大屋地爵士のJAZZYな生活

<   2007年 10月 ( 9 )   > この月の画像一覧

60歳過ぎたら聴きたい歌(5)  ~  星影の小径 ~

ラジオ少年だった。小学校・中学校のころである。父は電気の技術屋で、本来の勤めの傍ら、土曜日の夜行列車で秋葉原のジャンク屋へいっては、真空管などのパーツを仕入れ、近所の人の注文でラジオなどを組み立てていた。そんな関係で家にはいろいろのパーツや父自作のオシロや周波数ジェネレータなどがごろごろしていたので、自然にラジオ少年になっていった。技術屋としての私のDNAは間違いなく父親譲りのものである。そして音楽好きは多分母親のDNAである。当時家には父親が作った電気蓄音機、略して電蓄があり、時々母親がレコード(当時は78RPMのSP盤)を聴いていたことを覚えている。どんなレコードが在ったかはあまり覚えていないが、タンゴや歌謡曲のレコードに混じって「星影の小径」があったのは、はっきりと覚えている。

「星影の小径(こみち)」。作詞/矢野亮、作曲/利根一郎で、昭和25年に「小幡実」によってヒットした歌。そのモダンなメロディから、和製JAZZのはしりともいえる曲である。小学生であった私が最初に出会ったJAZZYな曲であった。ただ詩の内容は、「アイ ラブ ユー、アイ ラブ ユー・・・」などと、小学生の私には少々過激であり、決して人前では口ずさむことは在りませんでしたが・・・。 

まさに、この歌こそが、私にとって、「父母の教え給いし歌」といえるかも知れない。

最近、和製JAZZが見直されてきて、この「星影の小径」もよく聴くことが多いが、「アン・サリー」のベストアルバムをあげたい。自然体でさらっと歌う「アン・サリー」の魅力。彼女の心地よい声に包まれていると浮世の様々な不愉快なことを忘れることが出来るので、癒し系歌手の代表として人気が高い。

Best of Best~Selected by 黒田恭一

アン・サリー / ビデオアーツ・ミュージック



母親の葬儀を済ませたその日の夜、静かにウイスキーを妻と傾けていた男は、ポツリと妻につぶやいた。「おふくろが歌いたがっていた、銀座の恋の物語のカラオケデュエットは、最後まで 出来なかったが、僕にとっての想い出の曲といえるのはこの歌さ」と言って、低く、しずかに口ずさみだした。


歌詞はこちら。


「星影の小径 - アン・サリー」

          
[PR]
by knakano0311 | 2007-10-27 00:35 | 60歳過ぎたら聴きたい歌 | Trackback | Comments(6)

60歳過ぎたら聴きたい歌(4)  ~  When I'm 64 ~

「・・・ 三十にして立つ  四十にして惑わず  五十にして天命を知る 六十にして耳順(したが)う   七十にして心の欲するところに従って矩(のり)をこえず」
我々の年代以上だったら、多分誰もが知っている「孔子」の教え。人間は歳をとるに従って、精神的な成長を遂げ、人間として完成され、人生を全うしていくというひとつの理想を教えていると、ずっと思ってきたが、はたしてそれは理想であるのだろうか?そうあるのが正しいのか?と疑問を感ずるようになった。
また、最近「老人」といわず、私自身も使っていますが「シニア」などとオブラートに包んだような言い方をする傾向も少し気になります。「美しく老いる」、「かわいいおばあちゃん」など「老い」を美化するキャンペーンも一面では、マーケティングの一環の「虚像」であって、「実像」ではないのではないかという気もします。

時折、報道される「ごみ屋敷」、「猫屋敷」、「ご近所迷惑おばさん」、「セクハラ先生、議員」など皆、「いい年をして」といいたくなるような歳の人たちばかり。ほんとうに、齢を重ねていけば、孔子の教えのような境地に近づいていけるのでしょうか?日常生活の中で毎日のように出会う、駅や空港や病院のカウンター、スーパーのレジなどでクレームをつけている「キレテルおじさん」、あとにつづくの人の迷惑も考えず、どこでもすぐ立ち止まって携帯電話を見る「携帯おばさん」やルールやマナーを無視する「自己中老人」などなど。若者だけでなく熟年者、とりわけ老人の「常識」、「マナー」などもかなり崩壊しているのではないかと思う。こういう場面に遭遇して「キレている自分」に気がつき「あぶない、あぶない」と思うこともしばしばである。

こんな思いをずっと感じていたが、そのことを納得がいくように、解説してくれる「本」があった。藤原智美著「暴走老人!」(文芸春秋刊)。
いい年をした「危ない」大人が急増しているそうだ。2005年、刑法犯で検挙された人のうち、65歳以上の高齢者は約4.7万人。平成元年(1989)は約9600人程度だったから、16年間で5倍の伸びであるそうだ。著者は急増した背景として、「キレる老人」の増加を挙げ、ITの進展によって、「待つ」という時間が極端に排除され、なくなった結果、「待たせられる」ことに対する許容度が低下したこと、ネットワークなどの発展によって自分のペースで時間を使える「自己中心文化」がいっそう確立したこと。そんな時代の変化に折り合いをつけにくい高齢者たちが疎外され、l無意識のうちに警鐘をならしていると記している。

時々「キレそうになる自分」に気がついている読者の皆さん、携帯にも、パソコンにも触れない日でも作ってみますか。それで解決するとも思われませんが・・・・・。

暴走老人!
藤原 智美 / / 文藝春秋
スコア選択:






今回の聴きたい歌は、いわずと知れたビートルズから。ポール・マッカートニー作詞、ジョン・レノン作曲の「When I'm 64 」。この歌は、ビートルズの最高傑作の呼び声高いアルバム「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」に収録され、1967年リリースされた。1966年、ツアー活動を中止し、活動をスタジオレコーディングに移した翌年のリリースである。ポールがこの歌を作詞をしたときは16歳で、父親が64歳になった1966年、ポール23歳のときにサビの部分を完成したそうである。

聴きたい「When I'm 64 」は、「Connie Evingson /Let It Be Jazz」。タイトルからわかるように「Let It Be」をパロったアルバム。そんな遊び心に溢れるビートルズのJAZZカバーの名盤である。彼女この歌が相当お気に入りだったせいか、このアルバムに2テイクも収録している。もともとのビートルズ・オリジナルもデキシーランド風であったが、ここでは、ひとつはポルカ風、もうひとつは、ラグタイム風で、両バージョンとも彼女は本当に楽しそうに歌っている。

Let It Be Jazz: Connie Evingson Sings the Beatles
Connie Evingson / Summit
ISBN : B0000AINL2
スコア選択:



さて、16歳のポールが思い描いた64歳とは・・・。そして現在の日本の若者が描く64歳とはどういう老人像なんだろうか?・・・。「美しく老いる」なんて奇麗事を本当に言い切れるのであろうか?


 「♪ ・・・・・・ 
      きみも一緒に歳をとっていくんだよ   
       もし君がいいよといってくれるならそばにずっといてあげる  
        きれたら電球も、ヒューズも替えられるし僕は役に立つし便利だよ   
      
      きみは暖炉のそばでセーターを編んでいればいいし
         日曜日にはドライブにも行こう    それに庭の手入れもしよう   
          それ以上のことは望まないさ    だから、僕を必要としてくれるかい?   
            ぼくの面倒を見てくれるかい?  ぼくが64歳になったとしても・・・・・ ♪」 


「connie evingson - When I'm Sixty four」

         
 
[PR]
by knakano0311 | 2007-10-25 17:20 | 60歳過ぎたら聴きたい歌 | Trackback(1) | Comments(0)

60歳過ぎたら聴きたい歌(3)  ~ I'm old fashioned ~

定年近くなってから、或いは定年になってから「止めたもの」、「始めたもの」、「変えたもの」がいくつかあります。「止めたもの」の代表は「ゴルフ」。もともとそれほど好きでもなく、従って下手で、仕事で必要なため?やっていましたが、定年を機にスッパリやめました。私の場合、下手なため、高いフィーと満足感のコストパフォーマンスの悪さというストレスと、道具のせいにするという悪循環からやっと解放されています。(世のゴルフファンのみなさんゴメンナサイ)
「始めたこと」の代表はこのブログ。ブログを書くためのいろいろな調査、情報収集や観察力、好奇心など、書くことよりもそちらのほうがかえって面白い場合が多く、楽しみのフィールドがすごく拡がったなあと実感しています。
「変えたもの」。これは「変わらざるを得なかったもの」も含めて沢山あります。かって自分が帰属していた組織、そことの係わり合いによって、日々の自分の生活実態が発生していたため、そこと縁が切れることによって、必然的に変わらざるを得なくなります。会議、情報、メール、携帯電話へのコール、アフター5の付き合い・・・・・、まったくなくなります。このことで感ずる疎外感を克服できるか否か、生活スタイル、ライフスタイルの切り替えが、その後の生活の転機への大きな岐路になるような気がします。
「変える」楽しみのひとつがファッション。まったく自由で開放的。今まで抵抗感があって着られなかった服をどんどん着てみたらいいと思います。定年が近くなったら、スーツやビジネスシューズなんか買うのはやめなさい。まったく必要がなくなりますよ。それよりもむしろカラフルで軽くて着心地のよいジャケットやウォーキングシューズを楽しんだほうがいいと思います。それならば、きっと奥さんも喜んでアドバイスしてくれるはずです。

変えなくてはいけないものがある反面、大切に守っていかなければならないものも、人それぞれに勿論あるはず。それを守って生き方に筋を通していくのもシニアのプライド。

b0102572_23555675.jpg

聴きたい曲はスタンダードから「I'm old fashioned」。ジョニイ・マーサー作詞、ジェローム・カーン作曲。
つい最近発売されたアルバム、「マルガリータ・ベンクトソン/Margareta Bengtson/アイム・オールド・ファッションド(私は古風なの)」。彼女の透き通ったその声に、すっかり参ってしまったので、このアルバムを選びたい。自然を大切にし、ロハス、オーガニックなライフスタイルを大事にするスエーデンから育ったオーガニック・ヴォイスを持つスエーディッシュ・ビューティの唄う「I'm old fashioned」。


アイム・オールド・ファッションド

マルガリータ・ベンクトソン / スパイス・オブ・ライフ




男は戸惑っていた。今日は定年後、初の妻との映画と食事。何を戸惑っているかって?着ていく服装である。妻が「これからは少しはオシャレにも気を使ってね」と用意してくれたチェックのボタンダウンのシャツ、チノパン、リネン地のジャケット。彼は入社以来営業一筋。スーツは「仕事着」とおもい、つるしのダーク・スーツ、白いYシャツ、ネクタイ、黒の紐なしの革靴。これ以外は殆ど着たことがない。たまのオフでも、せいぜい、ゴルフ用のポロシャツとスラックスというところ。実際のところ、今まで着たことのない服装をするということに、これほど抵抗感があるというか、臆病になるとは思わなかったのである。「あと10分で出かけるわよ」という妻の声を聞いても、まだ戸惑っていた。「I'm old fashioned . どうせ俺は偏固で(関西弁で偏屈頑固なこと)時代遅れのオヤジかもしれないが、いままでとちょっとだけ変えてみようか」とつぶやいて決心してみると、少し心が軽くなった。


「♪ ・・・・・ 
   今、流行しているものは、やがては廃れていくものだわ   
    だけど、漏れるため息とか握ってくれるその手の暖かさとか  
      そういうものはきっと変わらないだろうと分っているわ   
         私は時代遅れなの   でも少しも気にしていないわ   
           だってそうありたいと思っているのだから   
            あなたも同じように思ってくれるなら   
              これからもふたりで一緒に時代遅れでいましょうよ  ・・・・・・・ ♪」


「I´m Old Fashioned - Margareta Bengtson」

          
[PR]
by knakano0311 | 2007-10-22 00:05 | 60歳過ぎたら聴きたい歌 | Trackback(2) | Comments(0)

十月のいもたこなんきん   ~愛しきミニチュアたちよ~

b0102572_064847.jpg




映画「エディット・ピアフ」を見た余韻の覚めやらぬせいか、エディット・ピアフの2枚組CD「エターナル」をよく聴いています。最初に妻がパリを訪れたのが10月だったせいか、秋になるとパリの街並みを思い出すようである。
そして、NHK-TV「SONGS」で、先週、今週の2週にわたって、「高橋真梨子」の特集だったから大変。ピアフ⇔高橋真梨子とCDの懸けまわしにいそがしいこと。

エターナル
エディット・ピアフ / / EMIミュージック・ジャパン
ISBN : B00061QVTC
スコア選択:

バラード
高橋真梨子 / / ビクターエンタテインメント
ISBN : B0000BHMAI
スコア選択:

そういえば、朝日新聞夕刊に載っていた「山折哲雄×都はるみ」の対談「演歌と日本人」。その中で、都はるみは「エディット・ピアフ」に衝撃をうけたこと、あの「唸り節」はピアフに通ずるところがあるとも語っている。



現役時代、ヨーロッパ出張が多かったが、そんな折、時々目に付いたミニチュアのクラフトを土産に何度か買ってきたことがある。ヨーロッパには、「ドールハウス?」といったような気がするが、ミニチュアサイズの家に家具やキッチン、サニタリーなど実際の家のように飾って楽しむといった趣味というか遊びの伝統があるようで、そのための小さな家具や、キッチン用品、楽器、食器などが売っている。そんな伝統のせいだろうか、インテリア用の小物のクラフトをよく見かけます。冒頭の写真は、今年4月のパリ旅行した際、リヨン駅近くの工房が集まっている街角で見かけた「靴」のミニチュア。長さにして5cmほどですが、それは美しいミニチュアのハイヒールでした。このときは、手芸材料のお店で見かけた「魔女」と「ミシン」の飾りのついた「指貫き」を買い求めましたが、ときおり眺めてはパリを思い出しているようです。

b0102572_9473414.jpg
見難いですが、奥さん「いもたこ」の左がミシン、右が魔女の指貫






  
[PR]
by knakano0311 | 2007-10-19 00:10 | いもたこなんきん | Trackback | Comments(0)

60歳過ぎたら聴きたい歌(2)  ~  風に立つライオン ~

b0102572_1728998.jpg


2,3年前だったか、JICA(ジャイカ)が主催する「シニア海外ボランティア」の説明会、体験談会に出てみたことがある。JICAによると、この制度は、「開発途上国の人々のために、自分の持っている技術や経験を活かしたい」、そんな強い意欲を持っている、40歳から69歳までの方を派遣し、支援する事業とのこと。活動分野は、農林水産、エネルギー、保健・医療、人的資源(教育・文化・スポーツなど)など9分野。派遣されたボランティアの総数は、2,749名。現在も651名が活動中(2007年1月31日現在)だそうだ。ボランティアの平均年齢は、58.2歳であるが、近年、「人生のセカンド・ステージを、より有意義なものに」と、企業や組織などで長年働かれて、定年退職後に参加されるケースが非常に多いそうである。

当時、確か200人くらいの会場であったが、満員。しかも1/3くらいは女性であったことにびっくりしたことがあります。井戸掘りの技術、裁縫、目の不自由な子供たちのお世話などの体験談を聞き、多くの人が、企業活動としてではなく、シニア海外ボランティアに限らず、海外青年協力隊やいろいろのNGOなどを通じて海外、特に発展途上国のためにボランティアとして働いていることを知りました。勿論、お金のためでも、まして出世のためでもなく。わたしの知人の中にも、定年後、自身でそのような活動をしたり、また子供さんをそのような活動に送り出している人も何人かいます。

異国で、そのような活動をしているすべて人たちへのオマージュ、「風に立つライオン」。この歌は、オリジナルでは聴いたことがないが、「さだまさし」作詞・作曲である。沢知恵がピアノの弾き語りでカバーをしているのを聴いてすっかり惹きこまれてしまった歌である。「美しい国、日本」という言葉の本当の意味を、多分一番よく知っている人々のためのオマージュとして・・・。

いいうたいろいろ2
沢知恵 / / コスモスレコーズ
スコア選択:





アフリカはケニア、ナイロビ近郊の村で、地域医療のボランティアに携わっている彼に、日本から一通の手紙が届いた。差出人は、3年前、この夢の実現ために、すべてを振り切ってアフリカにやってきた彼のかっての恋人。その彼女から、結婚を告げる手紙だった。こんな手紙がいつかくるであろうと彼は予感していたが、堰を切ったように、今の思いを返事にしたためずにはいられなかった。


歌詞はこちら。


「沢知恵」バージョンがアップされてませんので、初めて聴いたオリジナルの「さだまさし」で ・・・ 。

「風に立つライオン ― さだまさし」

          
[PR]
by knakano0311 | 2007-10-16 22:57 | 60歳過ぎたら聴きたい歌 | Trackback | Comments(0)

街を楽しむ

b0102572_18194098.jpg

上)キーボードとフルートのデュオ、Jam M+
下)ピアニカのJAZZデュオ、Selfish


b0102572_18201587.jpg


街規模でのJAZZフェスティバルとしては、仙台JAZZフェスティバル、神戸JAZZストリート、御堂筋JAZZフェスティバルなどがつとに有名であるが、この時期気候がよくなると日本のあちこちの町でJAZZフェスが開かれるようである。神戸もここ2週間にわたって「神戸元町ミュージック・ウイーク」が開かれているので、ふらっと出かけてみました。元町界隈に点在する10箇所のホールではクラシックを中心に、また9箇所の街角では、JAZZ、POPS、BOSSA NOVAなどを中心にストリート・コンサートが開かれていました。JAZビッグバンドからデュオまで、のべ100近くのバンドが街角コンサートに参加しています。神戸を含めて、何故こんなに日本のあちこちの街角でJAZZフェスが行われるのか不思議である。アメリカを含めても、世界中見渡してもこんなにJAZZフェスが開催される国は日本以外ではないのではと思う。また、特に意図して巡ったわけではないが、若い女性のJAZZアーティストが、非常に多いことに気がついた。何故だろう? JAZZはオヤジの音楽というのが定説なのに・・・・。


何箇所かの街角コンサートを巡って、ウインドウ・ショッピングと買い物も楽しみ、最後はオープン・カフェで「お茶」をして、すべて徒歩で3時間あまりという街の楽しみ方。ちょうどいい楽しみ方のサイズである。これには「神戸」という街のもつロケーション、風土、そして何より「街のサイズ」が大きく関係している。ヨーロッパの街もほぼ同じような時間と感覚で楽しめるのだが、その意味で、神戸はヨーロッパの街と通ずる「テイスト」を感じる。

いつも寄る中古のレコード店で買い求めたCDは「ラリー・カールトン/サファイヤ・ブルー」。
歌心あふれるブルースが基調のアルバム。ナチュラルで、のびのびしたギター・プレイ。本当に楽しんでプレイしているラリーが眼に浮かぶ。

サファイア・ブルー
/ ビクターエンタテインメント
スコア選択:
[PR]
by knakano0311 | 2007-10-14 17:50 | おやじの遠足・街歩き | Trackback | Comments(0)

60歳過ぎたら聴きたい歌(1) ~What are you doing the rest of your life ?~

定年を半年後の間近に控えた頃に読んだ本ある。その本を読んだ時、私の定年後への覚悟、スタンスが決ったといっても過言ではない。その本は、河村幹夫著「50歳からの定年準備」(角川新書)。そこには、人生の「3つの定年」についてこう記されていた。

・・・・「第一の定年」は雇用主である他人が決める「雇用定年」、「第二の定年」は自分が決める「仕事定年」、そして「第三の定年」は神様が決める「人生定年」である。この60歳以降の仕事定年までの時代が最も大事で、その人の納得できる生き方はこの間に決まり、その人の本当の姿があらわれる。・・・・・・・・・

この著書は「仕事定年時代」をどう花咲かせ、やがてくる「人生定年」までをどう有意義に過ごすか、について様々な示唆に富んだ、団塊の世代には参考になる著書である。50歳のときにこの本に出会っていたら、私の人生ももう少し違っていたかもとさえ思える。が、著者は言っている、「Not too late」と。私などさしずめ、「仕事定年時代」が始まったばかりの新人、と考えれば、まだまだ未熟者だし、やりたいことも、夢も希望も楽しみも湧いてくるというもの。

五〇歳からの定年準備
河村 幹夫 / 角川書店
ISBN : 4047100048
スコア選択:



60歳を過ぎ定年を迎えてみると、それまでと人生観が少し変わったのか、あるいはセンチメンタルになったのか、若いときにはあまり気に留めずに聴いていた「歌」が、突如、ある種の重みや感慨を持って聴こえてくる場合がある。そんな「歌」の数々を、「60歳過ぎたら聴きたい歌」として書き綴ってみようと思い始めた。その書き綴りの最初の「歌」は、ズバリ、そのまんま「What are you doing the rest of your life (これからの人生)」。

この歌は、ミシェル・ルグラン作曲、アランとマリリン・バーグマン夫妻が作詞した曲で、1969年の映画「The Happy Ending」(私は見てませんが)に使われた。バーグマン夫妻とルグランのコンビによる曲には、「The Windmills Of Your Mind (映画「華麗なる賭け」主題歌)」、「The Summer Knows」などがヒット作として有名である。
この歌を歌っているアーティストは沢山いるが、私は我がミューズ、「ステイシー・ケント」が、彼女最愛のパートナーである「ジム・トリンソン」が、彼の名義でリリースしたアルバム「The Lyric」の中で唄っているのが一番好きである。

The Lyric
Jim Tomlinson / Token
ISBN : B000EHPOTQ
スコア選択:


また、全てのピアノトリオの祖と言っていい、「ビル・エヴァンス・トリオ」が奏でる「What are you ・・・・」も心に染み入る演奏。

Blue in Green

Bill Evans / Milestone



「What are you doing the rest of your life - Bill Evans」

          



定年を迎えたその日、妻と待ち合わせをして食事をしたあと、男は時々隠れ家のように訪れていたJAZZクラブに妻を連れて行った。二人ともすっかりリラックスし、和やかな気分になった頃、ライブが始まった。何曲目かに女性シンガーが歌いだした曲は「What are you doing the rest of your life ?」。実は男が手洗いに立ったときに、妻がリクエストしておいた曲であった。男はそのことに気付いたが口には出さず、妻に向かって、少し照れたように微笑みながら大きくうなずいた。・・・・・・・

「♪ あなたはこれからの人生をどう過ごすの? 
    あなたの人生を取り巻くいろいろのことについてもよ。
     たった一つお願いがあるんだけど、
          それはこれからずっと一緒に過ごして欲しいってこと。
      どの季節も、どの日々も、そしてその日々の中で起こるつまらない些細なことも
           一緒に過ごして欲しい。
       すべての生活が二人で一緒に始まり、そして終わるようにしてほしいの。・・・・・♪」
[PR]
by knakano0311 | 2007-10-11 23:26 | 60歳過ぎたら聴きたい歌 | Trackback | Comments(0)

我が家の歳時記  ~ 神無月の丹波路篠山 ~

b0102572_1718269.jpg
b0102572_17261824.jpg


今年も、我が家の秋の定番歳時記、「丹波篠山味めぐり」の季節。
まずは、秋の味覚の買出しから始めます。あの絶品の、「丹波篠山黒枝豆」の販売解禁日は10月5日。ビールの最盛期は過ぎたとはいえ、まだまだ暑い日が続いています。解禁後の最初の休みとあって、「丹波篠山黒枝豆」ファンが一斉に、この時期篠山近辺で行われるいろいろなイベントに枝豆の買出しに訪れます。私も、かって最初に、この黒枝豆を見た時は、その豆の色にびっくりしたものですが(腐っているとさえ思った)、今では、この時期食卓に「つまみ」として欠かせません。

プリプリしてやわらかく、まずほんのりした甘みが鼻を通り、そして旨みが口に広がります。まさに美味。すこし日にちがたつと、豆は黒ずんで見た目は悪くなりますが、味はむしろ深みが増します。古くから丹波篠山地方では、粘土質の土壌と、昼夜の激しい温度差が好条件となって、良質の黒大豆が栽培されてきました。そして、毎年10月上旬の2週間しか生産されない希少な黒豆の未熟なもので、「丹波黒大豆」になる前の「若さや」を「黒枝豆」として食べるのが秋の収穫の風物詩になっています。そして、あと一月もすると、おせち料理に欠かせない「丹波の黒大豆」の時期となるのです。

そのあとは、それは見事な「丹波栗」を買い求め、昼食に「新そば」と、若狭で揚がる「さば」の保存食「鯖寿司」をほうばるのがいつもの定番。

そしてそのあとは、「丹波焼・立杭焼」の郷を訪れ、気が向けば、「一輪挿し」か「蕎麦猪口」などを買い求め、街道沿いに点在する窯元や「兵庫陶芸美術館」で丹波焼の名品を見て、帰路に着くのがいつもの流儀。
瀬戸、常滑、信楽、備前、越前と並び日本六古窯の一つに数えられる丹波焼。「兵庫陶芸美術館」は丹波焼の歴史を学び、実際に陶芸体験もできる施設です。各窯元の作品展示即売のほか、郷土料理が味わえるレストランもあります。10月下旬に開催される「丹波立杭焼陶器まつり」は、いつも大変な人出。少し時期をずらして訪れるとじっくり鑑賞できます。

そして、あのような丹波栗や丹波松茸を産む、この地方の「里山」は本当に見事。手入れが行き届き、暮らしに見事の溶け込んでいる。どの季節に訪れてもここの風景は、日本人の心のどこかにまだ残っている「郷愁」を感じさせてくれる。多分、こんな風景はまだ日本中のあちこちにたくさん残っているに違いない。

日本の自然とそれに育まれた日本人の感性、食の文化。多分これは、世界でも類稀なものではないかと感ずるし、グローバルにも十分通用すると思います。
「松居慶子」。尺八などを取り入れ、日本的な感性でアメリカ西海岸で大人気のスムース系JAZZ・ミュージシャン。彼女の「Deep Blue」を含むアーティストたちの日本の自然へのオマージュ「FURUSATO ENCORE (ふるさとアンコール)」。

FURUSATO ENCORE
オムニバス ジャー・パンファン ジャー・パンシン 松居慶子 喜多郎 藤原道山 幸田聡子 / コロムビアミュージックエンタテインメント
ISBN : B00009AV7C
スコア選択:


「Deep Blue (solo piano) - Keiko Matsui」

          
[PR]
by knakano0311 | 2007-10-08 17:38 | 我が家の歳時記 | Trackback(2) | Comments(0)

バラ色の人生とは?  ~映画「エディット・ピアフ」によせて~

b0102572_23434073.jpg

評判の高い映画、オリヴィエ・ダアン監督「エディット・ピアフ  愛の讃歌」を見ました。シャンソンといえばこの人を置いて他にないトップ中のトップ、歌姫エディット・ピアフ。歌と愛に生きた伝説の歌姫ピアフのまさに壮絶な生涯を描いた作品。

第1次世界大戦の真っ只中、1915年、パリの下町で大道芸人の父と場末の歌手である母との間に生まれたエディット。祖母が経営する娼館に預けられ幼少期を過ごすが、この間に光を失ってしまう。娼館の女たちはエディットに精一杯の愛を注ぎ、やがて「聖テレーズ」に祈りを捧げ、奇跡的に光を取り戻す。やがてストリート・シンガーとして日銭を稼いでいた彼女は、有名クラブのオーナー、ルイ・ルプレにその歌の才能を見出され人気シンガーとなっていく。このとき、つけられた芸名が「ラ・モーム・ピアフ(小さな雀)」である。その後、恩人ルプレの死で絶望のふちに立っていた彼女を著名な作詞・作曲家レイモン・アッソが本格的なシャンソン歌手「エディット・ピアフ」として厳しく育てデビューさせる。その後はあっという間にスターダムを駆け上がっていく。そして生涯最大の愛、マルセル・セルダンとの出会いと悲劇的な別れ。あの「愛の讃歌」は、セルダンとの愛に捧げられた歌。絶望、自動車事故、酒、麻薬、再びの愛と別れ・・・・・・。歌うことへの恐ろしいまでの執念、体を蝕む麻薬、オランピア劇場での再起のステージ。そして47歳での早すぎる死。まさに歌に生き、愛に生きた、「バラ色」に凝縮された壮絶な47年の人生であった。

b0102572_17412168.jpg

この映画、音楽的にも素晴らしい演出がなされている。まず、有名になってからの歌声と歌唱シーン。この場面に、ピアフ自身の声以外にだれの声を持ってこれようか。見事に主演の「マリオン・コティヤール」の歌唱シーンの演技とピアフの声は違和感どころか素晴らしくマッチングしている。勿論、ピアフの歌声は映画の随所にちりばめられているが、監督はそれを決して多用しない。クラブ歌手に見出してくれた恩人の死によって絶望していたピアフが、本格的シャンソン歌手としてコンサートホールでのデビューシーン。歌声は流れず、ストリングスによる緩やかなテーマ曲。カメラは極度の緊張と不安が溶けて、歌うことによって自信と生きがいを次第に取り戻していく彼女の表情、彼女の歌に感動し、スタンディング・オーベイションをおくる観客の歓喜の表情を映し続ける。

40代前半なのに、老婆ともいえる彼女の晩年の壮絶な姿を演ずる女優「マリオン・コティヤール」の演技も素晴らしいが、抑制の効いた映像によって、壮絶さをいっそう際立たせている撮影監督は日本人の永田鉄男氏。

また、物語が終わって、クレジット・ロールが流れてもしばらくは無音、静寂、感動の余韻。やがてストリングスによるテーマ曲が静かに流れエンディングへ。いつもはクレジットが流れ出した時点で、多くの観客が席を立つのだが、この映画は誰一人クレジットが終わるまで、席を立つものはいなかった。  

「愛の讃歌」、「バラ色の人生」、「ミロール」、「パダン・パダン」・・・。ピアフの歌は映画の中で、いくつも聴けるのだが、私は晩年の代表作、ミシェル・ヴォルケール作詞、シャルル・デュモン作曲の「水に流して」に一番心を打たれた。「私は後悔していない・・・」と自身の人生を振り返り、重ねたその歌。晩年、オランピア劇場での公演を半ばあきらめていた彼女はこの歌に出会った瞬間、公演を強く決心し、執念のリサイタルの幕があく。

4度目の、そして最後のオランピア劇場への公演にかけるその執念に、私は、晩年の武道館リサイタルで「川の流れのように」を唄う「美空ひばり」を一瞬重ねて観ていた。
とてもピアフのような人生とは縁がない私たちだが、「バラ色」とはいかないまでも、少なくとも「私は後悔していない・・・」といえる晩年を送りたいものだ。

その最後のオランピア劇場コンサート(1961)のシーン。「水に流して (私は後悔しない)  NON,JE NE REGRETTE RIEN 」。演ずるは、「マリオン・コティヤール」、歌うは「エディット・ピアフ」。

          

「エディット・ピアフ  愛の讃歌」。私が今年見た映画の中で多分最高傑作であろう。
原題は「La Vie En Rose/バラ色の人生」。凝縮して描かれた彼女のその人生を考えると、邦題「愛の讃歌」より、原題「バラ色の人生」のほうがタイトルに相応しいと思える。「バラ色の人生」は彼女自身による作詞作曲だから。

この映画の公開にあわせてフランスで大変な反響を呼んだピアフのドキュメンタリーとコンサートライブの貴重映像DVD。映画は彼女の生涯を忠実に映画化されたものであることがよく分かる。また、圧倒的な声量、全身で表現する歌唱力。日本のシャンソン歌手たち、例えば越路吹雪でさえも、歌謡歌手、例えば美空ひばりでさえも影響を受けたということが納得できる。

エディット・ピアフ コンサート&ドキュメンタリー

東宝



エディット・ピアフ~愛の讃歌~ (2枚組)

東宝




ステージ・ネームの由来となった、「Piaf(ピアフ、小雀)/(英語)Sparrow」をアルバム・タイトルにつけたベスト・アルバムから。

The Voice of the Sparrow: The Very Best of Edith Piaf
Edith Piaf / / Capitol
スコア選択:
[PR]
by knakano0311 | 2007-10-07 18:27 | シネマな生活 | Trackback(1) | Comments(0)