャズマスターズ賞」を受賞した日本が世界に誇れるJAZZアーティスト。

彼女が、原爆の地、ヒロシマの一枚の写真に写った女性にインスパイヤーされて、JAZZ組曲「ヒロシマ ~そして終焉から」を作曲し、広島でコンサートを行ったのが、2001年8月6日。そして、その直後に「9.11」が起こった。彼女は、それ以後のコンサートから、最後の曲に、この「ヒロシマ ~そして終焉から」の第3楽章「HOPE」を必ず演奏するようになったという。この曲に「谷川俊太郎」が詩をつけ、前夫チャーリー・マリアーノとの愛娘「マンデイ・満ちる」が歌う『HOPE 「希望」』を新たにレコーディング、リリースをした。

「9.11以後戦争がなくなるどころか、かえって増えている。一ミュージシャンが国際政治に影響を与えるなんて出来ないが、社会人の一人として、決して希望は捨てないというメッセージを発することは出来る」と彼女は言う。

「ミナマタ:平和な村~繁栄とその結果~」、「ヒロシマ ~そして終焉から」と日本人ならではのアイデンティティから、強いJAZZメッセージを発信してきた彼女。「四季」、「すみ絵」、「塩銀杏」、「花魁譚」、「スケッチ・オブ・ジャパン」など、日本人の瑞々しい感性とタッチにあふれる曲を紡いできた彼女。本当に世界に誇れるJAZZアーティストである。77歳・・・・・ う~~~ん。

ヒロシマ そして終焉から
秋吉敏子ジャズ・オーケストラ・フィーチャリング・ルー・タバキン / / ビデオアーツ・ミュージック
スコア選択:


HOPE「希望」
秋吉敏子 / / 日本クラウン
ISBN : B000JLTDOO
スコア選択:

「秋吉敏子&マンディ満ちる - HOP­E 希望」

        


【追記】
1月27日NHK-BS2で、サントリー・ホールで行われた、「秋吉敏子60周年記念チャリティ・コンサート」のライブを放映していた。故郷満州の荒野のどこまでも続く一本の道と、渡米してからの日本人JAZZアーティストが故の苦難の道を重ね合わせた、オープニング・テーマ「ロング・イエロー・ロード」で幕を開け、まるで「ルー・タバキン」のフルートが横笛のように聴こえる、鼓も交えての演奏「孤軍」。フィリッピンのジャングルから帰還した小野田元少尉に捧げられた曲である。日本音階を自由自在に操るタバキンのアドリブ。和太鼓の「林英哲」も参加しての「ドラム・コンペティション」。最後は「マンディ満ちる」のボーカルによる「HOPE 希望」。彼女のメッセージがこめられた密度の濃いライブであった。
[PR]
by knakano0311 | 2007-01-07 00:15 | おやじのジャズ | Trackback | Comments(0)