大屋地爵士のJAZZYな生活

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欧州JAZZY紀行(7)    ~ パリの街角にて ~ 

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今回の旅で気づいたことがある。今まで出張などで海外に出かけると、3~4人連れのオバサン、失礼熟年女性が目立ったものであるが、今回は、定年退職後のシニアの夫婦連れ、それも団体でなく、「夫婦二人連れ」を多く見かけた。いわゆる「団塊の世代」の定年退職が始まり、記念に夫婦でゆったりと欧州旅行といった構図であろう。多分、夫の男性も海外出張などで旅なれた感じで奥さんをリードしているといった感じで、いい時間を過ごしているなと感じられた。

パリは、オペラ座の近くの焼肉屋で夕食を済ませた後、路上でかって元の会社で、一時上司であったT氏ご夫妻とばったりと遭遇。こんなサプライズにも前述の動向が見て取れよう。

今回のパリは訪問5回目にして始めてエッフェル塔の最上階まで上ったことを別にすれば、パリの「街角めぐり」とセーヌ川の「川べり散策」を楽しもうという企画であった。サン・ジェルマン、カルチェ・ラタン界隈のカフェやいろいろなブティック。リヨン駅近くの高架橋の上を2kmも延々と続く空中プロムナード、「プロムナード・ブランテ」。緑と花一杯の散歩道。そしてその下にあるいくつもの工房やブティック、クラフト・ショップ。並ぶ数々のウインドウがオシャレで個性に富んで面白い。そして、1900年パリ万博の折に建造されたリヨン駅構内の名物レストラン「ル・トラン・ブルー(ブルー・トレイン)」に併設されたバー、「Big Ben Bar」でコーヒー(4.5ユーロ)で休息を。この「ル・トラン・ブルー」は建造当時の豪華なスタイルの内装装飾を今に伝えているが、夜のディナー(ダ・ヴィンチ コードの章でも取り上げましたので参照)は、ちょっと敷居が高いと思われる人にもぜひおすすめ。列車を待つ人たちが思い思いのスタイルで時間を過ごしています。

春の日差し一杯の青空の下、エッフェル塔からオルセーまでのセーヌ川散策もおすすめ。おなじく1900年に建造された美しいアレクサンダー三世橋、グラン・」パレなどを見ながらの散策は、心地よさと、開放感に包まれます。こんな「街角めぐり」を棒になった足と引き換えに楽しむことが出来ました。個人ツアーのいいところで時間の制約がないので、疲れたら、いたるところにある公園や教会の中庭、ベンチ、カフェで一休みしながらの散策、毎日50分のウオーキングの成果がでましたね。

サン・ジェルマンで入ったカフェに流れていたJAZZは「チェット・ベイカー」。彼のヨーロッパ・コンサート・ツアーのパリ・ライブから。

ベスト・オブ・チェット・ベイカー・イン・パリ
チェット・ベイカー / / ユニバーサルクラシック
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モンマルトルの丘では、ギター3本とベースの「ジプシー・スウイング風」のストリート・ミュージックに聞惚れたことも楽しい思い出。

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パリの街角の石畳には、ミュゼットがよく似合うとあらためて思う。妻の「いもたこなんきん」の一枚でもあった、御年77歳になるフランスのアコーディオン弾き、「ジャン・コルティ爺さん」のパリの大衆音楽「ミュゼット」のアルバム、「クーカ」。パリの薫りを思い出すため、帰ってきてからもよく聴いています。哀愁があって、小粋で、レトロで、艶があって、洒脱。まさしくパリジェンヌがコーヒーを楽しむ、パリの街角のカフェが眼に浮かびます。


クーカ
ジャン・コルティ / インディペンデントレーベル
ISBN : B00005NE8E
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by knakano0311 | 2007-04-29 12:00 | JAZZY紀行 | Trackback(2) | Comments(0)

我が家の歳時記・桜月編  ~ 日本の桜・パリの桜 ~

4月は「卯月」。卯の花の季節だから「卯月」なんだそうだ。しかし、四月はやはり「桜月」と呼びたい。「見事な桜の下には骸(むくろ)が埋まっている」と詠んだのは、西行であったか?一斉に咲いて、さっと散る散り際、昼は華麗、夜は妖艶。桜ほど日本人の美意識、死生観を表わしている「花」はない。私の住んでいる街にも、身近に、いくつかの公園があり、4月になるとそれは見事な桜が楽しめる。この4月は、わが街の桜を皮切りに、フィレンツエの桜、パリの桜、信州の桜、北京の桜、最後にわが街の八重桜、と桜を追って過ごした一ヶ月であった。

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フィレンツエは街が一望の下に見渡せる「ミケランジェロ広場」の近くに京都の「高台寺」を模した日本庭園があり、そこの桜を含めて我々が訪れたときは桜が満開であった。またパリは「シャンゼリゼ大通り」や「ノートルダム寺院」の公園に咲き誇っていた桜。花びらも大ぶりで、色もピンクがかっており、日本の風情とは違って澄み切ったイタリアやパリの空の下、あくまでも明るく、美しく、華麗であって、はかなさ、妖しさなどは微塵も感じさせない「桜・チェリー」であった。

ヨーロッパから帰国し、信州に帰省の際、散歩で訪れた実家の近くの里山の阿弥陀堂の桜。街を一望の下に見渡せる墓地の脇、まさに骸が埋まっている墓地の脇に咲き誇っており、昼だというのに、気のせいか殺気と妖しさを感じさせる桜であった。気のせいとはいえ、場所によって、気分によってこれほど桜に対する感じ方が違うとは。あらためて日本の風土と桜のもつ濃密な関係、桜への日本人の思い入れを自覚したものである。

さらに今週は北京へ仕事で。西二環路にある公園の横を車で通り過ぎたが、この公園でも、日中友好のためだろうか、日本から持っていって植えたという桜がまたしても満開であった。

我が家の歳時記としてヨーロッパの桜は、挙げにくいが、この四月の一ヶ月、桜月とよぶにふさわしい「桜追い」の一ヶ月であった。

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    ノートルダム寺院対岸の桜                   実家近くの阿弥陀堂の桜



パリで買い求めたCD、「カーラ・ブルーニ」の第2作「No Promises」。フランスのNorah Jonesとも称される、イタリア出身の元スーパーモデルでシンガー・ソングライターに転身。デビュー作の「ケルカン・マ・ディ ~ 風のうわさ」が大ヒット。天が二物を与えたという代表例。
さて、彼女の2ndアルバム。歌詞はアイルランドの劇作家ウィリアム・バトラー・イェイツ、アメリカ文学史の偉人E.ディキンソンら詩人達の引用句で全編英語で綴られている。 何故英語でという理由は、「英語はフランス語と違って、音楽的で、リズミックなの。10代のころ、ローリング・ストーンズやボブ・ディランよってすっかり英語漬けになったことがあって、イェイツらの詩をぜひ英語で歌いたかった。」と語っているのを、たまたまフィレンツエ空港においてある雑誌の記事で読んだ。ジャケットに収められた写真の楚々とした美形は、久しぶりの「秘密の花園」入り。

No Promises

Carla Bruni / Naïve




また、北京で買い求めたのCDは、「小野リサ」の初期のボサノバ集、「Rio Bossa」+「Amigos」の2枚組みアルバム。「Rio Bossa」のほうに、50年ほど前ブラジルで大ヒットしたという「日本の桜」という曲が収録されている。美しくデリケートな日本の桜に恋をする夢を見たという歌。この曲を「リサ」はデビュー初期のアルバムで取り上げ、可憐に歌い上げている。これを買った北京のCDショップには小野リサのほかのアルバムもいくつか置いてあったところをみると、北京にも結構彼女のファンがいるのかもしれない。2枚組で40元(約600円)。他の日本人アーティストとしては、浜崎あゆみ、倖田来未、大塚愛などもおいてあった。

リオ・ボッサ
小野リサ / / BMG JAPAN
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by knakano0311 | 2007-04-28 23:46 | 我が家の歳時記 | Trackback | Comments(0)

欧州JAZZY紀行(6) ~ La Dolce Vita ~  

しばらくブログをお休みしていましたが、4月の上旬に9日間ほどで、「フィレンツエ」と「パリ」を旅してきました。もうヨーロッパもすっかり春。明るい日差しと、花に包まれたヨーロッパの街を楽しんできました。ルネッサンスの都、「花の都」という意味の通りの「フィレンツエ(フローレンス)」。街中が世界遺産で、ルネッサンスの息吹と抜けるような開放感、澄み切った明るさを体中で、感じられる街。ウッフィツィ美術館で見た「ボッチチェリ」の「春」、「ヴィーナスの誕生」にも感動。ちょうど、フィレンツエ滞在のときが「復活祭」で、大聖堂(ドウオーモ)の前の広場で幸運にも「復活祭」のイベントを最前列で見ることが出来ました。いわゆる「イースター・パレード」の終点が大聖堂で、ここでパレード最大のイベントが行われます。ルネッサンス当時の衣装に身を包んだ、鼓笛隊、旗手隊、騎士団などの隊列のあと、牛に引かれた山車(だし)が登場。鼓笛隊の演奏や、旗手によるパフォーマンスやらがあって、大聖堂の中から火縄を咥えた「白鳩」が飛んできて、山車に点火すると、山車は猛烈な煙と大音響の花火に包まれます。そのすさまじいこと。そのあとは、祝福を受けた卵や花が大観衆に与えられイベントは終了。このイベントは「スコッピオ・デル・カッロ(山車の爆発)」と呼ばれるフィレンツエ独特のもので、起源は1096年の第一回十字軍にさかのぼるとされているそうです。


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パレードの鼓笛隊に、教会こそが西洋音楽のルーツということも強く感じた。

また一方で1900年初期、「ジャンゴ・ライハルト」あたりにルーツをもつ、ヨーロッパ・ジャズの流れ、非アメリカJAZZも、いまや大きな流れとなってJAZZ界に大きく存在している。
ヨーロッパの観光都市では数多くの大道芸人やストリート・ミュージシャンたちがパフォーマンスをくりひろげてくれるが、フィレンツエの広場でも、楽器名は分からないが鍵盤のないピアノのような楽器で、弦をマリンバで使うマレットで叩いて音を出す楽器と、ベース、バンドネオンの、ジプシー系のJAZZトリオが演奏しているのを楽しむことが出来た。

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夜は、ガイドブックに魅かれ、「La Dolce Vita (輝ける時間、輝ける人生という意味か?甘い生活というイタリア映画の原題でもあった)」なるJAZZクラブに行ってみたが、騒々しい10代の若者の溜まり場であったので中に入るまでもなく退散してきました。
ヨーロピアン・ジャズ・トリオのベストアルバムに同名、「La Dolce Vita」があったのを思い出した。「EJT」、ヨーロッパにおけるピアノ・トリオの代表的存在。結成当時からメンバーは変わってはいるが、そのクラシック音楽、ヨーロッパの文化に根ざす流麗華麗なタッチが魅力的なトリオ。数多くアルバムが出ているが、ベスト盤なら本アルバムと「サプリーム ~ザ・ベスト・オブ・EJT~」がお奨め。

ドルチェ・ヴィータ(甘やかな時間)~ザ・ベスト・オブ・EJT~
ヨーロピアン・ジャズ・トリオ / / エムアンドアイカンパニー
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つぎなるオススメは、1999年、ヨーロッパでジャンゴ・ラインハルト賞を受賞した新鋭のトリオ。イタリア出身のイケメン男、「Stefano Bollani Trio」。女性のJAZZ Pianoファンならはまること間違いなし。


黒と褐色の幻想(紙ジャケット仕様)
ステファノ・ボラーニ・トリオ / / ヴィーナスレコード
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ステファノ・ボラーニが愛のメロディを綴るアントニオ・カルロス・ジョビンの作品集。イタリアンジェラードのような甘~い味付けと思うと大違い。なかなか硬派である。

愛の語らい
ステファノ・ボラーニ・トリオ / / ヴィーナスレコード
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「Stefano Bollani Trio - Falando de amor」

          

最後は、イタリアの海坊主こと「Mario Biondi/マリオ・ビオンディ」。ルイ・アームストロングとローン・グリーンを足して2で割ったような独特の声で、R&B、ソウルを歌うが、一度聴くと耳について離れなくなってしまった。しかし、非アメリカ的でイタリア的開放感にあふれる好アルバム。

Handful Of Soul
Mario Biondi & The High Five Quintet / /
ISBN : B000F6IINK
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トスカーナ地方の州都、フィレンツエ。トスカーナ・ワインとパスタとルネッサンス芸術が満喫できた旅でした。今回の旅を触発した映画があります。このトスカーナ地方を舞台にした、ダイアン・レイン主演「トスカーナの休日」。人生の再出発に選んだ地、トスカーナで、米国女性が、習慣の違い、国民性の違いにとまどい、恋に傷つきながらも、トスカーナのゆったりと流れる時間と人々の温かな眼差しの中で、新たな第一歩を踏み出すまでの物語。美しい大自然と陽気でノンビリしたイタリア人気質が観た者をして、旅してみたいと思わせる。祭り、パレード、旗投げの様子も描かれていて興味深い。主人公がトスカーナをツアーで訪れる最初の場面に、フィレンツエの大聖堂(ドオウモ)が出てきます。


トスカーナの休日
ダイアン・レイン / / ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
ISBN : B000BKDRCW
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この旅は、我々夫婦にとって、まさに、「La Dolce Vita (輝ける時間)」であった。
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by knakano0311 | 2007-04-19 22:00 | JAZZY紀行 | Trackback | Comments(0)

旅立ちの季節 

4月は別れと出会いと旅立ちの月。

我が家でも三男が大学を卒業し、就職で首都圏へと旅立っていった。別れの感傷どころか、妻ともどもに、親としては、「やっと巣立ってくれたか」というのが偽らざる実感である。
私も過去に、いろいろな旅を繰り返してきた。19歳で、ふるさとを離れて、大学入学のための北国への旅立ち。就職のため、まったく文化圏が違う関西への不安を抱きながらの旅。新婚旅行。まるでおとぎ話のように美しかった、ハイデルベルグへの3週間の初めての海外出張とドイツの旅。その後、日本全国との世界各国への出張。定年後の妻とのドイツへの再訪・・・・。

振り返ってみると、人生の節目、仕事の節目と重なる旅は、単なる移動だけでなく、心の軌跡や成長と深くかかわりあっているような気がする。だからこそ旅は楽しいともいえるし、写真などはなくてもその印象は深く心に刻まれている。そんな意味では聴いてきた音楽の軌跡もまた、心の軌跡に重なり、心象風景を記憶に刻み込んでくれる。

そんな「旅」をテーマにした心に残るアルバムから。「Lee Oskar」。
「Lee Oskar」は1948年にコペンハーゲンに生まれ、6歳のときに初めてハーモニカを手にした。彼のハーモニカの才能を生かしてくれるバンドを求めて、10代の頃、ヨーロッパからアメリカへと移ってきたが、英語がまったく出来ないため、ストリートミュージシャンからはじめ、相当な苦労を重ねたのち、元アニマルズのボーカル、エリック・バードンに出会い、認められることになった。このアルバムは、彼の最初のソロ・アルバムであり、彼のヨーロッパからアメリカへの旅の回想を含む「旅」がテーマの一編のドラマじたてのような構成のアルバム。

近づいてくる靴音が止まり、ドアをノックする音に続いてハーモニカの憂いを含んだ音色が響く1曲目。2曲目以降も船の汽笛や海鳥の声が効果的に使われ、旅のイメージをいっそうかきたてる。ハーモニカという、片手に入るほどのこの小さなシンプルな楽器が、これほど心にしみる音色とメロディーを奏でることができる。


Lee Oskar
Lee Oskar / / Rhino
ISBN : B0000033BM
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「Lee Oskar - I Remember Home (A Peasant's Symphony), Pt. 3: The Promised Land」

          
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by knakano0311 | 2007-04-01 12:10 | 音楽的生活 | Trackback | Comments(0)